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こんにちは。e-Educationフィリピン担当の秦大輝です!フィリピンの首都マニラのスラム街に住む高校生たちに大学受験対策の映像授業を提供するため、日々走り回っています。

教室を見つけ、全てのミッションを終えたことは前回の記事でご紹介しました。今回はその続きを書き綴りたいと思います。

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さよならを告げるとき

日本へ帰国する飛行機は早朝6時発。早く空港についた僕は、チェックインを済ませ、ロビーでその時を待っていました。

数日前、教室が見つかってからは、お世話になった方とこれから授業を実施していく上でお世話になる方に、日本に帰るということ。感謝とさよならの気持ち。それを伝えにあいさつ回りをしていました。

「レックス先生、今までありがとう!そして後任のアキをよろしくお願いします!」

がっちりした手で握手をしながら先生にこう言いました。

「こちらこそ!いつでも戻って来いよ!あなたに神のご加護があらんことを!」

見送ってくれる先生が見えなくなる時に、心からの感謝の気持ちが湧き上がってきました。僕はいい出会いをしたなと思いました。

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夜は更けて

気がついた時にはロビーから見える滑走路の向こうに朝焼けが出ていました。あたたかいオレンジ色の光が空港を包んでいて、なんだかそれを見ていると、

「ああ、終わったんだ・・・」

そんな風に感慨深くなってきて今まで走ってきた道が自然と頭に浮かびました。

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運命の出会い。そこから全ては、はじまった

半年前、運命の出会いがありました。世界一周の1カ国目“フィリピン”。

そこで目の当たりにした、学校に行く交通費が払えなくて、教育の機会に恵まれず、公用語の英語もしゃべれない女の子達の姿。

お金がないから、住んでいる場所が、田舎だから生まれた環境で人生が決まってしまう、そんな世の中。

僕は怒りにも似た、なんとかできないかという気持ちが自然と湧き上がってきました。そこでふと頭に浮かんだのがe-Education。

世界中にある教育の格差を根本から解決できる意義のあることをしている団体に何かお手伝いができないだろうか?帰国して軽い気持ちで面談の場所をもうけて頂きました。

そこで言われた「秦君が、フィリピンで立ち上げてみれば?」という予想外の一言が、僕を変えました。突き動かしました。

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僕がやる!その理由は・・

もちろん最初は「絶対無理!!!」と思いました。

TOEIC250点という壊滅的な英語力。低すぎる自己肯定感。成功体験なんてなくて、引っ張って先頭を走るリーダーシップもない。

こんな僕にできるわけがないじゃないか。

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できない理由を数えると、きりがないほどにありました。そして、おそらく将来、ぼくじゃなくてもきっと“いつか”この問題をだれかやってくれるだろう。

でも、”今”僕がアクションを起こせば、目の前の人に機会を提供できることができる。少なくとも僕がこれからあう目の前の子どもたちは。

僕がやらなきゃ。そんな根拠のない使命感を持つようになっていました。そうして、決意したのです。

「僕がやる!」

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でも決めたからといって、何も楽になる訳なんかなくて、その日から前にも増してプレッシャーで、ずっと何かを背負った気持ちでした。

その旅はずっと壁の連続だった

2012年10月30日。僕はフィリピンに旅立ちました。そこからは、僕の想像もつかないくらいのたくさんの壁。

一難去ってまた一難。最初から最後までずっと壁の連続でした。

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通じず理解もできない英語でヒヤリングし続けたこともあれば、信じた人に裏切られ、詐欺にあったことも。あとちょっとで結果がでそうな時に撤退したこともあったかな。

仲間とぶつかったこと。学校に訪問して、軽くあしらわれたこと。クリスマスでプロジェクトが進まず部屋に立てこもったこと。

また、裏切られたこと。先生がみつからなかったこと。一人で悩みつづけたこと。

信じられないほどの壁の連続に、「僕にはやっぱり無理なんじゃないかな」。そういう風に、よく思っていました。

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それでも、「いつか上手くいく。」と信じて僕はここまで来ました。信じようとしてここまできたという方が正しいかもしれません。

壁を乗り越え続けました。1つひとつそのスピードは人より遅かったかもしれないけど、一歩一歩上りました。ついに政府・学校・最強講師、全ての許可、契約を結んで、やっとここまで来れました。

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僕が、「前へ!」進めた理由

ある時、僕は夢を見ました。ちょうどマニラに来て1ヶ月くらい。

「秦にこのプロジェクト任せて失敗だった。」

日本で支えてくれているe-Educationのメンバーが、怠けている僕に言いました。この夢が、期待してくれている人のために頑張らなくちゃともう一度思わせてくれました。

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また、英語の勉強を辞めようとした時、学校で英語のスピーチコンテストの練習をしてる友人の姿が目に浮かびました。

そんな時には、俺の努力ってまだまだだと思って再び机に向かいました。

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そして、近況をfacebookで報告すると、「がんばれよ!」って言ってくれる人たちがいました。

本当に落ち込んでいたとき、孤独で誰もこの国には味方がいないと思ったとき、その言葉がどれだけ嬉しかったか。

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そして、「俺の国のために、ありがとう。」と、いつもそう言って協力してくれる現地の先生たち。

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「早く授業をうけたい!!!」

期待してくれている生徒たち。

僕には、そんな存在がいました。今まで生きてきた中で出会い、新しく会った人達との出会い、それが前へ進む根拠になりました。

感謝というものを身にしみて感じました。

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この旅がくれたもの

この旅は僕に、いろんなものをくれました。

心温まる人との出会いや、続けること、一歩でも進むことの大切さ。数えられないくらいにたくさんのことがありました。

その中で一番大きかったこと。

それは、人生への誇りでした。

半年前、僕は「いつかやろう」、「誰かがやってくれる」というような言葉が口癖でした。そして、そんな自分が嫌いでした。

でも、背伸びして、一歩踏み出して、思っていたことが、だんだんかなっていって、そして、見た事無い世界や経験を見てきました。

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今、自信を持っていえること。

「僕は、今、自信のある人生を生きてる」

勘違いかもしれないかもしれないけど、信じています。

自分自信のこと、自分の生き方。それが少し好きになりました。

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日本に帰国、そこで待っていたもの・・・

飛行機で愛着のあるマニラを飛び立ち、東京の最寄り駅についたのは、もう日がくれた後でした。

あの時通った踏切。半年前に悩んで通った路地裏、そして、この角を曲がると川沿いの道。

あれから6ヶ月近く、日本では厳しい冬が1つ過ぎていました。それでも肌寒い3月の東京の夜。

「ああ、終わったんだな・・」

少しあたたかい風が吹いた気がふいた気がしました。ふと見上げた僕の目の前には、満開の桜の花が広がっているのでした。

いつかではなく、今。

本当にやってきてよかったなと思いました。

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[マニラ活動記録 第1章 秦大輝編  完]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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