テクノロジーが、途上国の人々の生活を激変させてきたことは、以前から紹介してきました。
2013年もあと一日、この記事では、途上国の未来を担う可能性を持つ5つの技術イノベーションについてご紹介します。
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1. 安価なタブレット
2013年10月、インドから、世界最安のタブレット、「Aakash」が発表されました。価格は35ドル(約3600円)。貧困層と富裕層のデジタル格差を縮めることに期待が高まっています。
インド政府によって、一番安いiPadの約10分の1の値段のAakash10万台が、インドの農村の学校や大学に配布されているそうです。
シバルインドICT大臣は言います。
お金持ちは新しい技術にアクセスすることが可能だ。しかし貧しい人たちはそれに取り残され、技術革新が進む中で情報格差が広がっていくばかりだ。Aakashはこれにピリオドを打つことができるだろう。
Photo: Geektech
2. 安価なパソコン
以前ご紹介したことのある「One Laptop Per Child」と、インテルの「Classmate PC」。両方、「コンピュータを持つことで、途上国の子供たちに教育機会を与えること」を目標としています。
インテルは、教育ソフトウェアがインストールされている、400ドル前後のラップトップを開発しました。ウェブアプリケーションによって、先生が生徒とオンラインで対話することも可能となっています。
「One Laptop Per Child」は、とにかく安価な200ドル前後のラップトップを、6歳から12歳の子供たちに提供しています。2007年に始まり、既に途上国10ヶ国で240万人の子供たちのもとにラップトップが届けられました。
3. 安価な携帯電話
携帯電話は、途上国の人たちの必需品となっています。近年、インドやアフリカなどの巨大市場では特に多くの大企業の参入が目立っています。
20億人の一日2ドル以下で生活する人たちが使っているのは、簡易携帯電話です。電話・テキストメッセージサービス・モバイル送金サービスなど、ベイシックな機能のみを日々の生活にフル活用しています。
今日、ボーダフォン150が、世界最安値15ドル弱で販売されているとのこと。2010年にインド、トルコ、アフリカ8ヵ国で販売開始されました。
ただ、それと同時に国のネットワーク浸透率を上げ、農村部でも無理なく携帯電話を使える環境をつくっていかなければならないでしょう。
photo credit: Barney Livingston via photopin cc
4. 新エネルギー
Startups for Goodと呼ばれる大会でも優勝した「SunSaluter」は、今まで電気を使った事の無かった途上国の農村へ、ソーラーパネルを届けます。太陽光発電は、今世界のヒットトピックの一つと言われており、様々な確信的プロダクトが生まれて来ました。
米国プリンストン大学のフールさんが開発した「SunSaluter」は、日中の太陽の動きと連動して向きを変えることができ、10ドルという業界最安値も大きな売りの一つです。
さらに、既存の太陽光パネルより40%少ない数で同様の電力を作り出す事ができます。
SunSaluter from Scotiabank’s EcoLiving on Vimeo.
5. 改善された公衆衛生
ビル・ゲイツ氏は、途上国でのトイレの利用率が上がるだけでどれだけの命が救われるかに大きく注目しています。
俳優マット・デイモンが創設した「water.org」によると、10億人が清潔な水へのアクセスが無く、25億人が整った公衆衛生環境に住んでいないそうです。
2012年、インドのTata Chemicalsは、21ドルの浄水器(フィルター)、Tata Swach(ヒンズー語でキレイ)を発表しました。ナノテクノロジーを利用しており、電気無しでキレイな飲み水を人々に届けることができます。
Photo: Wikipedia
低価格なプロダクトがイノベーションにつながる
以上、5つの技術イノベーションについていかがでしたか?
先進国で我々が手にする上記のプロダクトと、途上国のものとでは中身は似ているるかもしれません。
しかし、途上国の人々の所得を上げ、高い製品を買ってもらうより、まずは低価格でこれらのテクノロジーを使ってみてもらうことが大事だと理解できます。
今後は、さらなる低価格化が進んでいくと思われますが、いつでも当事者目線を忘れずに、これからも開発に取り組んでいってもらいたいです。
[Mashable]
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