皆さんこんにちは。ルワンダのドガです。
前回は、撮影コンテンツの編集作業を終え、より多くの生徒たちに最高の授業を届けるために試行錯誤したことについて書かせて頂きました。
今日は、コンテンツ作成後に待ち受けていた“壁”について語らせて下さい。
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ネクストステップ
僕がルワンダに来てから、一ヶ月半が経過しました。
政府との交渉から始まり、現地NPO団体との提携、そして今ようやくルワンダの生徒たちに届ける「最高の授業」の撮影が終わりました。
次のステップは、いよいよインプレメンテーション(実行)です。しかし、ここでまた一つ問題が浮かび上がりました。
「5校舎500人にこのコンテンツを届けるには、もっとコピーが必要だ」
生徒が個人のペースに合わせてビデオを止めたり早送りしたりすることができるよう、DVDコピーを作る必要があると思っていました。
「早くルワンダの農村部へ行ってこのコンテンツを流したい!」という焦りもありましたが、長期的な視点で見た際、ここでコピーを作り、より当事者目線でプロジェクトを運ぶ方が良いのではないか悩みました。
Photo: PC Magazine
原点に戻る
僕の好きな映画の一つに、「炎のランナー」があります。
1981年のアカデミー賞も受賞したイギリス映画です。
僕はこの中で、神のために走るスコットランド人のエリック・リデルが言った言葉をふと思い出しました。
Don’t compromise. Compromise is a language of the devil.
妥協するな。妥協は、悪魔の言葉だ。
ひとまず冷静になり、このプロジェクトが誰のためにあるのか、という原点に立ち戻って考え直しました。
やはり、ルワンダの農村部でも都市部の「最高の先生」の授業を受けるることができ、国の教育格差を是正することが目的です。一刻も早く届けたくてかなり焦っていましたが、ここは一つ踏みとどまろうと思いました。
生徒たちが待っているコンテンツをいち早く届けるのが僕らの仕事です。ただ、より多くの生徒たちに価値のあるコンテンツを届けるために、妥協せずにもう少しだけ時間をかけてDVDのコピー・仕分けをすべきだと判断しました。
ヴァンゲリスのサウンドトラックは日本でも有名ですね
Photo: BBC
意外と厄介だった・・・
まずはDVDにこれらのコンテンツを焼くことです。
ジーンさんチームと共同編集した10つの実験コンテンツは、USBに入っていました。全部で約3時間に収められたのは、さすがプロの仕事でした。
これを、全て一枚のDVDに焼く事は安易でしたが、生徒たち全員が同じ実験を同じ時間帯に見たいわけではありません。「僕はこの実験は分かるから、別の実験ビデオが見たい」といった生徒の反応が目に浮かびました。
そこで僕は、実験一つにつき一枚のDVD、つまり合計10枚のDVDに10の実験コンテンツを焼くことにしました。しかし、一枚一枚自分のパソコンからDVDに焼いていくのは想定以上に時間がかかり、その日はたった9セット(90枚)分しかコピーすることができませんでした。
仕方なく、翌日近くの電気屋さんのおじさんにお願いを。2日かかりましたが、僕よりも断然速いスピードで、40セット(300枚)ほどDVDに焼いてもらいました。
DVDと教材
さらに、ジェラルド先生がくれた、DVDを見ながら解く問題集と解説本もコピーする必要がありました。
生徒たちは、DVDを見ながらこの問題集を解いていきます。そのため、500人分の教材(問題集)を印刷屋さんでコピーしてきました。
こうして、大量のDVDと問題集、生徒たちへ届けるコンテンツの準備が整いました。
いざ、農村部へ!
そしていよいよ次は、これらのコンテンツを農村部へ届け、現地メンバーと一緒に試験まで生徒のサポートをします。
恵まれた優秀な現地メンバー一人一人と農村部の学校をまわり、「最高の授業」が詰まったDVDをルワンダに広げていきます。
「いよいよ、生徒たちのもとへ!」
何回も徹夜して、メンバー、プロのカメラマンチーム、たくさんの人を巻き込んで作り上げた最高のコンテンツとe-Educationが、ルワンダでイノベーションを起こします!
ありがとうございました。
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