こんにちは!e-Educationの海外インターンとして、昨年8月よりフィリピンのカガヤン・デ・オロ市で活動しています。早稲田大学法学部3年の山崎真由と申します。
今回は新フィリピンインターンの募集にあたり、現役インターン生の立場から見た、e-Educationで働く3つの魅力を紹介させていただきます!
もともと日焼けしていたのもあり、現地での溶け込み具合には定評があります
魅力1:プロジェクトの圧倒的多様さ
e-Educationインターンが現地でどんな事をしているのかを説明するのは、実は結構難しいんです。というのも、一般にイメージされるような「学校現場で生徒に勉強を教える」「現地機関の一員として働く」ようなことはしていないから。
一言で言うなら、「日本とフィリピンの複数セクターをまたぎ、様々な教育プロジェクトを運営する現地駐在スタッフ」といったところでしょうか。ここでは、その中身を2つの観点に分けて説明させてください。
①自由度高い草の根プロジェクト
e-Educationが主として支援しているのは、“Open High School Program(OHSP)”というフィリピンの公教育制度です。
平日に学校に通うことが難しい生徒のために始まったこの制度。有志の先生によって週末に授業が行われ、生徒は週に一度の通学と自習を通じて課程を修了します。
家庭の経済的事情で学校に通えない生徒や、10代にして平日は働いている生徒、早期出産によって子育てに追われる生徒まで、みんな様々な事情を抱えています。彼らはこの制度によって、中学・高校卒業を諦めずに済むのです。
しかしそんな素晴らしい制度にも、一筋縄ではいかない多くの課題が潜みます。その中の一つが先生不足。「平日の授業に加えて週末も働こう」と名乗り出る先生は多くなく、生徒の数に対して教える人が全く足りていません。
教室に入り切らなかった生徒が廊下から授業を受ける様子
e-Educationはこれまで、映像授業や基礎計算習得のための教材作成等、様々なアプローチを通じてOHSPを支援してきました。最近では、現地の教育学部の学生を派遣し、少人数制で指導を行うプログラムによって授業の質向上を目指しています。
先生不足の現場で生徒に数学を教える大学生チューター
インターン生は彼らのマネジメントを行います
先入観のない目で移り変わるニーズを見つめながら、プロジェクトを改善・革新し続け、生徒にとってより良いOHSPの実現を目指す。知識や経験の多寡を問わず、インターン生一人ひとりがリーダーとなるのです。
②JICAや日本企業と連携した大型プロジェクト
さらに特筆すべきなのは、JICAや日本企業等、他セクターと協働したプロジェクトも数多く動いているということ。1つのNPO、1人のインターンではとても実現できない大きな可能性を秘めたプロジェクトを通じ、現地の教育改革に挑んでいます。
インターン生は主に、パイロット調査やカンファレンスの現地コーディネート等を行います。現地に駐在する唯一の存在だからこそ分かる実情や温度感を日本に伝える役目も担っており、その責任を感じながら活動することになります。
約200人の教師が参加したカンファレンスの中の一コマ
大学生という立場でこれほど大規模な事業の一員として働くという、とても貴重な機会を得ることができるのがe-Educationのインターン。私自身、経験豊富な大人の方々から多くを学び、広い視野を与えていただいています。
魅力2:確立されたパートナーとの関係性
これこそがe-Educationフィリピンプロジェクトの最大の魅力であり、強みだと感じています。
どんなに国際協力に興味があっても、日本人が急に現地に飛び込んでできることは限られています。プロジェクトを行う上で、現地との繫がりは必要不可欠です。
e-Educationフィリピンプロジェクトは2012年に活動を開始し、これまで約10名のインターン生がそのタスキを繋いできました。その間、多様な活動を通じて現地カウンターパートとの絆を深め続け、特に現地教育局とは強固な信頼関係が築かれています。
左から代表の三輪、現地教育局長、副局長、創業期からの最大の協力者アクロさん、山崎
私たちの支援するOHSPは公教育制度であるため、よそ者が介入することは困難なフィールドです。しかし教育局とのパートナーシップにより、学校現場内での活動が実現。e-Educationの運営するプログラムを導入してもらうことができるのです。
変革を続けるフィリピンの学校制度に横たわる課題に、NPOという立場から取り組めるのは、こうした強固な関係性があってこそ。パイロット校にて小さくとも確実な成功モデルを作り、それをフィリピン全体へと広げるべく、現地の熱意溢れる教育者の皆さんと協働を続けています。
魅力3:主体性を求められ、大きく成長できる環境
驚くことに、一地域で働くインターン生は原則として1人。
上司も現地には常駐しておらず、その身一つで現地のパートナーやパイロット校を駆け巡ります。同時進行で動く複数プロジェクト全体を見通し、その時に必要な動きを自ら考え、プロジェクトを推進することが求められます。
たった一年で現地の人と関係を作らなければいけない。現地大学に通うわけではないので何もしなければ友達も仲間もできない。特定の案件以外に上司から指示が降ってくることもない。
まさに、自分からアクションしないと少しも前進しない環境なのです。
初めての環境で知らない大学生の中に放り込まれて、そのアウェーさが辛かった時期
(どこにいるか分からない、とよく言われる写真です)
とはいってもプロジェクト自体は動き続けているので、日々はけっこう忙しない。それに飲まれているうちに、自分の意思のないところで時間が過ぎてしまうこともあります。
正直たった一人でこうした環境にいると、当初の勢いややる気はどんどんしぼんでいきます。
「私一人が頑張ったところで何が変わるんだろう」
「自分の大切な時間やお金を使うだけの価値があるのかな」
「なんでこんな思いをしなければならないの?」
そんな気持ちと隣合わせの日々で、子どもたちやパートナーの想いに応えるべく、自分が強くなるしかないと考えるようになりました。
また現地に自分しかいない分、様々な場面で周囲の人を頼ることが求められます。現地の慣習やスタンダードをより知っているのは、自分ではなく現地の人。そうした意味でも、いかに周りを巻き込めるかが鍵なのです。
私はもともと、正直「国際協力」には不向きなタイプでした。誰かの手を煩わせるくらいなら新しい事を起こすなんて嫌だし、人に頼るくらいなら全部自分で済ませたいし、交友関係も必要以上に広げたくない……
子どもたちと触れ合ったり誰かに喜んでもらうことは好きだし、海外で働くことへの憧れもありましたが、基本的には人間関係に消極的な性格だったんです。
しかしそれではやっていけない。殻を破ることが求められました。
多くの現地関係者ととこまめに連絡を取り、たくさん相談し、頼り、現場に足を運び、仕事外でのコミュニケーションも意識するようになりました。
国際協力は結局「人と人」なのだと思います。それに気づかせ、挑戦する場を与えてくれたこのインターン生活には本当に感謝しています。
活動先の先生方 右から二番目はいつもお世話になっている上司
最近1つ嬉しかったのが、いつもプロジェクトを手伝ってくれている現地の若者にこんなことを言ってもらったことです。
真由はこの8ヶ月で本当に強くなったよね。
最初はあんなに怯えていたのに。
思い返すと渡航直後は、「期待に応えなきゃ……」「これまでの実績を私でダメにしてしまったらどうしよう」と不安だらけで、いつも現地の人からの目を気にしていました。
しかしその子にそう褒めてもらえたのは、ただ時間が経って慣れてきたことの他に、自分自身が少し変われたからかなあ、と自信を持つことができました。
圧倒的にアウェーで孤独な環境の中で、得意なことも、苦手なことも、好きなことも、嫌いなことも見えてきます。自分以外の誰かに尽くそうともがく中で、結果的に自分のことがよく分かってくるのだと思います。
機会に恵まれ、大きな裁量を与えられ、自分で日々を組み立てながらプロジェクトを動かす。そんな仕事ができるのは、e-Educationだからこそだと感じています。
最後に
国際協力業界に本気で興味のある学生、自分を大きく成長させたい学生に挑戦してもらいたい、e-Educationのインターン。
1年という時間をかけて本気で現地に入り込み、その地の仲間たちと本気で協働するからこそ、見えてくるフィリピンのリアルがあります。
ミクロな視点で現場を見つめながら、同時にマクロな視野でプロジェクトに携わることができます。
確かに1年間の休学には、代償も少なからずあります。日本にいる友人が羨ましくなることもあります。しかしだからこそ、現地でより多くを得て、そしてより多くを与えようと全力で奮闘できるのだと思います。
まず一度飛び込んでみてください。見えてくる世界の広さに驚きます。フィリピンの未来の為にあなたと一緒に働けることを、e-Education一堂楽しみにしています!
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