受験生との一枚
みなさん、こんにちは。e-Education Projectミャンマー担当の小沼武彦です。
先週の記事では、カンピュー村の学生が、ボートで移動して受験会場へ移動したことにお伝えしました。
今回の記事では、メイミョーという町にある学校の受験様子を伝えたいと思います。
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カンピューからメイミョーへ移動
カンピュー村で学生を送った後、僕は急いで実施校のある違う町へ移動しました。ラサール学校の学生を送り出すためです。この学校は、以前からお伝えしている通り、2年間連続合格者が出ていません。
4ヶ月ほど前に、ヤンゴン市内で出会ったディレクターの方に「うちの学校でやってくれ」と頼まれ、プロジェクトがスタートしました。
2年間学生が合格でていないのには、理由があるはずです。その下調べから始めました。その原因の理由は主に2つありました。
- 学校の雇った先生が学校にこれなくなっていたこと
- 学生は少数民族出身で言語の壁があったこと
1.学校の雇った先生が学校にこなくなっていたこと
通常、この学校には雇った予備校の先生が教えにくるのですが、時々諸事情で学校に来なくなる先生がいるようです。今年は、英語の先生が奥さんが妊娠したため、学校に来れなくなっていました。
今年度は、他の予備校講師を雇うにも、予備校の先生たちは時間的に忙しく、代わりの先生が見つけられていませんでした。つまり先生の数が足りていなかったのです。
そのため、学生たちは英語の授業に遅れを取っていたのです。これを改善すべく、英語のDVDを配布。学校の管理者たち、メンターと一緒と一緒にサポートすることにしました。
メンターであるチェリーは、昨年度好成績でセーダン試験を突破しており、生徒からの質問に丁寧に答えます。DVD授業では時折、質問がでるのでチェリーの存在は本当に貴重でした。
2.学生は少数民族出身で言語の壁があったこと
ラサール学校はクリスチャンの学校で、貧しい学生をサポートする体制をとっています。ほぼ無料の寄宿制の学校で、生徒たちは親元を離れ、この学校で数年間過ごすのです。ほとんどの学生は、少数民族の子供でした。
「なぜこの学校には、少数民族の子供が多いのだろう?」
そう考え、調べてみると宗教に関係していました。
ミャンマーでは、ミャンマー人の大多数がビルマ族です。ミャンマーの人口の7割を占め、ほとんどの方が仏教徒です。その他の民族の方は、イスラム教、キリスト教、または土着宗教を主に信仰しています。例えば、僕の友人であるジョセフはチン族であり、彼の故郷の人々は、ほぼキリスト教を信仰しています。
キリスト教徒の親は、自分の子供を寺院学校ではなく、キリスト教の学校に入学させます。そのため、この学校には少数民族の学生が多かったのです。
学校の柱に書かれている言葉
言語の問題が立ちはだかる
彼らにとって、入試科目であるビルマ語は第二言語。一般のビルマ人にとって簡単なビルマ語のテストは彼らにとって苦手な科目になるのです。さらに第3言語の英語ですべての試験が出題されます。そのため合格率がとても下がるのです。
この問題を解決するには、ビルマ語のDVDを持っていなかったので、やはり学校にいるチューターのチェリーに協力を求め、プロジェクトの進行、ビルマ語を教えることをお願いし、一緒に合格率を高めようと励んできました。
そして、遂に本番を迎えたのです。
最後の最後までサポートを
「最後までサポートしたい!」
そう受験が近づくにつれ、強く思い始めていました。でもDVD授業以外に何が出来るだろうかと考えていると、他国のプロジェクトのことを思い出しました。
「そういえば、バングラのプロジェクトでは最後願掛けしたらしい。ミャンマーでもそれをしよう!」
思いついたら即行動!ということで、ツルを折ることしました。
慣れないツルを折る作業。一羽10分ほどかかりましたが、一時間ほどで学生全員分を作り上げ、受験会場に向かう朝に彼らに渡しました。少しでもリラックスできるように、そして合格できるように願いを込めて。
生徒たちは、「なんだこれ?」という反応でしたが、
「日本では、受験するときに持つんだ。もっとけば、良い事がある。God bless youだよ!」
と話すと、少し緊張していた顔が緩んできました。とても嬉しかったです。
はしゃぐ学生たち
その後はテスト本番!ここでもカンピューと同様、「行ってこい」と声をかけ学生を送り出してきました。そして長いようで短かった一年間の活動が、いよいよ残り一週間になりました。
続きはまた来週。本日もありがとうございました!
【おまけ】メイミョーの学校の様子
これまでなかなか紹介できなかったのですが、メイミョーの学校の様子を写真で紹介します。どれも思い出がぎっしり詰まった場所になります。
学校の外観。犬を数匹飼っています。
教室と廊下
寝泊まりしていたゲストルーム
受験生が勉強していた教室
ツルを持って喜ぶ生徒たち
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