「水墨画で描かれた景色」
と聞いて、どんな風景を思い浮かべるでしょう?
巨大な岩のような形をしたゴツゴツした峰に、うっすらとかかる雲。飲み込まれそうな迫力と、流れるような自然の曲線を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
今回ご紹介する中国の「黄山」はそんな水墨画にぴったりな絶景スポット・・・いや、違いますね。「黄山」は水墨画の文化を作り上げた絶景なのです。
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詩人や画家を魅了し続けてきた「仙境」
中国・安徽省にそびえる美しい山々。その昔、中国の伝説上の皇帝・黄帝が、この山で不老不死の霊薬を飲んで仙人になったという伝説から「黄山」と名付けられました。
峰と雲がつくりだす景観は、たしかに仙人の存在を肯定したくなるほど幻想的であり、画家や詩人たちを魅了してきました。水墨画や漢詩のモデルとしてもよく取り上げられ、中国の芸術文化を作り上げてきた立役者でもあります。
また、魅了されたのは芸術家たちだけではありません。仏教や道教を信じる者たちの心も奪い、黄山の周辺には多くの寺院が建てられています。たしかに何度も参拝したくなる美しさですね。
「黄山」には72の有名な峰があり、その一つ一つが異なる形をしているため、何度訪れても違った「黄山」に出会うことができます。「天下第一の奇山」という通り名も決して言い過ぎではありません。
そして山の麓には、明の時代の伝統的な建築様式の民家が残る「宏村(こうそん)」があります。「黄山」をモチーフにした民家の屋根をはじめ、自然と共に暮らしてきた人々の歴史に触れることができるのです。
日本人にとっても人気の観光スポットとなっている中国の「黄山」。たくさんツアーも組まれているので、ぜひ次の旅行先候補に!
(photo credit: Pathos Photos via photopin cc)
次回の絶景Q〜ここはどこでしょう?〜
この「絶景Q」のコーナーでは、毎回途上国の素敵な景色をクイズ形式で紹介していきます。
第183問は、こちらの写真。ピラミッドのような赤褐色の遺跡。この絶景スポットは次の記事で紹介します。どうぞお楽しみに!
▼「絶景Q」を最初から楽しみたい方はこちらから!
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