みなさん、こんにちは!
トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationの次期フィリピンカントリースタッフとして2019年4月からカミギン島に派遣される予定の堀田です。
先月10月28日(日)、e-Education史上 初の試みとなるインターン帰国報告会を開催しました。
その名も「アジアに飛び出した大学生の挑戦の軌跡〜e-Educationインターン帰国報告会〜」!
e-Educationが活動する現場の最前線で本気になって身体と頭を動かし、教育課題に取り組んでいるのは、大学生であるインターン生たち。
「熱い想いをもって、現地の教育のために活動してきたインターン生たちの生の声を、より多くの人に届けたい!」
そんな想いが形となった今回のイベントです。
1年間、途上国の教育課題解決をするためにe-Educationのインターン生としてネパール・フィリピン・ミャンマー・国内の場で、大学生たちが、それぞれが経験・奮闘しその中で考えたことを、参加者の皆様と共有する場が実現しました。
本記事では、そのイベントの熱い様子をお伝えできればと思います。
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e-Educationインターン生の1年間をぎゅっと凝縮
e-Educationのインターン生が自身の経験の奮闘や想いを等身大で語ることが最大限の見所であったとも言える、今回のインターン帰国報告会。
当日の流れ
- e-Educationについて 事業紹介・活動報告
- 海外インターン生による帰国報告
- 国内インターン生によるプレゼン報告
- 交流会(通称ぐるぐる!)
- まとめ
今回のイベントの目玉「4人のインターン生による自身の経験の語り」を中心に、ぎゅっと濃いプログラムに。
ネパールの現地で活動中の三苫と愉快な現地の生徒たち
右からフィリピンで活動中の山崎と川上、帰国した中川と職員の坂井、フィリピンの現地の先生たち
e-Educationについて
e-Education職員の広報ファンドレイジング担当、水溜が当団体の国内外での事業活動やe-Educationの活動の軸となっている部分をお話しさせていただくところから始まりました。
バングラデシュの農村部にある村から始まったe-Education。
e-Educationが誕生した背景には、途上国で過酷ともいえる環境下で勉強する子どもたちの姿がありました。
「4万人の先生が足りない」
「教科書をひたすら音読するだけの勉強法」
「家で勉強するにも電気がなく、暗い夜道にぽつりとある街灯で勉強する子どもの姿」
e-Education創設者の3人
“東進ハイスクールをモデルとして、この国の田舎の遠隔地でも自国のカリスマ性を持つ先生の分かりやすい授業を受けることができる仕組みができたなら、途上国で課題となっている「圧倒的な教師不足、教育の質」の問題を是正できるのではないか。“
プロジェクトを開始してから半年、国立トップ校であるダッカ大学への合格者をバングラデシュの田舎に位置する小さな村から出すことができたのです。それからというもの、200名以上の生徒を難関国立大学へ送り出しています。
しかし、活動を続けていく中で数々の壁が立ちはだかってきました。
その中でも、2016年に起きたバングラデシュの首都ダッカで起きたイスラム過激派によるテロは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
JICAのプロジェクト関係者を含む現地に赴任していた日本人7人を含む22名が犠牲となった悲惨なテロ。そのテロの実行犯の中には現地の優秀な大学生の姿もありました。
『大学に入ることができれば未来が開ける!』
e-Educationはそう信じて若者たちの背中を押してきました。
「自分たちがやっていることは本当に意味のあることなのだろうか」
代表の三輪はe-Educationの活動の意義そのものを疑い、考え、悩む日々が続きました。心も体もボロボロになって、バングラデシュでの活動を再開することに見通しも立たない日々でどん底に落ちたようでした。
そんなどん底の中でも、見えた一筋の光。e-Educationが再び動き出すきっかけとなったのは、“e-Educationの教育を受けて、自ら現地の社会課題を解決しようという強い想いを持つ現地の若者の存在”でした。
“このようなその国の未来を担っていく若者を育てるためにe-Educationは活動しているんだ”
教育を通して、生徒一人ひとりの人生や生き方に関わってゆく。
e-Educationは教育の機会をただ単に提供するだけでなく、教育を通して『人を育てること』を重要視した活動を続けています。
e-Eduation代表の三輪が取り上げられた、NHKドキュメンタリー
現在では、その『人を育てる活動』を、スタート国であるバングラデシュに始まりネパール、フィリピン、ミャンマーの計4か国で展開しています。
そして、その各国の活動を様々な場所で支えているのが大学生インターンの存在です。
今回のイベントでは、派遣国から帰国した海外インターン生が3名、国内インターン生が1名登壇し、その胸の内を熱く語りました。
『生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる』
ネパール・カントリースタッフ佐藤由季也
最初の海外インターン発表者は、みんなの優しいお兄ちゃんのようなキャラクターで、ネパールに1年間カントリースタッフとして赴任していた佐藤。
ネパールの子たちと戯れる佐藤、とっても楽しそう
岩手県の田舎街で生まれ育ち、自身のことをどこにでもいるごく一般的な大学生だという彼。
そんな彼が初めて途上国での活動に惹きつけられたのは、旅先で出会ったタバコを進めてくる10歳くらいのフィリピンの子どもたちとの出会いでした。
その後、e-Educationの海外インターン生としてネパールに赴任となったものの、ネパール渡航後の4か月間はなかなか前に進むことができなかったと話します。体調不良になったり、週間報告ミーティングで職員からの厳しい言葉を受けて、精神的にとてもつらい時期もありました。
一時は日本に帰った方がいいのではないか?と自問自答したこともあったといいます。
しかし、彼を奮い立たせたのは、「微力だけれど、無力ではない」というe-Educationの職員吉川の言葉でした。
実際に、その言葉の意味を実感した経験として、佐藤が来たばかりの頃は、鍵がかかってホコリがかぶっていたPCルームが1年後には教室いっぱいに子どもたちが入って映像教育を使って勉強するようになっていました。
佐藤が学校に行くと寄って来る子どもたち。
『微力だけど、無力じゃない』
1年間のネパールで現地の人々と家族のように共に生き、教育課題に向き合い続け、現地で都市部と田舎の教育格差解決のために全力を尽くした佐藤。
生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる。
「生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる」と語る佐藤
将来は、自身の出身地である岩手の公立の学校から社会を変える当事者を生み出したい。岩手の田舎の公立中高出身で今も岩手の大学に通っている佐藤、オリジナルの視点で切り開いていく未来がとても楽しみです。
『小さなBetterの積み重ねが世界を変える』
フィリピン、ミンダナオ島・カントリースタッフ中川千絵美
2人目の海外インターン発表者は持ち前の明るさとリーダーシップで周りの人々を動かしてきた、元フィリピン担当の中川。
昔から漠然と「社会貢献したい、大きなことを成し遂げたい」という想いを持っていたという彼女は、国際人権NGOでインターンとして関わっていました。
そんな中で、現地を見たことがない自分と、机上の空論、知識だけが増えていくという状況に、アンバランスさを感じたといいます。
その後、彼女はe-Educationのフィリピン担当として1年間の海外インターンシップを決意しました。
パワフル笑顔!フィリピンの学生たちと中川
現地の文化の中でなかなか思うように前進しないプロジェクトを目の前に悪戦苦闘する日々が続きました。
そんな時は、『自信はなくても行動するための勇気は出せる』というe-Education職員吉川の言葉を、噛みしめながら目の前のプロジェクトに挑み続けました。
現地での1年間の活動の中で、地道な努力こそが現地の状況変化を与えることを実感したという中川。
現地では、映像教育に対応する計算プリントやかけ算を覚えやすくするためのかけ算の歌を発案し、子どもたちの学力アップに努めました。
自信はなくても、行動する勇気は出せる・小さなBetterの積み重ねが世界を変える
そんな彼女が力強く伝えてくれた言葉、
「小さなBetterの積み重ねが世界を変える」
は多くの参加者の心の中に強く残っているのではないかと思います。
帰国後、世界には様々な社会課題があるということを人々に知ってもらいたい、社会の無関心を打破するというミッションのもと、新たなNPO団体でインターンシップを行っている中川。全力疾走し続けています。
『欲にすなおに歩みを止めて一歩前へ』
ミャンマー・カントリースタッフ村山輝周
3人目のインターンは、NPOの活動のかたわら、ミャンマーでお坊さんになる修行も乗り越えてきた、挑戦心の塊のような村山。
1年間e-Educationミャンマープロジェクトのカントリースタッフを務め、現地のNPOであるFoster Education Foundationとともに活動しました。
ミャンマーでの1年間を通して、外見の変化も多くみられた一方で、内面の大きな変化を実感しているという彼。
彼の変化(?)がみられる印象的なスライド
活動の舞台は、ミャンマーで最も高校卒業試験の合格率が低いチン州でした。
「作成した映像授業をミャンマーの困っている学校に広げ先生や生徒が抱えている問題を解決したい」
そう意気込んで現地に向かったものの、一時はプロジェクトが全く進まず、挫折。何をしたいのかわからなくなってしまったこともあったといいます。
そんな中で村山が思い出したのは、『いつも一緒に頑張ってくれている現地のカウンターパートであるジョセフを笑顔にしたい。』という気持ちでした。
現地カウンターパート、ジョセフを笑顔にしたい!
そういった『一番近くの1人を笑顔にしたい』、『チームで仕事をしたい』という想いが、だんだんプロジェクトはポジティブな方向に動かしていきました。
その結果、最終的に彼の地元宮崎のIT企業を巻き込み、その技術を現地のプロジェクトに導入することに成功。また、一緒に頑張ってくれる仲間たちを現地ミャンマー、チン州でリクルートし、新しいチームを創り上げることができました。
欲にすなおに歩みを止めて一歩前へ
仏教の教えに熱心なミャンマーで1年間を過ごし、『自分の欲をまっすぐに捉え、向き合う。そしてそれを受け止め、次のステップへ行動を映していくことの大切さ』を学んだといいます。
『欲に素直になる』
将来は、地元宮崎に関わりながら事業を興すことを構想中。
ミャンマーでも、地元宮崎との繋がりを最大限に活かしてプロジェクトを作り上げた村山。今後どのように、地元宮崎を盛り上げていってくれるのでしょうか、期待が高まります!
『頑張る人が輝く環境を作りたい』
国内インターン若林碧子
4人目のインターン生発表は、海外の活動を支える縁の下の力持ち!4人姉弟の次女として生まれ育った心遣いが細やかな若林。
実は、初めは海外インターンとしての活動を希望していたという彼女。「留学やインターンなど海外に出てキラキラ輝く周りを見て、焦っていたのかな」とその時の自分を振り返ります。
“誰のために、誰に向けて、何をどのように、どうして届けたいのか”
この問を自分に問いかけ続けながら、e-EducationのFacebookをはじめとするSNSの運営、トジョウエンジンの記事推敲、イベントの企画段階から運営、メーリングリストの管理、クラウドファンディング、などの業務に携わってきました。
オフィスで仕事中。出来る女になりたい。
そうやって彼女がe-Educationのプロジェクトのために国内で活発に動いてきた一方で、“教育支援の相手である子供たちの笑顔が直接見えない”という状況の中での国内活動に、限界を感じていた時期もあったと話します。
そんな想いで、迎えた2018年3月。若林は活動国であるネパールに向かっていました。そこで、実際に自分の目で見たもの。
それは、賑やかで活気溢れる街、壮大な自然、お祭り好きで温かい人々、支援先の学校、そして子どもたちの笑顔でした。
”おんぶに抱っこ”とはまさに、このこと!?
生身で経験したネパール渡航を通して、やっと自分が“誰のために、何のために”活動を続けているのかを再確認することができたと言います。
頑張る人が輝く環境を作りたい
周りに対して200%の気を配り、いつでも丁寧な仕事を素早くこなす若林。彼女が放つ言葉1つ1つには、その重みや彼女の細やかな内面が表れていました。
将来、これから彼女がどのような道を進んでいくのかは、まだ不明確だといいます。その中でも、教育福祉という興味に沿って、確実に前へ歩みを進め続けています。
「大きな夢やなりたい理想像がなくたっていい。とにかく、1歩を踏み出して始めてみることで何かが分かるはず。」と語気を強めました。
『頑張る人が輝く環境をつくりたい』
真っすぐに話してくれた彼女の想いや国内インターンとしての奮闘、葛藤から国内活動があってこそ、e-Educationのそれぞれの活動国でのプロジェクトが進められるということをお分かりいただけたのではないでしょうか?
4人の想いが詰まった発表に、身を乗り出して彼ら彼女たちの話に耳を傾ける参加者
真剣にメモを取っていた方も多くいらっしゃいました。
発表者とぐっと距離が近い交流会。通称ぐるぐる。
プレゼンテーションの後は、皆さんお待ちかねのぐるぐる交流会を行いました。
それぞれ「ネパール」「フィリピン」「ミャンマー」「国内インターン」の4つのグループに分かれて、4人のプレゼンターと近い距離での質問やインタラクションが交わされました。
どのグループも活発に質問の手が挙がり、身を乗り出して話す参加者の姿や15分の時間では物足りない程に盛り上がっている様子が伺えました。
国内インターングループ 少人数だと質問の手も上がりやすい
ネパールグループ 参加者の質問に答える佐藤
発表メンバーの活動や現地の状況について、ワクワクした目で質問をしてくださった参加者の皆様。
交流会の人数規模が7,8人ほどの小さなグループだったこともあり、踏み込んだ質問やプライベートな内容も、聞くことができたのではないかと思います。
イベントを終えて
今回初の試みとなった、大学生であるインターン生中心の報告イベント。社会人の方々に加えて、多くの学生さんが参加してくださいました。
国内外関わらず、本気でインターンとしてe-Educationプロジェクトに関わってきた4人の、ここだけの経験・苦労や裏話などを聞くことができたのではないかと思います。
イベントが終わった後も、会場に残って当日の発表メンバーやe-Educationのスタッフと話が弾んでいる参加者もいらっしゃり、皆様のおかげでドキドキ・ワクワクする、充実したイベントとなりました。
スタッフ一同も、熱い想いを持っていらっしゃる参加者の皆様から沢山の刺激を受けた色濃い時間を過ごすことができました。
また、当日出会った参加者の皆様同士が繋がることができる機会にもなっていたら幸いです。
私たちの仲間になりませんか?
e-Educationでは、11月1日から11月25日まで新規職員2名、海外インターン2名を募集しています。
※国内インターンの募集は締め切りました。
今回のイベントで活動報告発表をした海外/国内インターン生、その全員が、過去の募集期間に勇気を出し一歩踏み出して応募したからこそ、今の一回りも二回りも成長した彼ら彼女が在ります。
『社会貢献への想いを実際に形にしたい』
『今の自分を変えたい』
『身体と頭を動かしてプロジェクトに携わる経験がしたい』
『世界で活躍できる人間になりたい』
『持続的な教育モデルを確立したい』
『途上国で本気になって現地の教育に向き合ってみたい』
私たちe-Educationの仲間になって、
その地域・国の教育課題と向き合い
若者の選択肢を、未来を広げることに本気になりませんか?
おわりに
私自身も2018年5月頃のインターン募集、そして選考を経て、フィリピンプロジェクト担当の海外インターン生として採用していただくことが決まりました。
正直、1年間休学し、インターン生としてフィリピンに行くことを決断することは簡単ではありませんでしたし、「これまでe-Educationの先輩たちが作り上げてきたプロジェクトを引き継いで進化させていくという任務が務まるのか」など不安な部分も多くありましたし、今も不安な要素はたくさんあります。
「自分の人生、やりたいことをしたい。何事もやってみなければ何も起きないし自分を含む、誰のことも変えることもできない。」という想いからe-Educationの1人のメンバーとして、動き出すことを決めました。
『本気で挑戦してみたい』
気持ちが少しでもある方は、是非挑戦してみていただきたいと思います。
熱量のこもったご応募をお待ちしています。
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