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こんにちは、e-education ミャンマー代表の小沼武彦です。前回の記事では一時帰国したことを綴りました。今回は、番外編として、僕がアメリカ留学中に学んで、活動指針にしていることを綴りたいと思います。

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無力だったアメリカ生活で学んだこと

僕は、2011年9月からアメリカにダートマス大学に交換留学したことがあります。そこで体験したのは、「自分の価値のなさ」。まわりの学生が優秀ということもあり、価値を提供できていない、アウトプットが全くできない僕がいました。

自己紹介のたびに「what’s your major?」と聞かれ、英語が全くもって下手くそなのに「I major in English」という日々。友達は、2ヵ国語、3ヵ国語が当たり前に話すことができ、さらにダブルメジャーをしているという状況。

授業ではろくに意見も言えず、モゴモゴする日々。「英語専攻なのに、その英語力かよ!」という心の声が聞こえる被害妄想。「自分にできることはいったい何なのだろう?」と悩んでいた時期がありました。

そんな時に、秋学期に履修していたネイティブアメリカンの授業の教授を訪れ、ある質問をぶつけたことがあります。

「なぜ先生は、そんな歴史の専攻をし、博士課程までいったのか?そうとうリスクが高くないですか?就職も難しいし。それなら、経済専攻とか将来ためになりそうなもの勉強してお金稼いだほうが良くないですか?」

失礼と思いながらも、英語もできない、専攻科目もなく、学問のバックボーンがない状態でボロボロだった僕は、そんな質問をしました。

そうすると先生が笑いながらこう言うのでした。

「僕の場合は、経済学者になって金持ちになっても仕方ないよ。その人生は僕にはつまらないし、好きなことやる人生のほうが楽しい。僕は歴史が好きなんだよ。わははっはー」

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大好きなネイティブアメリカンの授業の先生

他人と比べ、精神的に参っていた僕には、彼の言葉は効果抜群でした。「そうだ、お金を稼ぐという目標の為に人生生きているんじゃない」と思い、それに他人と比べてても仕方ないじゃないし、好きなことをやろうと決意しました。

「僕の好きなことって何だろう?」まわりの優秀な奴らになくて、僕にしかないもの。そして、アウトプットできるもの。

悩みに悩んだ末に、考えついたのが、「教育とボランティア」でした。 そこからは速かったです。図書館でなぜか失恋ソングを聞いて悩んでいたときが噓のよう。

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きっかけの種を巻くTシャツ販売

「ボランティアという機会を与えて、ボランティアって何ぞや?」と考えてもらおう。多くの人に関わってほしいから物品販売が良い。

日本人として、やるなら東北支援だ。どうせやるなら、他の大学も巻き込んで。Tシャツ1,000枚発注だ。何も考えず、貯金50万を崩し発注した結果、段ボール17箱が僕の部屋に積み重なりました。

僕がボランティアに疑問を持ち、実際に関わってみたら、大きく視野が広くなったこと」

これをアメリカの優秀な学生が体験して、将来ボランティアに関わろうとしたら大きなインパクトが出るに違いない。僕が優秀ではなく、世界を動かせない分、彼らにきっかけを与えて、彼らが世界をいい方向に変えてくれれば最高だ。

こういった想いを持って始めたボランティア活動は、12大学の協力を得て、最終的に成功に終わりました。

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講演会で学んだ「支える支援」

Tシャツを販売すると同時に、ブラウン大学の学生が主体となって企画していた講演会を実施しました。東北関係のNPO、NGO関係者をアメリカに招待し、東北のことを伝えてもらう。

最終的に、この講演会は、ブラウン大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ミドルベリー大学、プリンストン大学の5大学で行ないました。その中で、講演者の一人だったNPO団体JEN(ジェン)事務局長の木山啓子さんが仰っていた言葉が印象に残っています。

それは、「与える支援ではなく、支える支援」という言葉。僕にとっては新しい視点で、新鮮でした。与えすぎてしまうと支援に依存し、自立しなくなってしまう。確かにその通りだなと、ミャンマーで活動していて感じます。

今、この考えを軸にミャンマーで活動しています。ただサポートするだけではなく、お互いが歩み寄って、前に進めていく。がe-Educationを進める上で大切にしていることです。

また、僕がとても嬉しかったことがありました。JENの木山啓子さんが、ブログで講演会のことをまとめてくださいました。僕が始めた活動が木山さんのようなすごい方達に良い影響を与えられたなら、これほど嬉しいことはありません。

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木山さんは、ブログでこのように書かれています。

初めは一人のアイデアが、周りをどんどん巻き込んで新しいことを起こしていく。これは、支援の現場でも同じだ。千里の道も一歩から。一人の力は小さいけれど、みんなの力はとてつもなく大きい。どんなことだって起こせるだろう。ただ、みんなの力は、最初はどこにも存在しない。一人の力がみんなの力を作っていくのだ。自分が最初の一人であるかどうかも、問題ではない。同じ目的を持った人たちとは、必ず出会えるからだ。一歩を踏み出し、語り、巻き込む。その繰り返しが大きなうねりとなり、世界を変えていく。一人が一歩を踏み出した時、既に世界は少しだけ変わっている。

小さなうねりを生み出していく。そして現地の優秀な方を巻き込み、大きなうねりとなって国、世界を変えていく。千里の道も一歩から。

今回は番外編でしたが、こういった想いをもって、活動していることを共有したく、書かせていただきました。

これからも応援のほど、よろしくお願い致します。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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