皆さんこんにちは。
アフリカの小国・ルワンダでe-Educationプロジェクトを進めている牧浦土雅(マキウラドガ)です。
前回は、現地パートナーのアレックスとNGO提携のあり方について深く話し合い、現地NGO「RIDI」の他のメンバーと出会ったことについてお話ししました。
今回はいよいよ、提携先であるRIDIの代表と話し合い、そこからの急展開について書き綴らせて下さい。
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冷静になって考えてみる
kLabでアレックスさんからRIDIの副代表ロバートを紹介してもらってからここに至るまで、僕はエキサイティングな気持ちが全面に出ており、全て感情に任せるように動いていました。
「とにかくプロジェクトをスタートさせたい」
そんな思いが強過ぎており、ロバートにも、e-Educationがこれまでルワンダで踏んできたステップについては、あまり詳しく説明していませんでした。
代表のエマニュエルさんと話を詰めていくにあたり、e-Educationとルワンダ教育省との関係性について触れるか触れないか最後まで迷いました。
長期で物事を考える
今回、RIDIとの提携に至った大きな理由の一つとして、「e-Educationルワンダの
母体を作る」というのがありました。
これは言い換えると、「e-Educationが今後ルワンダでプロジェクトを行なっていくにあたり、その受け皿となる団体がRIDIであり、RIDI無しにはe-Educationもプロジェクトも何も無い」ということです。
そんな中、ふとしたキッカケで、素敵な言葉に出会います。
(photo credit: birgerking via photopin cc)
信頼は紙のようだ。一度ぐちゃぐちゃになったら、完璧に元通りにすることはできない。
今の僕の心境、e-Educationの現状を表すのにピッタリの言葉でした。
最初、ルワンダ政府との交渉は、過去のこともありうまくいきませんでした。
これを先ほどの言葉に当てはめると、紙をキレイにのばして、一度信頼を失ってしまったルワンダ政府から新たに信頼を得るのは難しいし、何より時間がかかってしまいます。
では、どうすれば良いでしょうか?
僕が考えたアイデアは、新しい紙を用意する方法でした。政府関係者の方からもらったアドバイスをもとに、もう一度0からスタートして、少しずつ関係を築いていけば良い。これこそが「NGOとの提携」という新しい選択肢を選んだ一番の理由です。
そして、良いスタートをきるためには、なぜ0からリスタートしたのか、その理由をRIDIに説明するべきだと思いました。プロジェクトをいちスタートさせることも大事ですが、同じ失敗を避け、しっかりとした長期的関係をつくっていくためには、全ての経緯を話すべきだと思ったのです。
e-Educationのため、RIDIのため、そして何よりe-Educationのコンテンツを首を長くして待っているルワンダの生徒達のために、一度失ってしまった失敗を素直に話す決心を固めました。
いざ、出陣!
いよいよその日がやって来ました。
RIDIの代表、エマニュエルさんとの最初のミーティングです。
僕、副代表のロバート、そしてメンバーのウィリアムも参加しました。
エマニュエルさんは普段UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)で通訳の仕事をされているため、ミーティングは首都キガリ市内にあるRIDIのオフィスで行なわれました。
一通りの自己紹介が終わり、僕からプロジェクトの概要、過去の取り組み、そしてRIDIと何をしたいのかということを話しました。
ドガ:「我々は、一度、ルワンダ政府の許可無しでプロジェクトを始動させてしまったため、正直政府との関係が決して良いわけではありません。しかし、アレックスさんとの出会いから全てが変わり、今ここでRIDIの皆さんと話をすることができています」
エマニュエルさんは、とても和やかに話を聞いてくれ、僕はe-Educationルワンダの全てをお伝えしました。
エマニュエルさん:「ドガ、ありがとう。まず君たちの熱意には心を打たれたよ。僕は今フルタイムで働いていて、活動自体にコミットすることは難しいけれど、だからこその僕たちのNGOの若いメンバー・学生がいるんだ。“農村部でのパソコン普及”というビジョンを我々は持っている。さらに、それに付加価値となるe-Educationの“DVD授業”を入れ込ませれば、RIDIとしても、e-Educationとしても、ルワンダの教育事情を大きく変えることができると思う」
ドガ:「ありがとうございます!」
エマニュエルさん:「でも、もう10月頭で、試験の11月中旬までには時間がとにかく無い。MOU(提携契約書)をもう今日ここで結ぼう!」
ドガ:「・・・え!?今日ですか!?」
MOUを結ぶということは、オフィシャルにe-EducationとRIDIが提携する、ということを意味していました。
一度のチャンスを逃さない!
現に、高校卒業試験(大学受験)まで2ヶ月を裕に切っており、一日も早くプロジェクトをスタートさせたい思いであり、エマニュエルさんからの提案は本当にありがたいものでした。
そして、その場でエマニュエルさんと僕とでMOUを作り、プリントアウトし、お互いサインし、がっつりと握手を交わしました。
がっつりと・・・。
握手をした瞬間、e-Educationルワンダが本当の意味でようやくスタートラインに立ちました。
そうなれば後は任せて!
「最高の形」と言っても過言では無かったと思います。
RIDIには若くて動ける学生・社会人メンバーが8人ほどおり、彼らと一緒にプロジェクトは進めていくことができます。
現地パートナーのアレックスは、ルワンダで二番目に大きいブタレという都市に住んでおり、e-Educationの実施校はその周辺に一つありました。
提携先NGOとコアメンバーが決まり、ようやく実施校を決め、今後のe-Educaitonの方針を現実化させる段階まで辿り着きました。
そして生まれた「驚きのプラン」については来週お話させて頂きたいと思います!
では!
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