こんにちは!e-Educationでインドネシアを担当している坂井健です。マレーシアに住みながらも、故郷をインドネシアに持つ”ボーダーチルドレン”の子どもたちに映像授業を提供してきました。
マレーシアでの活動の最終記事となる今回は、生徒たちの夢についての記事です。何となく何人かに聞き始めた夢でしたが、生徒みんなの夢を知りたくなり、毎回授業が終わってから生徒を呼んでは、画用紙に生徒たちの夢を書いてもらっていました。
マレーシアの子どもたちの素敵な夢を紹介します!
みんな日本の子たちと変わらず素晴らしい夢を持っています。しかし、そこには現地特有の夢であったり、背景が詰められています。
国境付近という厳しい環境を感じさせない彼らの笑顔があります。夢を語っているときの彼らはとても生き生きしていました。彼らの将来の夢に最後までお付き合いくださいませ。
目指せインドネシアのクリスティーアーノ・ロナウド
「先生ごめん!サッカーの試合で宿題やってない!」といったのは将来サッカー選手になりたいHandrikis(リキ)。
彼は地元チームのエースストライカー。休み時間にサッカーをやっている時も彼にボールが渡ると得点が入ったも同然。相手チームからも「リキ上手すぎるよー」とため息がでるほどなのです。
そんな彼が敬愛するサッカー選手は現在レアル・マドリードで活躍中のクリスティアーノ・ロナウド選手。尊敬する彼に近づくために毎日サッカーの練習にいそしんでいました。
サッカー選手の夢を持っている生徒は日本同様多く、リキの他にも2人がなりたいと言っていました。
みんなを守れる人になりたい
「みんなを守りたいんだ」と語ってくれた彼の名前はフェルディナンド。
Tantaraとは軍人さんのことです。インドネシアを守る軍人さんになるのが彼の夢。彼は昨年母親を亡くしてひどく悲しんだそうです。
しかし、それを顔に出さずそれでもクラスの中心で毎日笑顔を絶やさない。そのくらい強い彼はきっと立派な軍人さんになってくれると思います。
世界中の素敵な景色をみてたい
ある日、トジョウエンジンでおなじみの絶景Qの画像を何枚か彼らに見せたことがありました。
クラスがざわざわする中、1番目を輝かせていたのがこの子、Ryana(リャナ)です。彼女の夢はPramugari、日本語に訳すとキャビンアテンダントです。
笑顔がとっても素敵で、いつも元気な女の子。世界を飛び回って世界の絶景を見て回りたいと言っていました。
子どもが大好き!将来は先生になりたい
夢は「インドネシアで理科の先生になること」
彼女の名前はLisawati(リサ)。何度かトジョウエンジンでも紹介した彼女は、クラスのアイドルで成績もクラスでNo.1です。
ほとんどの科目で1位の彼女が特に好きな科目は理科。水の色が変わったりなど実験が面白いと言っていました。
理科は日本にもある教科ですが、日本にはない教科もあります。日本にない教科の先生になりたいと言ったのはこの子です。
夢はイスラム教の素晴らしさを教えること
夢はインドネシアでAgamadiの先生。
彼女の名前はAtifasari(アティファ)。アティファは以前の記事で紹介した子です。ずっとビリだった子がクラス1位を取るに至った、奇跡の物語の主人公です。
Agamadiとはイスラムの教典であるコーランを教える先生。彼女は熱心なイスラム教徒で将来は子供たちにイスラム教を教えたいと言っていました。
多くの夢に入っている「インドネシアで」という言葉
多くの生徒の夢に共通する点が「インドネシアで」ということに気がつきましたか?彼女たちだけではなく、他の人たちも同じワードが入っています。
彼らはマレーシアに住んでいながらも、故郷をインドネシアに持つ”ボーダーチルドレン”という子どもたち。まだ見ぬ故郷で生活することを夢見て毎日勉強しています。
日本の子供たちと何も変わらず、自分の夢を持ち続ける彼らボーダーチルドレン。しかしその夢はひどく険しい道のりをたどります。“不法滞在”の扱う彼らはとある地域から出ることを許されていません。生まれた環境のせいで叶えることが難しい夢があることを知りました。
マレーシア編は終わり、新たなニーズ探しへ
それでも夢を叶えるために頑張っている生徒たちを見ていつも励まされていました。
「たける絶対またマレーシアに来てね!」
最後に生徒たちが言ってくれた言葉です。この言葉を言ってもらえて、この地に来て本当に良かったと思いました。僕の提供した映像授業が少しでも彼らの夢のためになってくれたのならば、今回のプロジェクトは成功だったのだと思います。
マレーシア編はこれにて終わりです。この後はインドネシアに渡り、新しい教育問題のニーズを探し始めるところからスタートです。引き続きよろしくお願いします。
(マレーシア編・完)
SPONSERD LINK