photo credit: BatulTheGreat via photopin cc
日本では当たり前になっているSuica。
電車に乗る時もバスに乗る時もカード1枚を取り出すだけでサッと乗り降りできます。初めて使ったとき感動する人も少なくないでしょう。
そんな日本の優れた技術が、途上国へ広がっていることをご存知でしょうか?
今回はバングラデシュで導入が進むICカードの魅力をご紹介しましょう。
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ICカードが解決する3つの課題
バングラデシュ政府の要請を受け、日本の国際協力機構(JICA)は昨年4月からSuicaの技術をバングラデシュの国営バスで活用し始めました。
半年間で約2万人の顧客を獲得したICカードは、バングラデシュの3つの大きな交通課題の解決に役立っています。
【1】交通渋滞を防ぐ
バングラデシュは世界最大級の人口密度を誇り、都市部の道路は常に渋滞状態。特にバスの乗り降りでは人が多すぎてすぐに止まってしまいます。
ICカードを使うことで、切符を買う時間がなくなりました。列を並ぶ必要もなく、カードをかざすだけですぐに乗ることができ、利用者の満足度は非常に高いようです。
確かに日本でも電車の切符を全員買う姿はとても想像したくないでしょう。ICカードは途上国の交通渋滞解決に役立つのです。
【2】不正なチケット販売者を取り締まる
日本では信じられないかもしれませんが、バングラデシュではおつりが返ってこないことがあります。
バスの販売でも同じトラブルがよく起こっており、バスのチケットを買っても「細かいお金がない」とお釣りをもらえないことがあるのです。本当に釣り銭がないこともありますが、多くの場合は販売者の不正な取引です。
ICカードを使えば、こういった不正取引を減らすことができます。一度のチャージで何度も使えるので、お店の販売者とのトラブルは随分と解消されました。
【3】女性を守る
バングラデシュはイスラム教徒であり、女性は男性との接触をあまり好みません。
しかし、中にはチケットを買うときに男性に囲まれてしまったり、酷い時にはセクハラされてしまう女性もおり、女性のバスの利用率はあまり高くはありませんでした。
こんな問題を解決するのもICカードの魅力。現金のやり取りが減り、女性の利用者数が増えているようです。女性専用のバスも実現したということで、これからもっとニーズは増えていくことでしょう。
高速道路や医療分野への進出も進む電子カード
日本以上にICカードのニーズがあると言われるバングラデシュでは、他の分野での導入も進んでいます。
高速道路での利用はもちろん、日本ではまだ進出が進んでいない医療分野での電子決済システムの開発も進んでいます。
日本の技術が、途上国の様々な課題を解決する。こういった流れがもっと進んで欲しいですね。
[via 「Suica」の技術がバングラデシュへ | ニュース | トピックス | ニュース – JICA]
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