災害時、どのように人が眠るための場所を確保するかというのは大きな課題の一つ。トジョウエンジンでもこれまで何度かシェルターについて取り上げてきました。今回は、なんと2分で組み立てができてしまう「Compact Shelter」をご紹介します。
だれでも2分以内に組み立てることが可能
多くの災害時用シェルターは組み立てるのに時間や特別な技術が必要なものか、もしくは輸送時の負担を覚悟の上ですでに組み立ててあるものかというジレンマに悩まされていました。
そんなジレンマを解決するために立ち上がったのが、オーストラリア出身の若き社会起業家、24歳のAlastair Pryorさん。
Pryorさんが開発したCompact Shelterは一枚のプラスチックのシートから、いくつかの手順を経るだけで防水加工されたシェルターが出来上がるというもの。
シェルターには大人二人、子供二人の四人家族が寝起きすることができます。Pryorさん曰く「だれでも2分以内にシェルターを立ち上げることができる」そうです。
660セットを1つのコンテナで輸送
折りたたまれたシェルターは厚さ約7センチ、重さにして約16キロほどなので人の手で運ぶのもそれほど難しくありません。一般的に使用されている40フィートコンテナ1つで660セットものシェルターを輸送することができます。
シェルターの見た目は比較的シンプルなものの、この形にたどりつくまでの道のりは決して簡単ではなかったそうです。Pryorさんはこのように話しています。
プラスチック自体が持つ厚みが、シェルターをポップアップ式にデザインすることをより一層難しくしていました。私たちは今の形にたどりつくまで、いくつものサンプルを作成しなければなりませんでした。
シェルターは今年中に販売開始予定
Compact Shelterの特徴はポップアップ式だけではありません。紫外線に対して強いポリプロピレンを使用することで耐久性に優れ、もし壊れてもまた新しいシェルターへとリサイクルすることができます。
また、水や風にも強く、寒い日には室内を暖かく保ち、暑い日には換気窓を使って室内の温度を下げることもできるよう設計されています。
それぞれのシェルターはつなげることができるようになっていて、単純に部屋を大きくしたいときや、キッチン、トイレのスペースをプラスしたいときにも使用することができます。解体や再び移動させるのも簡単で、ホームレスシェルターとしての活用も期待。
Compact Shelterは今年中に販売を開始する予定。このシェルターなら災害時だけではなく、難民キャンプの住居としても需要があるかもしれませんね。
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