Selamat pagi 皆さん、おはようございます!e-Educationインドネシアプロジェクト担当の田中瑞幹です!
前回は僕がインドネシアで挑戦する理由についてご紹介しました。
第2回目の投稿となる今日は、現代文明を使わない人々の村であるバドゥイでのホームステイ体験についてご紹介します!
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バドゥイでのホームステイ
バドゥイ族が作った竹製の橋
首都ジャカルタから電車で2時間、車で2時間、歩いて1時間の合計5時間かけた先にある場所がバドゥイです。ジャカルタ近郊にありながら、なんとこの村は「現代文明を使わない人々の村」と言われています。
出発前に与えられた情報は次の三つ。
- 電気がない
- 裸足で歩いている
- 太陽と共に起き、太陽と共に寝る生活
現代にそんな生活は可能なのでしょうか。可能だとしたらどういった思いで生活しているのでしょうか。半信半疑の気持ちでバドゥイを訪れ、一泊二日のホームステイをしてきました。
そもそもバドゥイって???
はじめに、簡単にバドゥイの情報を提供しましょう。
まず、バドゥイに住んでいる人は「バドゥイ族」と呼ばれています。インドネシア、ジャワ島西部に住んでいるプロト・マレー系の住民であり、もともとはスンダ族のパジャジャラン王国の人々だったとされています(16世紀にパジャジャラン王国は滅ぼされています)。
言語は、スンダ語の古形態をとどめています。そしてバドゥイには35の村が存在し、そのうち3つの村が中核村(外部の人間は入れません)、25の村が中間村、7つの村が外部村です。僕たち外国人が入れるのは外バドゥイ、すなわち7つの外部村になります。
Selamat datang di Baduy
お待たせしました!それでは、未知の村バドゥイへご案内しましょう。
5月某日の朝。ジャカルタの中心近くに位置するPalmerah駅を出発し、まずはRangkasbitung駅を目指します。電車で揺られること約2時間。なんとも途上国を感じさせる場所に到着です。
Rangkasbitung駅前
ザ・屋台という場所で昼食を済ませ、車で出発。車は車でも、インドネシア中でよく見られるアンコットという乗り合いタクシー。横向きで座り、道とは言えないデコボコ道を進むため、車酔いが激しい人はご注意ください。ちなみに僕は車酔いで途中休憩をもらいました。秘境までの道は険しいとはまさにこのことですね。
パワーの源は豊かな自然
バドゥイの大自然
そして、ついにバドゥイに到着!と言いたいとこなのですが、最後の難関。そう、山登りです。
気温32度の中、荷物を背負い、約1時間の山登りをします。しかし、安心してください。実は、内バドゥイから来た数名の青年たちが僕たちの山登りをサポートしてくれます。心優しい彼らは、荷物を持ってくれたり、会話相手になってくれたりしました。
都市部の騒音を忘れ、生い茂る自然と風情ある家々を眺めながら歩いていると、案外すぐに外バドゥイに到着です。
大自然で育ったココナッツ
到着直後には、大自然で育ったココナッツジュースをいただきました。山登りで乾ききった喉を優しく潤してくれます。
あとはゆっくり自分の好きなように過ごすだけ。村を探検するもよし、川で泳ぐもよし、読書をするもよし、ぼーっとしながらウトウトするもよし。
バドゥイは、忙しい毎日を送っているあなたの心と体をリフレッシュしてくれます。
バドゥイでの食事
手作りの夕ご飯
午後の自由時間のあとは夕食タイムです。電気を使わないため、各家庭にはかまどがあり、そこで料理を作っています。平成生まれの僕は、かまどがある生活は未経験。それでも昔の日本にタイムスリップしたかのような感覚になりました。
そして、何よりご飯が美味しい。かまどで炊いたご飯やIkan Asin(塩漬けされた魚)、自家製サンバル(インドネシア伝統の辛いソース)、スープ、それと数種類のおかずがふるまわれましたが、ペロリと完食。
その後は、再び自由時間です。日頃からの癖か、空き時間ができると、ついついスマートフォンを触ってしまうのですが、ここはバドゥイ。電波はなく、スマートフォンを触っても何もできません。改めて、スマートフォンがいかに自分の生活の一部になっていたかを気づかされました。
と、ここまでは、電気も見当たらない、裸足で歩いている、洗濯もシャワーも川の水を使っているなど、完全に現代文明を拒否している生活です。「これが昔の生活なんだな。本当に現代文明を使わずに生活している人がいるんだ」と思っていました。
ところが、夕食を終え、少しずつ暗くなってきた時に、衝撃の光景を目にしました。なんと、家には電気。あまりの衝撃に、早速、電気について訊ねてみたところ、「これは太陽光を使っている電気。バドゥイの村に直接電気を引いているわけじゃないからいいんだ」という答えが返ってきました。
「あれ?太陽光を使った電気こそ現代文明の賜物ではないか?」そう思ったのは僕だけでしょうか。そして、極め付けは、スマートフォン。ホストファザーは器用に画面をタッチしながら、作業をしている様子でした(ただし、僕たちのスマートフォンには電波が入ってこないのはなぜでしょうか)。
なんとも驚きの連続でしたが、夜になって話を聞いてみると徐々にバドゥイの実態が明らかになりました。
バドゥイにも現代文明の波が…
バドゥイの青年たち
最初に説明したようにバドゥイは外国人が入れる地域(外バドゥイ)とそうでない地域(内バドゥイ)に分かれています。そして、内バドゥイは完全に現代文明から切り離された生活だとホストファザーは言っていました。
服装も伝統を守り、当然のことながら電気がない生活です。また、法律も独自のものを持っており、内バドゥイに関してはインドネシアの法律が適用されません。
さらには、病気にかかった場合には、長老(130歳を超えているらしい)による祈祷が行われます。薬は彼が煎じたものを飲むようです。まさに、現代とは懸け離れた生活だと思いませんか。外国人は絶対に入ることができない場所というのもどこかミステリアスさを感じさせます。
一方で、外バドゥイの場合、貨幣経済が急速に浸透し、ビジネスを行う人も多くなってきているとのこと。実際、村の中にも小さな売店や伝統的な織物を売る店があり、貨幣経済の浸透を感じさせます。中には、ジャカルタなどの都市部に頻繁に行く人もおり、現代文明の介入は余儀なくされそうです。改めて、現代文明の影響力の強さを痛感しました。
しかし、貨幣経済が浸透し、文明の利器を使っている人がいるとは言え、まだまだ日本人にとってはどこか懐かしい風景が残っている場所でもあります。茅葺の家が立ち並ぶ様子やかまどで夕食を準備する光景、豊かな自然はきっとあなたの心を癒してくれるはずです。
いかがでしたでしょうか?
今回の投稿はではンドネシアにある未知の村、バドゥイを紹介しました。
もしインドネシアに来る機会がありましたら、ぜひ一度足を運んでみてください!
高校生の自分に負けないために。確かな覚悟を持って、インドネシアで自分の殻を破ってきます(同志社大学4年・田中瑞幹)
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