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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、現地事業のコンセプト改善とそれにかかるミンダナオにおける産業ニーズの模索に関してお話しました。しかし、一通り様々な関係者に話を伺ったところ、北ミンダナオにおける産業ニーズの模索には今しばらく時間を置く必要があると思われました。

今回は、それらをふまえた上であらためて現地事業の再設計をはじめたところからお話したいと思います。

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現地の教育インフラ構築を目指して

現在、主に北ミンダナオを中心に展開しているミンダナオ島プロジェクトは、現地の教育局と連携し、貧困などによりドロップアウトしてしまった高校生のための「代替教育インフラ」の構築に取り組んでいます。ドロップアウトを対象とした既存の「オープンハイスクール」という事業を、映像授業を活用してカスタマイズするものです。

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授業の様子

映像授業の作成から実施にいたるまで、それらは現地の教育局の方々が中心となって取り組んでいます。しかし、カバーする授業数が増え、実施校も増えてくると、そこには構造的な限界が見え始めました。教育局内にチームやスタジオができたにせよ、実際の現場では、教育局の方々が通常業務に加えて事業を進めてくださっている状況です。

そのため、教育局の業務都合次第で、授業作成などの進捗に大きな影響が出ます。具体的には、発表会や文化祭シーズン、学校評価が行われる時期などは、授業作成を進めるのが非常に困難です。

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授業作成の様子

上記の状況を改善し、現地の教育局が主体的となって事業が進むために、以下の3つの要因にわけて、現地事業を改善しようと考えたことはこれまでの記事に述べた通りです。

そして、「実利」を生み出すような事業の実現を模索しましたが、すくなくとも北ミンダナオに関しては、どうやら産業ニーズと関連した教育事業の展開は現在のところ少し時間をおく必要があるように思われました。ただし、フィリピン全体としてみたときに、日本のみならず東アジアやASEAN市場を視野に入れた教育事業の可能性は大いに感じられ、その点に関してはまた別方向から事業の検討をしたいと考えています。

話は戻りますが、北ミンダナオに関して、産業ニーズに沿った教育事業の可能性はすぐには見えにくいかもしれません。
しかし、ミンダナオというフィリピン再貧困地域の一つであり、30年以上も紛争が続いていたという特殊な背景を抱えるこの地にあって、教育事業を展開するならば、純粋な「国際協力」という始点に立ち返ろうと考えました。

基本に立ち返る

僕が「教育開発」を志し、はじめて足を踏み入れた地がフィリピンです。
フィリピン最大級の開発NGOでインターンをしながら圧倒的な社会格差を目の当たりにし、また一方で「国際協力」が大義名分化したマーケットの存在も感じずにはいられない瞬間もゼロでは有りませんでした。

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インターン時のひとこま

マニラの人は口をそろえて「ミンダナオは危ないから絶対に行ったらダメだ」との言葉に、僕は意を決してミンダナオにいる教育開発の博士に会いに行ったことがe-Educationミンダナオ島プロジェクトの始まりでした。

幸いにも、現在僕が拠点を置いているカガヤンデオロとカミギン島は、ミンダナオでもかなり安全な地域であり、テロリズムや紛争の危険は非常に低いです。とは言え、現地の有識者らがミンダナオの抱える社会不安とそれにかかる経済格差・教育格差を懸念していることに変わり有りません。

フィリピン公用語としてのタガログ語が母語ではないビサヤ語圏にあって、さらに首都マニラのあるルソン島からはセブ諸島郡を隔てた地理的格差も存在します。言語的・地理的・社会的格差は現地の教育にも大きな影響を与えます。

僕は、現地で展開する教育事業がより公共性が高く、また十分な資金をもって現地の若者にとっての「教育インフラ」として展開されることを目指しています。

そこで現行の北ミンダナオ事業を次のフェーズに進めるため、「国際協力」という視座に立ち返り、国際協力機関との連携を模索することにしました。

次回の記事では、国際協力機関との連携を検討し、日比においてあらためて行動を再開したことからお話したいと思います。

本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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