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みなさんこんにちは!e-Educationインターンでフィリピンのミンダナオ島で活動しています、ジェイミーこと中川千絵美です。

前回の記事では、音楽の力でフィリピンの子ども達の未来を切り開く、NPO セブンスピリットの活動をお伝えしました。

記事からもわかるように、フィリピンの人々は音楽が大好き。学校で歌う機会が日本より多いのはもちろんのこと、仕事中でも歌い出すフィリピン人もよく見かけます。(本当ですよ!)

そして、歌と同じくらいフィリピンの人が好きなことがダンスです。
セミナーの合間にレクリエーションとしてダンスがあったり、イベントでプロも顔負けのセットの中で踊ったりと、ダンスはフィリピンの文化から切ってもきれないものと言えるでしょう。

そんな歌と踊りが溢れるフィリピンで、世界を股にかけて活躍するエンターテイナーに出会いました。

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彼の名前は田中昂佑(たなか こうすけ)
世界63カ国以上を旅してきたエンターテイナーです。田中さんがダバオの孤児院の子ども達とダンスを踊るプロジェクトを行なっていたときに、実際にお会いすることができました。

中学生の時はいじめられ、生きる意味を見失っていたという田中さん。そんな田中さんの人生を変えたキーワードは「旅」「ダンス」そして「子ども」。国境をこえて夢を届け続ける田中さんの想いはどこからくるのか?お話をお聞きしました。

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いじめられっ子だった中学時代。生きる喜びを教えてくれたのは小さな子ども達だった。

僕は、中学生の時にいじめにあっていました。友達と呼べるような人もおらず常に孤独を感じていた僕は、せめて自分の存在を証明したくて犯罪の道に逃れ、周りの人に迷惑ばかりかけていました。

そんなある日、生活指導の先生が僕を呼び出しました。先生は僕の素行には触れず、保育園で放課後ボランティアをしてみないか?と提案してくれました。
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今ではめちゃくちゃ子ども好きの田中さん。キレのあるダンスですぐに子ども達と打ち解けてしまいます。

その時は特に興味はなかったのですが、放課後に不良に殴られるよりはマシか、と思いそのボランティアを始めました。

最初は大変だったボランティア。子どもが特に好きだったというわけでもなく、放課後彼らの遊びに付き合うだけでクタクタでした。でも、日々子ども達と触れ合う中で、子ども達が僕に夢を語ってくれるようになったんです。

「将来は〇〇になりたいんだ!」キラキラとした笑顔でそんな夢を話してくれる姿が、生きる意味がわからなかった僕を前向きにさせてくれ、勇気を与えてくれました。彼らから生きる喜びを学びました。

自分の知らない世界との出会い、衝撃から生まれた使命感。

ボランティアの活動にも慣れてきたとき、英語の授業でWe are the Worldを初めて聞きました。ご存知の通り、この曲はマイケル・ジャクソンをはじめとするビッグアーティストたちが、アフリカの飢餓と貧困を解消するために作ったキャンペーンソングです。

マイケルたちの歌をきっかけに社会の課題に興味を持った僕は、インターネットで調べて衝撃を受けました。そこには日本の子ども達と正反対の、生きることにただ一生懸命な子ども達がいました。

衝撃を受けた僕は、さらにいろんな社会問題を調べ始めました。特にショックだったのは、枯葉剤の影響にいまも苦しむベトナムの子ども達の姿です。
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思いを行動に。ショックをショックのままにせず、行動に移した高校生時代。実際にベトナムで学びました。

彼らの痛み・苦しみを知り、救える人間になりたい。ある種の使命感のような意志をもち、高校はベトナム語を学べる学校を選びました。

言葉が通じなくても、心はつながる。ダンスがコミュニケーションツールに

高校では、英語とベトナム語両方を勉強し、実際にイギリスとベトナムに行く機会をいただきました。

イギリスでもベトナムでも思い通りに言葉を使って会話をすることはできませんでした。ですが、言葉を使わなくてもコミュニケーションを取れることに気づいたんです。それがダンスでした。
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マイケルジャクソンの Beat Itをみんなで練習!

特に、ベトナムで出会ったストリートチルドレンが、僕のダンスによって笑顔になってくれたことが本当に嬉しくて。これをきっかけに本格的に独学でダンスを学び始め、「世界中でダンスをしながら、子ども達に夢を与える」というのが僕の夢になりました。

もっと広い世界を知るために休学、そしてフィリピンへ

その後、国際色豊かな大学に進学。世界各地から来た学生と触れ合ったり、長期休暇の度に海外を旅してはいろんな人と出会い、価値観が違うことの面白さを知りました。もっとじっくり、長い時間を使って世界を知りたいと思うようになり、大学3年生の時に休学を決意し日本を飛び出しました。

この休学中に、縁あってフィリピンの孤児院ハウスオブジョイと繋がりました。日本人が運営する孤児院で、オーナーの方が僕のダンスをSNSで見て孤児院に招待してくれたんです。孤児院では、子ども達と一緒にダンスを踊りビデオを作成するというプロジェクトを行いました。

子ども達とダンスをする中で特に印象に残ったのはメインで一緒に踊ったロジャーの夢。彼が「次は日本でコウスケと一緒にダンスをしたい!」という夢を話してくれて、このプロジェクトをやってよかったなあと思いました。

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ハウスオブジョイのロジャーと田中さん。衣装がバッチリ決まってますね!

ダンスプロジェクトは大成功!また絶対ここに戻って来てみんなでダンスをしたいという思いを胸に、次の目的地へと旅立ちました。

フィリピンでの2回目の挑戦。自分の人生そのものをメッセージにできる人間になりたい。

その後も旅とダンスを続けて、僕自身の夢も叶っていきました。それと同時に、広い世界でビックな人間になって子ども達に夢を与えたい、と夢の舞台が世界へと広がりました。

2017年にはトビタテ生に採用され、アメリカで本格的にダンスを学んだ後、ダンスをしながらヨーロッパを周り、最終的にまたフィリピンのハウスオブジョイに戻ってくることができました。

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ハウスオブジョイの子ども達と田中さん。

実際に子ども達とすごしてみるとわかるのですが、彼らは本当にエネルギッシュです。

ハウスオブジョイに住む子どもたちに孤児院に来たバックグラウンドを聞くと、多くの子どもたちが壮絶な経験をしてきたことがわかります。でも彼らは毎日笑顔で、小さなことにも感謝できるし、すごく才能に溢れた子たちばかりです。僕はハウスオブジョイの子どもたちと触れ合う中で、家庭環境や経済的な理由が自分の人生を邪魔する、という考えがなくなりました。

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子どもたちの中には、出生証明証がないため公式戦などに出られない子も。
それでも子ども達は、ひたむきに自分の可能性に挑戦しています。

僕は、自分の人生を「メッセージ」にしたいと思っています。自分の見てきたもの、やってきたことを世界中に広げて、僕に生きる勇気をくれた子ども達に今度は僕が勇気をあげたい。
子ども達の夢を広げる広告塔になりたいと思っています。
(インタビュー終わり)

最後に、田中さんが孤児院の子供達、そして田中さんが所属するLES WORLD(レ ワールド)のエンターテイナー仲間と一緒にミュージカルをした時の様子をお届けします。

次はどんなワクワクを子どもたちに届けてくれるのか、本当に楽しみです!

これからの田中さんの活動から目が離せません!是非、応援よろしくお願いします。


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