Watsi turns two

「すべての命を救いたい!」

誰もが一度は思うことでしょう。しかし、重い病気を抱え、救いの手を求めている人が一体どこにいるか、私たちは知る手段がありませんでした。

この課題をシンプルなアイデアで解決しようと奮闘してきた「Watsi」。医療系クラウドファンディングサービスをローンチして1年が立ち、ユニークなキャンペーンを実施しておりますのでご紹介を。

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Watsiとは?

2010年12月、チェイス・アダム氏はピース・コープ(日本で言う青年海外協力隊)の一員としてコスタリカでボランティア活動をしていました。

ある日のこと、彼と同じバスに乗っていた女性から「ここを訪れる旅人がいたら、息子の治療のための寄付をお願いしてほしい」と頼まれました。

彼女の言葉を受け、チェイス氏は治療や医療のためのクラウドファンディングサービスを作ることができないかと考えます。

この時、彼がバスで訪れた街の名前がWatsiであり、プロジェクトが静かに始まりました。

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ピース・コープとしての活動を終え、彼はアメリカのサンフランシスコに戻ってチームを作りました。チームといってもメンバーは全てボランティア。活動は平日夜と休日を使って行われ、異なる国の仲間達とはGoogleのハングアウトを利用して打ち合わせを重ねていきました。

2012年8月、念願のサービスローンチ。「命を救うサービスを作りたい」という想いが結集し、医療系クラウドファンディングサービス「Watsi」が誕生したのです。

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しかし、大変なのはここから。サービスをローンチしたものの、思うように寄付が集まらず、サービスは継続の危機を迎えていました。

ポール・グレアムとY Combinator

2012年11月、転機が訪れます。それは一通のメールでした。

「君たちはBay Areaにいるのかい?そうであれば、ぜひ会ってみたい」

差出人はポール・グレアム氏。DropboxやAirbnbなど数々のITサービスを生み出してきたY Combinatorの創業者です。

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もともと医療サービスに関心のあったポール・グレアム氏との出会いによって、チェイス氏をはじめとしたWatsiチームはNGO(非営利活動をしている団体)として初めてY Combinatorメンバーに選出されました。

1年間で前年度比1000%以上の寄付を獲得

Y Combinatorを卒業して再スタートをきったWatsiメンバー達。2013年12月には、アメリカのサンフランシスコに拠点を置くHumble Bundle社から$1.5M(=約1億6000万円)の大型寄付を獲得し、サービスの拡充を図ります。

南米からアフリカまで、世界各国の医療団体と提携し、「すべての命を救う」ためのサービスが大きく動き出しました。

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そして迎えた2014年8月。サービスをローンチしてからの寄付者は7,500名を超え、2年目の寄付総額は1年目の1007%という大きな飛躍を遂げました。

寄付を支えているのは同じ痛みや苦しみを知る人たち。過去に2度のガンの手術を乗り越えてきたCeceliaさんは、遠く離れたガテマラのがん患者Mariaさんの手術費に寄付をしました。彼女のような寄付者は今も増え続けています。

ローンチ2周年を記念した2日間の特別キャンペーンを開催

2014年9月8日。ローンチ2周年を迎えたWatsiは2日間の特別なキャンペーンを開始しました。

その内容は「残り50$あれば、患者は治療や手術を受けることができる」というのもので、文字通り全ての患者の残り必要調達額が50$になるというものでした(先ほど紹介したHumble Bundle社の協力のもとで行われたキャンペーンであり、おそらく足りない寄付額を、以前調達した大型寄付金から当てたと思われます。)

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こうして始まったキャンペーンはすぐに成功。2万ドル(=約210万円)近い寄付が、200人を超える患者の命を救うお金が集まりました。余ったお金は、今後も必要とする人たちの治療費・医療費に使われていきます。

サービスローンチ記念日を活用したユニークなキャンペーン。シンプルで分かりやすく、個人でも参加できる価格設定は、Y Combinatorなどを通じて磨いてきたWatsiの力と言ってよいでしょう。

「すべての命を救いたい!」

大きな目標に向けて、3年目のスタートを切ったWatsiの更なる飛躍に、これからも注目していきましょう。

[via. Watsi Turns Two by Watsi]


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