こんにちは。インドネシア版ドラゴン桜を担当してます、坂井健です。前回の記事は、インドネシアに来てすぐに起こったアクシデントについてでした。
今までメールで連絡していた人とは別のCEOの人を紹介していただき、その人に先生を紹介してもらうため、オフィスに行くことに。今回はその続きを綴りたいを思います。
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もやもやが残ったNGOでのプレゼン
「君たちの活動をもっとちゃんと知りたい。先生の紹介はそれからだ。」とメールで言われ、先生を紹介してもらうべく、僕は相手先NGOのオフィスを訪ねました。
「初めまして。若いのによく1人でインドネシアにきたね。それじゃあ君たちの活動をちゃんと聞こうか」と言われ、ついに勝負の時が来ました。今までの練習の成果を試すときです。
「僕はe-Educationという団体から来た坂井健と申します・・・。」
正直、自分で言うのも何ですがプレゼンは完璧でした。つまずくこともほとんどなく、練習通りにプレゼンが終わりました。
心の中でホッとし、「練習した成果が出て良かった。とりあえずプレゼンは終わったぞ。」と思っていると、「Great!君たちの活動は素晴らしいね!で、これをどうするんだい?」との返事。
「・・・え?」
びっくりしました。これくらいは知っているだろうと思っていた内容をCEOの彼は知らなかったのです。彼は何個もの学校を抱える大きな団体のCEO。
今回、まだ実績もないたった1人の若造にかけている時間はなかったのです。CEOの彼が知りたいのはもっと根本的なことだった。つまり、どのようなビデオを誰に見せるのか、どのような先生が良いのか、ということ。
僕が作ったプレゼンは相手のことを考えず自分が言いたいことだけを言う「自己満足のプレゼン」だったのです。
その後、たくさんの質問に答える形で彼の疑問は解消され、「じゃあ頑張って先生探してみるよ!週末には連絡入れるね。」と言ってもらうことができました。ひとまず当初の目標である「先生の紹介をしてもらう」は達成されました。
しかし、もっと良いプレゼンができたはずというもやもやが残ります。次の機会に必ず挽回してやる。帰り道は渋滞もなく、すいすいとタクシーは僕の宿に向かっていきました。
早くも訪れたリベンジマッチ!
約束の日、僕は朝からUIの学生にインタビューし、帰ってきてからメールをチェックしました。
「先生が見つかったよ!3日後にまたオフィスに来てよ!君の話が聞きたいみたいだよ!」
今回はしっかり相手の意図を捉えてプレゼンを作り直そうと意気込みました。そんな時、僕の頭をよぎったのはかいとさん(副代表の三輪開人)が出国前の会議でやったプレゼン講座でした。
そこでとったメモを探しだし、見返しました。そこには「プレゼンはターゲットをしっかり狙って書く」と書いてありました。今回のターゲットは昨日までe-Educationの活動を全く知らなかった人。
「これは本当に彼が聞きたいことだろうか?」と資料作りを進める度に自分自身に問いかけます。色々四苦八苦した結果、ようやくプレゼンが完成しました。
そして訪れたリベンジ当日。少し早めに着き、近くの公園で復習をしていました。今回は大丈夫かなと不安になってきましたが、いよいよ時間になりました。
オフィスに通されて待つこと30分。インドネシアではこのくらいの遅刻は当たり前です。そんな文化の差を感じながら、握手を交わしました。
「初めまして。英語の教師やってます、Paulです。早速だけど、君たちがどんな活動をしているか聞かせてよ。」
「僕はe-Educationという団体から来た坂井健と申します!」
左にいるのがPaul先生、右、坂井
今回も練習通り言えました。自分たちは何をしているのか、いつから撮影をやるのか、場所に関してはどうなっているのか、謝礼はいくらなのか、など。
前回と違ったのはプレゼンし終わったときに質問が少なかった事でした。
「よくわかったよ、ありがとう。じゃあ明日から実際に撮影する場所と授業で使うテキストを探しに行こうか。」
今回で学んだことは「ターゲットを知ること」の大切さでした。何が知りたいのか、何で知りたいのか。
独りよがりなプレゼンではなく、相手の目線にたって組み立てることの重要性を再認識。今までプレゼンは何度もやってきましたが、今回のこの経験は基礎を思い出させてくれました。
一週間前は何もすることがなく、絶望に浸っていましたがそんな時に来た1通のメール。その一筋の光を頼りにここまでたどり着きました。
計画をどんなに綿密に立てても現地では予想外のことが起こりえる。そんな予想外のことにもワクワクを忘れずに歩み続きたいです。
先生が決まった。次にやることは・・・
先生が決まりました。さて、次にやることは場所探し!そんな僕のワクワクが失われたのはまたも1通のメール。
「Dear 坂井さん・・・」
「そんなっっっっっ!!!!」
今度はインドネシアだけでなく、日本を大きく巻き込んでプロジェクトの歯車が狂っていくのでした。
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