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「泥水を飲むか、きれいな水を汲みに往復数時間歩くのか。」

みなさんだったら、どちらをを選択するでしょうか。

途上国ではいまだに泥水を飲んで生活している人々がたくさんいるのが現状です。泥水を飲むとお腹を壊し、感染症にかかることは知りながらも、きれいな水を汲みにいくためには歩いて往復数時間なんて当たり前。

病気にかかるリスクをおかしてまで、泥水を飲むケースは途上国では普通の光景となっています。

途上国の課題を解決するデザイン

昨年、東京ミッドタウンで開催された「世界を変えるデザイン展」。このイベントでは、発展途上国で生活する人々が直面する課題を解決してきたデザインが約80点展示されました。

1日の平均収入が2ドル以下で暮らす人々に対して、デザインができることは何でしょうか。今回は、途上国を変えるデザインを8つ紹介したいと思います!

1. LifeStraw(泥水を飲料水に変える携帯用浄水器)

LifeStraw

ライフストローはストロー型の携帯用浄水器。活性炭などを使ったろ過装置が、川の水や泥水に含まれるバクテリアやウィルスを除去するデザインとなっています。一本で約700リットルもの泥水を、飲み水へ変えることができるという手軽に持ち運び出来る浄水器。

2. Solar Cooker(太陽の反射光を、熱に変える調理器具)

Solar Cooker

中央に設置した鍋に太陽光を反射させ、集まった熱で調理するという途上国で大活躍のプロダクト。ガスを使用しないため、ガス代やガスを買うための交通費を節約できるのは良いポイントです。料理のほかにも雪を溶かして飲み水を確保するために使用する地域もあるとのこと。

3. One Laptop Per Child(100ドル・ラップトッププロジェクト)

One Laptop Per Child

「100ドルパソコン」と呼ばれるラップトップ「XO」。安くて持ち運びもできるので、どこでも「学校」となります。

カンボジア、チュニジア、リビアなど様々な国の省庁と提携してPCを配布していたり、1台購入すると1台が途上国に送られる「Give One Get One」の取り組みも行っているそうです。

4. Moon Light(ストラップ付き太陽光充電式照明器具)

Moon Light

ムーンライトは明るさのレベルを3段階調節できる照明器具です。読者や仕事用(3~4時間)、食事やおしゃべり用(6時間)、日没後の生活用(6時間以上)など生活シーンに合わせて使用することができます。

現地には照明器具を置くための机がないため、使用者の首から吊り下げるためのストラップも付いてるところが途上国に向けたデザイン性が垣間見えます。バッテリーの寿命は、脅威の5年間と長く使えます。

5. Ceramic Water filter(現地の素材で製造できる簡易濾過装置)

Ceramic Water filter

ポリバケツの中にセラミック容器を設置した濾過装置で、水中のウィルスやバクテリアを除去するプロダクト。製造コストが安く、現地の人びとでも容易に作ることができるため、結果として新しい雇用も創出することにつながっているとのこと。

不衛生な水の飲用が原因で下痢にかかっていた人が減少し、各家庭の医療費の負担も軽減するなど着実に効果を発揮しています。

6. d-light Kiran(太陽光充電式の照明器具)

d-light Kiran

本体ジョブのソーラーパネルで一日充電することで、約8時間使用できる太陽光充電式の照明器具。光の強さは二段階調節できます。

さらに、軽量なので天井や壁に吊るして、夜間の勉強や仕事、料理時に使用することもできます。取っ手の角度を変えて持つことができ、夜道を照らすためにも利用されるなど活用シーンは広がるばかり。

7. Yellowone Needle Cap(使用済み注射針再利用防止のための収容容器)

Yellowone Needle Cap

発展途上国では、使用済みの注射針が適切に処理されていないために、それらが転売、再利用され医療現場で行われることもあります。なんと注射の約半分が安全でないと見積もられ、一度使用された注射針を再度使用することで、多くの人々がHIVやB型肝炎、C型肝炎などに感染しているとのこと。

使い方は、穴の空いたプラスチックのふたを空き缶に取り付け、使用済みの注射針をその穴に刺して針を分離するだけと簡単。空き缶と一緒に処理することができ、針の再利用を防ぐことができます。

8. Jaipur foot(現地の人々が製造できるゴム製義足)

Jaipur foot

ジャイプールフットは、フィットしやすいゴム製の義足で、患者を診断した後3~4時間後に無料で提供しているものです。米国の義足の平均価格は約8,000 ドルというのに比べて、ジャイプールフットの製造原価は約30ドルと非常に安く製造可能。

義足を装着することで歩行や自転車の運転ができるようになり、足を失った人も仕事に就けるようになります。また現地の人々が義足を製造できるように、義足作りの技術教育も行われているので、良いサイクルを生むことになりそうですね。

ニーズを汲んだプロダクトデザイン

紹介した8つの途上国を変えるデザイン、いかがでしたでしょうか。変化をもたらしていくには、しっかりと現地のニーズを汲み取っていくことは不可欠のように思います。

途上国の衣食住を中心に変えていく、デザインの力。これからも注目していきましょう。

[参考:世界を変えるデザイン展]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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