こんにちは!e-Educationインドネシア担当の坂井健です。マレーシアの小学生にコンテンツを届けるため、日々試行錯誤を繰り返しています。
前回の記事では、毎授業前に実施していた小テストで、毎回ビリの生徒が出てきてしまい、その子は勉強が嫌いになってしまうという出来事が起こったことをお伝えしました。
今回は、その勉強嫌いな子がクラス1位を取るまでの奇跡の物語。僕も最後の日は興奮して寝れなかったくらいの出来事をぜひ紹介したいと思います。
何で勉強しているかわからないという生徒
クラスのアイドルLisa(リサ)が今日も絶好調で高得点を出してる傍ら、今日も落ち込んでる女の子がいました。Atifa(アティファ)という女の子です。
「またビリか。」と、アイドルを横目にAtifaはそんな事をつぶやきます。
何とかしないといけないと思い、僕は先生と相談し、Atifaを何とか勉強させようと努力しました。まずは彼女を呼び出して、何で勉強しないのか聞くことに。すると彼女の口からは日本の子供たちが良く言う言葉を口にしました。
「だって何で勉強してるのかわからないんだもん」
僕が彼女に言った言葉は、これも日本の先生がこどもたちに良く言う言葉でした。
「英語を学ばないと卒業できないよ」とか「英語がしゃべれれば将来絶対に役に立つから!」といったもの。しかし、彼女はそれでも勉強しません。そこで、僕らは頭を抱えながら次の策を考えるのでした。
彼女の心に変化が訪れた!
自分が導入した小テストのせいで、落ちこぼれてしまった生徒が出てしまった。僕は、家庭訪問をしたり、先生にできるだけ面倒を見てもらうように頼みましたが、あまり効果がでませんでした。
いつの間にか残りの授業数も5回に。どんな対策も目を見張った効果がなく、自分はただ手をこまねいて見ているだけでした。
そんな矢先、授業が終わったにもかかわらず、いつもは授業が終わると逃げるようにして外に出て行っていたAtifaが一人残って問題を解いていたのです。
「Lisaに勉強しろって言われた」
僕や先生が何を言っても、何をしても動かなかった彼女の心が、クラスメートの一言で劇的に変化しました。
小学生を変えるのは、小学生
僕はここで大きな勘違いをしていたことに改めて気付きました。それは、現地を変えるのは現地の人だということ。小テスト導入の負の部分が出てしまったことに責任を感じ、「自分が自分が」という気持ちが全面に出てしまいました。
僕があれこれ動くのではなく、現地を変えることが出来るのは現地の人だけだと改めて思った出来事でした。
この後、Atifaは少しづつ成績を伸ばし、最後のテストでクラス1位となりました。その事が嬉しくて、興奮しながら国内メンバーに報告をしたことが昨日のように思えます。
寄り道〜マレーシアでバスケット①〜
ここでは時間軸だけではお伝えすることのできない現地の魅力をお伝えできればと思います。
学校の前にはバスケットコートがありまして、夜に少し体を動かす目的でボールを買って毎日少しだけですがバスケの練習をし始めました。
するとヒョコっと背の高い男があらわれました。「ボール貸してよ!」と言われて貸すと彼はひょいっとシュートを打ちました。
出稼ぎのためにフィリピンから来ていた彼は、小学生の頃からずっとバスケットをしていたそうです。彼は「今度の日曜日試合やるからおいでよ」と誘ってくれました。
体育でしかやったことのない僕はルールもあやふやで、足を引っ張ること請負でした。もたもたしてる僕に彼は、「Let’s try!!」と言ってくれました。こうして僕は晴れてバスケットの試合に出ることになるのでした。
(続く)
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