先日、フェイスブックがインスタントメッセンジャーアプリ「WhatsApp」を190億ドル(約1.9兆円)で買収することが発表されました。
今回の買収は、今後の“インターネットと途上国”という分野に大きなインパクトを与える、と考えることができるでしょう。
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つながることの重要性
トジョウエンジンでも以前から注目している、「インターネットへのアクセスが無い全世界中の50億人をネットに繋げること」を目標に掲げた、グローバル共同体「Internet.org」。
WhatsAppは”次の10億人”(ネクストビリオン)と言われる新興国・途上国に特に多くのユーザーを抱えています。
主にヨーロッパ全域、南米、インド、アジアで合計4.5億人が使用、もちろんユーザーは急増中。ちなみにフェイスブックは4.5億人のユーザーをゲットするまでにWhatsAppの2.8倍の時間を要したそうです。
アプリローンチから4年間の成長
先日開催されたMobie World CongressでフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグはこう話しました。
なぜ僕がWhatsAppと一緒に仕事をするるのがエキサイティングかって?それはInternet.orgの「世界中をつなぐ」という目標に一番押されたからかな。
WhatsApp利用国は全て成長中!
WhatsAppの使用者が大半を占めるブラジル、南アフリカ、インドネシアは、全て新興国。人口も急増中で、インターネット普及率もこの3ヶ国で伸びてきています。
この写真を見れば、なぜフェイスブックがWhatsAppを買収したのか一発で理解できるかと。 pic.twitter.com/Rsva22vHOX
— Doga Makiura | 牧浦土雅 (@DogaMakiura) 2014, 2月 19
190億のメッセージがアプリを通じて毎日世界中を飛び交い、それに比べてテキストメッセージは176億。WhatsAppがどれだけ人々のコミュニケーションの最有力手段になっているか見てとれます。
そして、やはり注目したいのが、フェイスブックメッセンジャーを主な通信の手段としている国以外で、WhatsAppが多く利用されている、ということでしょう。言い換えると、この2つのアプリでアフリカを除くほぼ全世界を占めることになります。
アジアでは日本のLINE、中国のWeChatなど競合相手が多く存在しますが、南米ではほとんどがWhatsAppとなっています。6億人弱の巨大市場、そしてブラジルやメキシコなどの発展途上国で、ユーザー数は今後加速してくると思われます。
さらに大国インドでの成長も著しく、WhatsAppの共同創業者はカンファレンスでこう話します。
インドは重要だ。私たちは全てのインドのスマホユーザーにWhatsAppを使って欲しいと考えている。今は4000万人だけど、そのうち10億に届くさ。(インドの人口約12億人)
Internet.orgのネクストステップ
「Internet.org」は先日活動を開始し、既にルワンダでMOOCsと提携したりと、インターネットを世界の残り50億人に届けるために貢献しています。
ザッカーバーグ氏は、これを“インターネットのための911”と呼び、広告無しのシンプルなWhatsAppをそのまま続けていくそうです。
WhatsAppは、最初の1年目は無料ですが、2年目以降は年間99セントの利用料が発生します。しかし、これは今後の途上国での普及に向けて撤廃されるかもしれません。
ザッカーバーグ氏はこう話しています。
長い間、我々は今回の買収とInternet.orgとしての活動で多額のお金を失うだろう。しかし、マネタイズは利用者が何十億人にも増えてきてから考えればいい。
世界をつなげる
一年前、人々はフェイスブックアプリに対して一日14MBほどのデータを使ってましたが、今では2MBまでに縮小されています。来年までに1MBにするのが目標だそうです。
まずはデータ環境を整え、WhatsAppで人と人とを繋げ、フェイスブックでさらに世界へネットワークを広げていく。今回の買収で南米を初めとした多くの新興国市場に進出したフェイスブック(そしてInternet.org)。
次の一手はアフリカでしょうが、まずは途上国がこれらのアプリで繋がるロールモデルを作り上げることが重要となるでしょう。今後の行方には目が離せません!
[TechCrunch / TechCrunch / Business Insider / TechRadar / Sky / San Jose Mercury News / Inmoreau]

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