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ケニアの首都ナイロビから6kmほど南に向かった所に、フェンス一枚で人間と野生動物を分けている「ナイロビ国立公園」があります。ここでは、家畜農民とそれを襲う肉食のライオンとの関係が現在深刻な問題になっているのをご存知でしょうか?

家畜を守るため、野生のライオンは次々と殺されていき、その数はこの10年で1万5000頭から2千頭以下までに激減してしまいました。13歳の少年リチャード・トレラ君は幼いころから、ライオンのせいで自分の家族の収入源(家畜)が減っていたことから、ライオンを「最大の敵」と考えていました。

そこで、リチャード君は11歳のとき、自らの育てる牛とそのために殺されていくライオンを守るための画期的プロダクトを発明したのでご紹介します!

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ライオンの弱点とは

リチャード君は、ライオンが何に弱いかを考え、「人が夜間に懐中電灯を持って歩いていくとライオンは逃げていく」ということに気がつきました。そこで、この人間の動きを再現しようと考えました。

自転車に付いているLEDライトと車の古いバッテリーソーラーパネルで発電させ、リチャード君は夜間にチカチカと不規則に点滅する「ライオンライト」を開発しました。

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ケニア最高峰の学校への奨学金をゲット

その後、彼の家畜はもちろんのこと、近隣の75個の農家が「ライオンライト」を取り入れ、ライオンによる被害は一切無くなりました。

さらに、この発明からリチャード君はナイロビの進学校Brookhouse International Schoolへの奨学金を手にし、将来は飛行機のエンジニアになることを夢見て日々勉強中だそうです。

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Win-Win-Winのモデル

リチャード君の発明は、ライオンの絶滅を救い、家畜守り、さらに農家の収入も守るといった「Win-Win-Win」のモデルと言えるでしょう。この発明から、野生動物と人間が共存し合えることを証明してみせました。

今年、カリフォルニアで開催されたTEDカンファレンスにも登場したリチャード君。今後も、途上国の若者が人々の生活を変えていく考えを生み出していくことに大いに期待したいです!

去年のTEDxナイロビでの、TEDのキュレーターのクリス・アンダーソンとの対話も面白いので、下記のショートムービーも是非ご覧になってみて下さい。

[PSFK]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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