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こんにちは。e-Educationフィリピン担当の秦大輝です!フィリピンの首都マニラのスラム街に住む高校生たちに大学受験対策の映像授業を提供するため、日々走り回っています。

撮影に協力してくれる国内最高の講師陣が見つかったことは前回の記事でご紹介しました。今回はその続きを書き綴りたいと思います。

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一難去って、また一難

「やっと先生達の許可が取れた。2ヶ月間の努力の結果高い壁を克服したんだ。」

その日は嬉しくて仕方ありませんでしたが、その一方でひっかかることがありました。

一難去ってまた一難ということは、このプロジェクトにはつきもの。先生が見つかり報告に実施校へ訪れた際、校長先生は僕にこういいました。

「あっ、そういえば、政府の許可ってとってる?」

政府からの許可については賛否両論がありました。ある人は「必要がない」といい、ある人は「とらなきゃダメだ!」という具合に。

僕にとっては許可が必要ないという意見の方が手続きが少なくて済むなど都合が良かったので、その問題には見て見ぬふりを続けていました。

そうした中、今になって政府へ事後報告をすることで、状況を悪化させてしまいプロジェクトが中止になるのではという不安もあったのは事実です。実は、心の中では、ずっと政府に許可をとった方がいいことは分かっていました。

ただ、なんとなくやっかいで面倒くさそうなペーパーワークを想像すると、気がひけるところがありました。また、許可が下りなかったらどうしようと思う気持ちから、見て見ぬ振りをしてしまっていたのです。

ここで、許可が下りなかったら、プロジェクトがここまできて没になってしまうかもしれない。ただ、確かに隠れてやることもできるけど、せっかくいいもの、最高の授業を作るのがこのプロジェクトの目的。

だから、政府公認で、びくびくして怯えないで、一人でも多くの生徒に見てもらうように奔走したい。その想いが勝っていました。怠惰でやってこなかった自分を恨みました。僕はいつもこうです。

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最前の準備をして、教育局へ乗り込む

もちろん、このタイミングでプロジェクト中止にはならないようにしっかり対策をたてることも考えていましたが、やるしかないと!いうよりは、やらないとヤバいという強迫観念が僕を動かしました。

ひとまず提案の前に、許可を出せる人間とのアポイントをとる必要がありました。アポイントを出している最中に提案書をビッチリつくって、提案に備えようと思いました。

簡単な1枚の紙に、団体紹介とリクエストと書きました。1枚の紙でも、これによってマニラプロジェクトの将来が決まる。何度も何度も見直しました。

そこに過去の実績などが記載してある団体パンフレットをホッチキスしました。とりあえず最初はこれでアポイントを取得しよう。最悪な状態にならないようにと願いながら、教育局へ向かいました。そして受付に提出したのでした。

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しかし、まさかの書き間違えが発覚

「さっきの書類に不備があったから、取り替えてほしい。」

2日後、僕は冷や汗を書きながら、教育局の窓口にいました。授業実施の期間を書き間違えるという重大なミスをしまったのです。

何でいつもこんなミスをしてしまうのかと、自己嫌悪に陥りながら、必死に書類を取り替えてほしいとお願いする。

教育局中をたらい回しになりながら、提出した書類のありかを探す。3つ目の部署は許可を出せる決定者がいる部署でした。

助手のような女性の方が、そう言ってファイルを確認していました。もちろん不安で不安で落ち着くことはできませんでした。

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「ちょっとこの部屋入って待ってて」と言われ、いきなり別室へ。

待つこと数分。探していた書類をもった少し年配の女性の方が現れました。おそらく、彼女もまた助手の人だろう。そう思っていました。

「君のレター読んだよ!これって子どもたちはタダで受けれるの?」

「そっ!そうです!もちろん。」

そして時期の間違えもその場で訂正しました。何でそんなことを聞くんだろう、そう思っていました。すると「やっていいよ!」との返事。

「あっ私、この部署の所長です。すごいいいプロジェクトだからぜひやってよ!」

その人はまさかの、アポイントをとっていた人、つまり、決定ができる権力を持った人だったのでした。思わぬ形で、実施の許可がおりたのでした。僕はあっけにとられながらも、心から“ホッ”としていました。

肩の力が抜けていくのを感じながら「本当に良かった」そう思いました。つまり、それは、この国で一人でも多くの生徒に授業を届けることができるということを指していたのでした。

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僕がこの国を好きな理由

僕は今まで挑戦するとき、またこのプロジェクトをやると決めた時、

「それをやって何になるのか。本当に意味があるのか」
「若いお前ができるはずがない。」
「この問題はどうするのか」

そう言われました。それは、僕の将来の失敗を防ぐ優しさだったかもしれませんが、一歩に歯止めをかけることも多かった気もします。ただこの国では違いました。

「それっていいね!」
「とりあえずやってみなよ!」
「お前なら出来るよ」

と、僕のチャレンジの後押しをしてくれることが多かったです。楽観的といえば、それまでですが、何となく僕にとってそっちの方が生きやすかったです。

僕はこの国の人の後押しのおかげで、生きているスリルというか、ドキドキを感じれました。壁を越えたあとの、いい景色。全身で感じる感動を味わえました。

何はともあれ、僕は知らないうちに、いろいろな人のたくさんの後押し、そして期待を背負っていることに気がつきました。さあ、もうちょっとで基盤ができあがる。感傷的になりそうな夕焼けを見ながら、僕はそうしみじみ思いました。

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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