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生きた世界遺産をご存知ですか?

世界遺産と言えば、その国の歴史や失われた文化を象徴するような遺跡や建築物のイメージがありますが、チベットの世界遺産は違います。

世界遺産に登録された「ラサのポタラ宮歴史地区」の象徴たる3つの建造物は、チベットの宗教や政治の中心として、今も大きな役目を果たしています。

今回はその中でも代表的な建築物「ポタラ宮」についてご紹介しましょう。

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歴代のダライ・ラマも暮らしていた「神の家」

ポタラ宮が建てられたのは、はるか昔の7世紀。山の斜面を利用し、建築面積13万平方mという巨大な建造物が作られました。

その後1642年にチベット政府ガンデンポタンが成立してダライ・ラマが政権を確立すると、政治や宗教の拠点をポタラ宮に定めて、大規模な増築を行い、現在の形になりました。

標高3,700mに位置し、天空の城とも言われるポタラ宮。宮殿の中には、美しい壁画や彫刻が並び、チベット文化の叡智が詰まった芸術の結晶でもあります。

これだけ外観や内装に拘っているのは、ポタラ宮が「神の家」であるからだと、チベットの人々は語ります。神とは、観音菩薩の化身、つまりダライ・ラマのことを指し、チベットの人々にとってポタラ宮は言葉の通り、神が暮らす家でもあるのです。

現在ダライ・ラマ14世はインドへ亡命しておりますが、チベットの人々におけるポタラ宮の重要性は変わっておらず、これからもその役割は形を変えながら続いていきます。

チベットの世界遺産は、生きているのです。

(photo credit: USAID_IMAGES via photopin cc)

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