皆さんこんにちは!ルワンダでe-Educationプロジェクトを現地の人たちと一緒に進めているドガです。
前回は、IT起業家たちが集まるコワーキングスペース「kLab」の創業者アレックスさんと出会い、プロジェクトの提携の可能性を感じたことについて書かせて頂きました。
今日は、アレックスさん率いる「kLab」とe-Educationのコラボレーションに向けて、プレゼンテーションした結果について書かせて下さい。
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アレックスさんは実は結構偉い人だった!
政府の大臣などの役職に就いている人や、企業を経営しているルワンダの人は、大抵の場合、海外留学の経験があります。
留学経験のある彼・彼女たちは「ディアスポラ」と呼ばれ、1994年の大虐殺の後に大統領になったカガメ氏が、国の再建のために留学経験者を国外から呼び戻しました。
アレックスさんは「ディアスポラ」の中でも特に有名かつ優秀な方でした。海外留学では金融業界とITを専攻し、帰国後はルワンダの民間企業の海外進出サポートという重要なミッションが与えられたのです。
そのため、「kLab」の創業した他に、ルワンダICT商工会議所のディレクターやIT起業家協会「The iHills」の局長も兼任しており、さらには首都キガリの大学の客員教授も務めていました。
ルワンダのICT業界では知らない人を捜す方が難しいほど、アレックスさんは顔が広く、もちろん「kLab」の若い起業家も全員もアレックスさんのことをよく知っていました。
カガメ大統領(左)アレックスさん(右)
「kLab」よりも「The iHills」!?
僕は当初、ルワンダの若手ITアントレプレナー達が集まったコワーキングスペース「kLab」のグループの中に、e-Educationを入れてもらうことができないか検討していました。
しかし、「kLab」総合マネージャーのクラウドさんのお話を聞いていると、アレックスさんが局長を務める「The iHills」と恊働する形の方がプロジェクトは進めやすい、と思うようになってきました。
IT起業家協会「The iHills」には、ほぼ全てのルワンダ人経営のIT企業が登録されており、多様な人材が不定期にプロジェクトを進めていく「kLab」よりも、個々のIT中小企業とタッグを組んだ方が効率的で、プロジェクトもスムーズに進むと思ったのです。
英国留学経験有り!
アレックスさんに、e-Educationのプレゼンテーションをすることが決まってから、「kLab」でプレゼン資料の作成を始めました。
プレゼンは4日後の夕方に迫っており、事前に忙しいアレックスさんのために事業プランを提出する必要がありました。
数日後、いつものように「kLab」でパソコンの前でプランを練っていると、ここの真下にオフィスがあるアレックスさんが僕のところに寄ってきて、気分が良かったのか机の上にカジュアルに座って話し始めました。
アレックスさん:「ドガ、調子はどう?」
ドガ:「ぼちぼちです。クラウドさんからお話を聞いて、e-Educationは「kLab」よりも、アレックスさんの「The iHills」との方が連携可能性はあると思うようになりました!」
アレックスさん:「それはイイネ!僕たちもヘルス・教育といった他の分野でITを使えないか考えていたところなんだよ。以前ロンドンで働いていた時から、自分の国のヘルスや教育分野でいつか大きなことがしたいと考えていたんだ。」
実はアレックスさんの留学先は、イギリス、ロンドンの大学で、自分の知り合いも数名通っている大学でした。
ドガ:「ロンドンではどんなお仕事を?」
アレックスさん:「簡単に言えば、ロンドンのストックマーケットでブローカーをやっていたんだ!」
ここから30分ほど、イギリスの経済の話から、ルワンダの将来像の話まで、二人で熱く話し合いました。
投資家ジョージ・ソロスの1992年の大規模なポンド売りの話から、ルワンダの経済を比べた話で、大いに盛り上がった事は明確に覚えています。
たぶんですが、ここで僕とアレックスさんとの距離が大きく縮まったと思います。こうした雑談をしながら、共通点が発見する度に、アレックスさんから少しずつ信頼してもらえるようになりました。
プレゼン大失敗!?
そうして訪れたe-Educationルワンダプロジェクト最大の山場、アレックスさんへプレゼンの日。
とてもカジュアルな雰囲気で、午後のアフタヌーンティーと一緒に事前資料とパワーポイントを使ってプレゼンテーションしていきました。
僕は何度も練習したプレゼンの内容を確かめるように一つ一つ説明していきました。
ドガ:「ルワンダのIT起業家たちは高度なプログラミングなどの知識を使って、画期的なアプリケーションを日々開発しています。しかし、一歩首都キガリを出て見ると、都市部・農村部格差は歴然としていて、ルワンダの国民の80%は電話とテキストメッセージだけの携帯電話を保持しているのが現状です。
今、この国で本当に求められているのはシンプルなテクノロジーなのではないでしょうか?e-Educationはまさにここに当てはまり、あえてインターネットではなく、一歩手前のDVD授業というメソッドを用いて、都市部の生徒と農村部の生徒たちの試験での格差を無くしていきます!」
10分程度でしたが、e-Educationの概要とルワンダでの需要、そして「The iHills」とのコラボについてのプレゼンしたのですが、アレックスさんのコメントは予期せぬものでした。
アレックスさん:「ドガ、僕もイギリスという超先進国から自国ルワンダに数年前に戻ってきて、この政府が構想している“IT立国”と実際のITの普及度合いには大きな差があり、自分もこの問題を解決していきたいと考えている。e-Educationのようなプロジェクトは絶対にこの国には必要とされている、ありがとう。しかし、今の段階ではコラボレーションすることは残念ながらできない。理由は単純で、私たちがキャパオーバーだからだ。それでも僕はe-Educationをドガがこの国で進めて欲しいと思う。だから紹介したい人がいるんだ。」
ドガ:「あ、ありがとうございます・・・」
正直、アレックスさんと事前にずいぶんと打ち解けていたので、プレゼン直後に「コラボレーションすることはできない」と返答されるとは思ってもいませんでした。
アレックスさんから全てが始まる
プレゼンが終わってすぐ、アレックスさんから、一人の青年を紹介してもらいました。
実はこの青年が、今後のプロジェクトを大きく左右する存在になります。
さらに、アレックスさんと直接提携を結ぶことはできなかったものの、その後プロジェクトを進める上で絶対欠かせないいくつかの条件をアレックスさんが構ってくれることにもなりました。
この青年との出会いや、アレックスさんが本領発揮してくれる件に関してはまた来週!
ありがとうございました!
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