africa

photo:^@^ina (Irina Patrascu)

ほんの数十年前まで、「支援対象」として見られることの多かったアフリカ。

しかし、アフリカの経済は世界中で一番伸びており、アフリカ54ヵ国の3分の1の国の年間経済成長率はなんと6%を超えます。

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この成長は、ダイアモンドや石油が主ではありません。2000年〜2008年のGDP(国内総生産)で天然資源が占めるのはたった24%ほど。

では、一体何がこの大陸を急成長させているのでしょうか? 今回、アフリカの2兆ドル規模の経済について、驚くべき7つの事実をご紹介。それが、日本企業がアフリカ進出すべき理由につながります。

1. アフリカの巨大な市場機会!

下のマップをご覧頂けば、アフリカ大陸がどれだけ大きいかは一目瞭然。人口100万人以上の都市が52ヵ所存在し、これだけで西ヨーロッパ全土と同じくらいの数です。

都会部に住んでいる人の割合はインドより高く、2030年までには50%にまで達するとのこと。アフリカの中所得層の数もインドよりも大きく、2020年までにアフリカの約半数以上の人が自由裁量支出力(自由に使えるお金)を持つことになります。

そして、アフリカは現在、インフラ・教育・ヘルスケア・消費材・リテールなど、全てを必要としていることも重要なポイントです。

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2. 信じられないくらい安定している!?

アフリカ全土の政府が市場経済を促進しているため、国の借金とインフレーションはこの10年間で激減しました。

さらには、政治的クーデターの数も1990年から減少。アフリカ諸国それぞれが違うペースで動いているものの、政治改革はほとんどの国で進められています。

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3. 域内貿易が活性化され始めている

アフリカ国土内(域内)での貿易はいまだに、アフリカ貿易全体の約11%しか占めていません。政治と資源制約により、アフリカ大陸は分裂していました。

しかし、競争的な会社とリーダー達が、その方程式を変えようとしています。経験と正しい知識を持った貿易大臣を筆頭に、協力的な企業のトップ達が共同で自由貿易をアフリカ全土で推奨しているのです。

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4. あと少しで世界の最大の労働人口を誇るようになる

この10年間で、アフリカの労働人口は1.6億人も増加し、2035年までには、中国を超えることになります。

2050年になると、世界の労働人口の25%がアフリカ人という計算です。それでも、生産性改善への投資は、広い地域への成長を施すようにするためにも、最優先で必要となります。

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5. 政府支出の20%は教育へ!

先進国クラブであるOECD諸国は、平均して政府支出の11%が教育セクターに振り分けられます。

アフリカでは2008年、初等教育への進学率は76%に達し、この10年で14ポイントほどアップしました。中等教育はまだ35%と低いですが、10ポイントもアップしました。

2000年から、ガーナとチュニジアの数学と科学の生徒は世界で一番成長したそうです。“教育”は、拡大している労働人口が利益か禍の元になるかどうかを決定付けると言ってもいいほど重要な要因でしょう。

先日私は、ダルエスサラーム(タンザニア)で若い起業家たちに講義をしました。私は他のどこにでもいることができました。しかしそれは、このタンザニアのグループとの対話ほど良いものでは無かったでしょう- ナビル・イスデス、Coca-Cola Company・CEO(2004 – 2008)

今、あなたたちはアフリカで、オックスフォード・ケンブリッジ・ハーバードで学び、6カ国後喋れるアフリカ人と交渉することになるでしょう。私は英語をかろうじて話します- エイダン・ヒービー、Tullow Oil・CEO

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6. 携帯の保有者が激増している!

トジョウエンジンでも以前から携帯電話に関する記事を書いてきました。2010年、携帯電話産業は、360万人をアフリカで雇用していたとのこと。

携帯電話の利用率は、2000年の2%から、現在では78%、そして2015年までには84%に飛躍的に増えるとのことです。アフリカ大陸全土の通信会社は、2011年に電話利用料を18%減らしました。

そして、携帯電話からのインターネット通信量はサブサハラだけでこの4年で25倍にも伸びるとの予測も公表されています。企業は、アフリカの消費者向けの携帯電話(決してスマートフォン、機能増が答えではありません)を開発する必要があるでしょう。

スマートフォンユーザーは現在まで、いまだにアフリカマーケットの3%しか占めておらず、2015年にもその割合は15%ほどに留まることでしょう。

私のドライバーを毎日見る度に、私は携帯電話の効果を感じています。彼は今まで、給料を家族に届けるためにお金を使い、3〜4日も仕事を休まなければいけませんでした。しかし今では、送金をテキストメッセージ一つで済ませています。シャハさん、Bidco

携帯電話が流通する前、ナイジェリアは60万もの回線を1.2億人でシェアしていました。人々は何ヶ月も待ち、数千ドルも使わなければいけませんでした。今日、7000万の回線があります。”革命”を超えたでしょう。ニュレコさん、MTN

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7. 世界の大部分の未耕作地はアフリカにある!

天然資源が全て!のアフリカではもちろんありませんが、それが成長の助けをしていることは事実です。世界の60%の耕地はアフリカにあり、世界の農業の原動力となることもできるでしょう。

そして、豊富な石油と天然ガス資源もあり、モザンビーク・タンザニア・ウガンダだけで400億ドル(約4兆円)ほどの海外投資を受けることも可能とのことです。

しかし、純粋な抽出を続行する会社は、アフリカで支持を得ることができません。ローカルのサプライチェーンを形成し、地元の人々を雇い、地元市場のために生産する企業が今日のアフリカでは需要があります。

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『アフリカ』をどれだけ知ることができるか

アフリカのフロンティア市場は、成功すれば多額の収益を得ることができます。しかしこの成功は、”先進国での成功モデル”をそのまま使って成し遂げられるほど単純ではありません。

利益の最大化を目的としても成功しないでしょう。

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中間層は現に年々大きくなってきています。そんな中で、インパクトを与え、多くのリターンを得たいのであれば、ビジネスターゲットはアフリカの約50%を占める低所得者層の生活改善に関連してくることは間違い無いでしょう。

そのためにはまず、彼ら彼女達の生活をボトムアップで共に理解し、利益率よりもどれだけのインパクトを与えることができるかに焦点を置いたのが、近年のアフリカビジネスの成功例だと思います。

市場規模だけでなく、教育や農業といった個々の分野の可能性もとてつもなく大きいです。「アフリカ=国ではない」ということも視野に入れつつ、日本とアフリカの関係が今後深まることに大いに期待したいですね。

[Harvard Business Review]


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