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皆さんこんにちは。ルワンダでe-Education Projectを進めているドガです。

前回の記事では、現地メンバーへのプロジェクトのハンドオーバーについて、信頼やリーダーシップの観点からお話させて頂きました。

今回の記事では、その“信頼”を重視し過ぎてしまい、再び気付かされたアフリカンカルチャーについて紹介させて下さい。

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短期的目標を設定する

試験まで残り3週間を切り、毎週最低2回実施校に出向く現地メンバーたち。そして日曜日には全員でミーティングを行い、その週にそれぞれが感じたこと、生徒たちからの改善点、プロジェクトの全体的な動向と次に向けての目標設定をします。

目標設定は非常に重要で、試験結果という最終的、かつ長期的なインパクトの他に、短期的にメンバーの焦点をずらさないために毎週違う目標を作りました。

例えば、あるメンバーが

「今週の生徒たちはあんまりやる気が無いように見えた。たぶん試験が近づくにつれ、少し疲れてきているのだろう」

と、発言したとします。

しかし、そのメンバーは上記の主観的な納得でその場を後にしてしまいました。僕は、教育現場で忘れてはならないことの一つに、”客観性”があると思います。生徒と先生という一般的な関係性においても、先生が「よし、教科書無しでフリーディスカッションにすれば生徒たちの理解度はきっと上がるはずだ」と考えるのは主観です。

そうではなく、生徒たちに「なぜ」を問い掛け、共に解決策を見い出していくことで、主観を限りなく客観に近づけ、生徒と先生両方の理解度と満足度を上げることに集中するべきです。

同様に、現地メンバーにとっても、生徒たちに「なぜやる気が無いのか」ということを聞く必要がありました。僕たちのプロジェクトがどう生徒たちには受け取られているのか、一番分かっているのは生徒たち自身です。こうして、翌週の短期目標は、「なぜ」問い掛けを生徒たちにしてみること、とミーティングで決めました。

こうしていつでも変化を恐れず、改善していくことで成長し、結果的に現地メンバーのモチベーション、そして生徒たちのDVD授業に対する意識を変えていくことができると思います。

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改めて感じたアフリカンな考え方

“信頼”を可視化・数値化することは困難です。だからこそ個人の見る目が問われるのだと思うのですが、さらにその先を見ることも求められてきます。

ルワンダ人は、本音と建前がちゃんとしており、日本人に性格は似ているとよく言われます。そのため、自分が実際に思っていることをストレートに口にはしません。ある日曜日、西のキブイエの実施校などを担当しているウィリアムが、ミーティング前に珍しくやって来ました。

ウィリアム:「ドガ、聞いて欲しいことがある。実は、先週から学校のプロジェクターが壊れて、DVDが流されていないらしいんだ」

ドガ:「!」

ウィリアム:「どうすれば良いかな?」

ドガ:「・・・とりあえず僕が持ってるプロジェクターを試験まで貸そう」

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photo credit: Tammy Lo via photopin cc

改めて感じたアフリカンな考え方

「何でそれを先週、僕に言ってくれなかったんだ・・・?」

と、僕はもちろん心の中で思いました。しかし、これこそ信頼の先に見えなかったアフリカンな考え方なのです。ポイントは、僕が先進国、それも日本というハイブランドな国から来たことでしょう。プロジェクトの代表として、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」は僕に全てするようになっていました。

つまり、ルワンダ人からしてみれば、「先進国の人に本当のことを直接言えない」という建前があったのです。自分を認めて欲しい、という感情が先進国の人々に比べてあるのです。

これは決して嘘でも悪いことでも無く、僕がアフリカ人のマインドをもう少し深く感じ取って物事を進めていく必要があった、ということです。ルワンダに来て早くも2ヶ月。また新たなカルチャーショックに学ばされました。

「信頼=任せっきり」ではない

現地メンバーを信じて、彼らだけで考え、行動し、毎週話し合うことを心がけていました。しかし、僕としてもそれが、“信頼”では無く、「ただ任せているだけ」と感じました。

今回、ウィリアムが本当のことを話してくれたお陰で、そこから僕はさらに頻繁にメンバーと食事に行き、連絡をとり合い、お互いを理解し合える存在になれるように努力していきました。こうすることでメンバーと僕との距離を縮め、メンバーにとって僕が気軽に相談できる相手になると思ったからです。

しかし、チーム内でのこのような取り組みとは裏腹に、実施校では大事件が発生していたことは、その時は知る由もありませんでした。。。

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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