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「医薬品の提供を通じて、アフリカの全ての人々へ当たり前の医療を届けたい」

「富山の置き薬」のモデルを用いて、アフリカ・タンザニアの医療の届いてない地域に、持続可能なビジネスモデルを創ることで医療課題を解決しようと取り組んでいるAfriMedico。

AfriMedicoでは国際協力への関わり方が多様化する中、全員がプロボノという形で、活動に参画しています。プロボノたちを熱くさせるAfriMedicoとは、いったいどのような団体なのでしょうか?代表の町井恵理さんに、AfriMedicoのこれまでとこれからについて伺いました。

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あの子どもを、なぜ救えなかったのか?

ーー現在、AfriMedicoの代表として、アフリカでの医療支援活動について取り組んでいらっしゃいますが、国際協力の分野で働こうと思ったきっかけについて教えてください。

最初のきっかけは大学生の時、バックパッカーとして、アジアを一通り巡っていた時のことですね。旅の道中でインドに行ったときに、たまたまマザーテレサの施設に行ってボランティアをさせていただいたのがきっかけで、それまでは短期のボランティアを何度かやっていましたが、それから長期的なボランティアをやってみようと思いました。

その後も、バックパッカーとしていろいろなところへ行く機会があったのですが、観光ではなくボランティアベースで途上国に関わるようになりましたね。それこそ、ジャマイカの薬局を訪ねてみたりとか(笑)。地元の方がどんな生活をしているのかなど人と話すことの方が好きだったこともあって、観光などではなく奥地の農村部やプランテーションなどに行くこともありました。

製薬会社で数年勤務した後、青年海外協力隊の隊員として、国際協力の分野でボランティアをすることにしました。当初は、農村地域に長期的に入り込むディープな国際協力の活動に関わりたいという気持ちもあったので、NGOで働くことも一時期は考えたこともありました。

しかし、家族がそれに大反対しそうだなと思うところもあって、JICAがサポートをしている青年海外協力隊なら行けるかも、という流れで協力隊に挑戦しました。もちろんそれでも家族は大反対でしたが(笑)

ーーニジェールでの協力隊経験を通じて、何かご自身の中で、感じたことはありましたか?

ニジェールでの経験が、AfriMedicoを立ち上げた理由にも繋がっています。ニジェールで「子どもが病気で病院に行きたい。でも、お金がないから、200円をください」と、物乞いをしてきたお母さんがいました。私は「お金をあげない」という選択をしました。

私が次にその村を訪れた時には、その子どもは亡くなっていました。

この経験が、今でも私の中に引っかかっています。この経験が、私が国際協力を続ける理由になっていると思います。お金を渡しておけば助かったのでしょうか?それは本当の解決方法なのでしょうか?

私は、一時的なサポートだけではなく、アフリカにあった問題の解決方法を作っていきたいと思うようになりました。帰国後、そうした社会課題を解決するための仕組みを作りたいと考え、グロービス経営大学院へ進学し、そこで集まった有志とAfriMedicoを創設し、今に至ります。

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理想と現実をきちんと見極める、経営の視点を忘れずに

ーー現在、スタッフが全員プロボノとして参画しているAfriMedicoですが、NPO法人としての専従職員を雇う、タンザニアに常駐の日本人スタッフを派遣する、などの活動はしないのですか?

私自身は(タンザニアに)行く気満々なんですけどね。現在、妊娠しているというのもありますし、職員を派遣する、というところにおいては難しいことがあるのは事実です。結局のところは、私がやりたいのは「誰が派遣されても、されなくても、現地の方が現地の方でこの活動を継続できる」というような自立出来る仕組みを作りたいと考えています。

なにより、活動を回していくことが重要なので、「持続可能なモデル」というところに軸を置いて行きたいです。例えば、これからタンザニアに職員を派遣することになった時に、やはり安全性については大事にしていきたいと考えています。

そういった課題をクリアにした上で活動を続けていく必要があると思っています。私たちは、「命を救う」活動をしているわけですから、そこで誰かが命を落とすことはあってはなりません。

しかし、正直、現地には職員を派遣したいという思いはありますが、まだまだ具体的な実現方法までは考えられていません。日本サイドの職員に関しても、現在安定的な資金調達にむけて試行錯誤を重ねている状態なので、有給職員を雇うことが難しいんですね。そこは、今後の資金調達の兼ね合いを見ながら決めて行きたいところではあります。

ーーできたてのNGOほど、ガッツが先行して多少のリスクを冒して活動してしまうことが多いと思うのですが、町井さんはAfriMedicoの活動を、緻密に組み立てているイメージがあります。ご自身の思考や視点を養うことについて、何か転換点などはあったのですか?

私たちのそもそもの起源や考えは、グロービス経営大学院のメンバーが集まって、研究プロジェクトの経営の視点から生まれているからかもしれないですね。理想と現実をきちんと見極め、日本のビジネスモデルを持続可能な形で国際協力に取り込む、そういったところに惹かれて、いろいろな方が入ってきたのかな、と思います。

もちろん大学院でも、色々な授業で、経営学や組織論などの勉強を重ねてきました。そういう分野については、NPOや株式会社といった法人格に関わらず、組織としての在り方について勉強しました。そうでもしなければ組織のリーダーとして引っ張ることなどできなかったと思います。どちらかというと、もともと人を引っ張っていくようなタイプでもなかったので。何かしら自分に自信を持つためにもこういった知見やスキルを身に着けてよかったなと思います。

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会社では絶対にできないような経験を

ーー町井さんから見て、メンバーの方がAfriMedicoに入る際、どんなことをモチベーションとしていると思いますか?

アフリカにつながっていきたいという方や、ソーシャルビジネスとしても関わりたいと言ってくださる方は多いですね。プロボノの特徴として、働きながらでも多様な関わり方で国際協力にコミットできるというのはなかなかない特色だと思います。さらに、今頑張ってくれているメンバーはAfriMedicoを成長させるためにこの組織に貢献したい、と言ってくれている方もいますね。

きっと、会社では絶対にできないような経験をできると思います。会社だと固定の役職に振り分けられてしまいますが、それぞれがマルチタスクをこなしながら活動しているような組織です。ちゃんとコミットしているメンバーは「個」の力もつけることができています。組織内で自分の力を活かし、プロボノとしての活動で力をつけることで、本業で出世したりしている人もいます。

団体設立当初は、AfriMedicoのビジョンに共感しているというよりも、私自身を応援してくれる方が多かったような気がしています。そういった意味で、今の時期はまさに第二創業期、といった感じですね。町井恵理の「個」も落ちてきたのではないかと思います。

最近では、「私」ではなく、「ビジョン」に共感して人も集まってきましたし、組織としてもまとまってきています。やっぱり自分一人じゃ何もできないので、いろんな人に参加してもらいたいですね。正直これからどうなっていくかは、試行錯誤している、という様な段階なんですけどね。

また、これはどうなるか分からないですが、これからはプロボノだけではなくって学生インターンの方にも、是非一緒に働いてほしいと思っています。しっかりと安全面等はクリアして、タンザニア現地でのオペレーションを回していく必要があります。支店の立ち上げから、現地の調査、厚労省とのやり取りとか。本当は私が行きたいんですけど(笑)

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日本文化をアフリカに届ける挑戦

ーークラウドファンディングへの意気込みをお聞かせください。

私たちが今回のクラウドファンディングで挑戦する、置き薬のプロジェクトには、日本人の方はとても親しみを持ってくださっている仕組みで、「信頼のモデル」とも言われています。ある種、日本文化としての性格も強くて、「日本文化をアフリカに届ける」といった意味合いも強く含んでいます。

日本発祥の置き薬というモデルが世界で役立つことに、日本人としては誇りに思いますし、これをきちんと現地にあうように改良を重ねていくため、挑戦していきたいと思います。

また、「予防は治療に勝る」というように、セルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること(出典:世界保健機関(WHO))を普及させるために、私たちは「置き薬」のモデルを選びました。

今回のプロジェクトで資金調達をすることができれば、タンザニアに本格的に事業展開をしていくことができるようになります。是非、多くの方にページを見ていただき、私たちの活動について興味を持っていただきたいと思います。

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『VOYAGE PROGRAM』での挑戦

『VOYAGE PROGRAM』は、国際最大規模のクラウドファンディングサービスを手がけるREADYFORが新たにはじめた国際協力活動応援プログラムであり、AfriMedicoは第2回参加団体に選出されました。

町井さんたちはタンザニアの無医村へ薬を アフリカ版「置き薬」プロジェクトというプロジェクトの成功に向け、現在活動資金を集めています。

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