Screen Shot 2014-01-26 at 16.39.40

皆さんこんにちは。e-Education Projectルワンダ代表のドガです。

先週は、ルワンダの「今」を語った僕の著書の書評を、インドネシア代表のたけるさんが書いてくれました。

今回は、ビデオ撮影・編集を終え、いよいよルワンダの農村部の学校でのコンテンツ放映、つまりプロジェクトが本格始動した話をさせて下さい。

SPONSERD LINK

まずはプロジェクトの進行方法の確認

「5校舎500人」で実施するという大きな目標のもと、僕はプロジェクトをここから進めていく「チーム」にこだわっていました。

ルワンダの都市部には、お金持ちの学校があり、農村部の学校と信じられないほどの教育格差が存在します。そのため小国ルワンダでも、プロジェクトの実施場所は、最低でも首都キガリからバスで1時間ほど行ったところになってしまいます。

1つの校舎を見に行くのに、往復の道だけでも数時間。僕が一人で5校舎毎日回って、生徒たちの様子を見てプロジェクトを進めていく事は不可能でした。

そこで大きな助けになるのが現地チームの存在です。嬉しいことに、週に最低でも3日ほど自由に動けるメンバーは5人以上いました。

一番最初に僕たちの製作したDVDを届け、生徒と先生たちの反応を見るステップは、僕と現地メンバーで一緒に行ない、その後は現地メンバーだけでプロジェクトを進めていってもらおうと考えました。

そうすることで、僕は全実施校の統括、プロジェクトのアドミン(予算表作成など)にも注力することができます。そして、毎週日曜日には、提携先NGO「RIDI」のオフィスに全メンバーが集まり、今週のプロジェクト報告を行ないました。

ドキドキの一日

僕たちはまず最初に、ルワンダからバスで西に約3時間のキブイエという町の学校でビデオを放映することにしました。以前少しご紹介した、ルワンダで現地の人と一緒にゲストハウスを作っている村上由里子さん(ゆりこさん)が英語教師をしていたこともあり、学校の教育事情のことは大体把握していました。

女子校で文系の学生がほとんどであり、実験器具も不足していました。ここにe-Educationの最高の先生の授業をDVDで導入すれば、彼女たちは都市部の学校に通っている生徒たちと同じレベルで試験を受けることができます。

一発目だったので、ルワンダの名門大学のリーダー的存在だったウィリアムにこの学校の担当を任せました。僕よりも前からプロジェクトに関わっていたアレックスは、住まいが首都キガリの南のブタレという町で、キブイエまでは遠過ぎたため、まずは頼れるウィリアムを僕は連れていくことにしました。

首都キガリを朝6時にバスで出発しました。道中、不安と期待が入り交じります。ここまでの道のりを振り返り、やっとの想いで作成したDVDがルワンダの教育格差の是正に少しでも貢献することができるのだろうか。生徒たちはどんな反応をするのだろうか・・・

など、無駄にいろいろなことを考え過ぎていました。

Screen Shot 2014-01-26 at 17.13.37

ゆりこさんも来てくれました

背中を押してくれたウィリアムの言葉

そんな不安そうな顔をしていた僕に対して、ウィリアムがこんな言葉をかけてくれました。

ドガ、僕は大学で学生委員会の代表をやっていた。学生側の意見をまとめて、大学に提出することを今もやっている。でも、仲間と一緒に一所懸命つくった企画書をプレゼンすると、不思議な事に熱意があればその思いは伝わるってことに気付いたんだ。この日のためにドガは死に物狂いで頑張ってきたじゃないか。胸を張って最高の授業を一緒に届けにいこう!

思わず泣きそうになりましたが、僕は大声で答えます。

「そうだよな!そうだ!ダメでもそこからまたやり直せばいいだけのことじゃないか!」

プロジェクトリーダーの僕が泣いた顔を見せるなんてことができるはずない、と涙を懸命にこらえました。

Screen Shot 2014-01-26 at 17.06.24

頼れるリーダー、ウィリアム

校長と教頭先生がお出迎え

学校に到着すると、校長先生がまずは出迎えて下さり、教頭先生も優しく僕たちを教室へと誘導してくれました。

早速、DVDをパソコンに繋げ、スクリーンに映します。インターネットではなく、DVDを使った映像放映が、やはりルワンダにとても合っていることを実感しました。

僕がe-Educationのルワンダプロジェクト説明をし、最初のDVD授業を流しました。

Screen Shot 2014-01-26 at 17.05.51

これはやめられない!!

e-Education Project代表のアツさん(税所篤快)は、どうして途上国という過酷な環境下で、このようなプロジェクトをやり続けることができるのだろうか、と前々から疑問に思っていました。

しかし、その答えはDVDを流し始めて5分で分かりました。

なんと生徒たちが自主的にメモをとり始めたのです!

僕は、様子見のつもりでDVDを流し、用意していたビデオ用のテキストブックと問題紙はまだ配っていませんでした。

実験を説明しているジェラルド先生がミスをして笑う生徒たち。
黒板の文字を書き写そうとする生徒たち。
色の変化など、実験を楽しんでいる生徒たち。
質問を教室にいた化学の先生に聞こうとする生徒たち。

生徒たちの小さな反応が嬉しくてたまりません。農村部の学校の生徒たちが、都会の生徒たちよりもずっと輝いてみえました。

「この生徒たちの笑顔をつくるためのe-Educationプロジェクトなんだ」

この笑顔を求めるために、アツさんも、他の海外メンバーも、日々一所懸命走り続けることができるのか。ようやく僕にも理解できました。

アドレナリンがどんどん体から出ているのが身にしみて分かりました。

Screen Shot 2014-01-26 at 17.16.32

熱心にビデオを見る生徒たち

Screen Shot 2014-01-26 at 17.15.13

校長先生(右)も興味津々でした。化学の先生(左)

続けることが大事

プロジェクト初日は大成功に終わったと言えました。

ウィリアムも生徒、先生たちに自己紹介をし、今後の説明もしました。週に最低でも2回、ウィリアムがこの学校に出向き、プロジェクトのサポートを行います。ただDVDを放映するだけではありません。

生徒たちの意見を最優先し、DVDを数セット置いておくこともその場で決定しました。無断でコピーしたり、無くしたりしないように、管理は先生に任せ、これで生徒たちは好きな時間にDVDを見て、普段は見ることもできない生の実験授業を見ることができます。

これこそがe-Educationの醍醐味だと思いました。

失敗に終わった生徒たちとの交渉も、ビデオの編集にかかった時間も、全ては生徒たちのため。

この初心を忘れずに、これからもずっと活動していこうと思います。

今週もありがとうございました!

Screen Shot 2014-01-26 at 17.22.37

熱心にウィリアムの話を聞く生徒たち


途上国の教育課題を若者の力で解決する

SPONSERD LINK