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みなさん、こんにちは!

e-Education Projectマニラ担当の磯部香里です。フィリピンの首都マニラで暮らす貧しい高校生たちに「最高の授業」を届ける活動をしています。

前回の記事では、映像授業のための先生探し、そして新しい仲間探しをしたことについて書かせていただきました。

今回の記事では、先生探しの結果と、プロジェクト打診のためにいくつかの学校へ訪問した時のことをお話ししたいと思います。

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プレゼンを終えて

仲間探しのためのプレゼンを終えた当日、興味があると連絡先を教えてくれた約15人の学生に団体の概要を書いた資料と共に「ありがとう」とメールを送りました。

そのメールに返信が来た1人から、このように連絡がきました。

このプロジェクトをフィリピンでやってくれてありがとう。
僕も絶対子ども達のためになるとを信じているんだ。生徒をできるだけ助けてあげたいし、自分自身も先生を目指している。是非参加させてほしい!

自分の想いを重ね、プロジェクトに共感をしてくれる学生がいるとわかったとき、とても心強く、そして嬉しい気持ちになったのを覚えています。

次々と連絡が!

また、ポスターを貼った次の日、ポスターに記載した私の電話番号やメールアドレスに次々連絡が届きました。

「ポスターを見たんだけど、詳細を聞かせてくれませんか?」

授業やポスターを通して連絡をくれた学生とミーティングを行い、最終的に、新しく3人が仲間になってくれ、今では既に開始されているe-Educationの授業を引っ張ってくれています。

現地の高校を訪問

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また、仲間探しと同時に、プロジェクトを必要としている学校を訪問していました。

フィリピンの公立高校には、サイエンススクールなどの特別な学校を除いて、基本的にその学校の周りに住む子ども達が通っています。

若者や子どもが多いフィリピンでは、先生の数に比べて生徒の数が多いため、多くの学校で午前と午後の2部制を取っています。例えば、下級生は朝7時から学校へ行き、12時半頃に帰宅。上級生は1時半頃に学校に行き、夜7時に帰宅…といった具合です。

また、教室の数も足りず、小さな部屋に机が所狭しと並べてあったり、教室の外の床に座り授業をしている姿を見ることもありました。

校舎も新しいとは言えず、このように壁の代わりに板で仕切っている教室もありました。

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少し見にくいですが、3つのクラスは板のような仕切りで区切られています

公立高校の教育事情とは

以前の記事で、国内一の進学校フィリピンサイエンスハイスクールについてお話ししました。

フィリピンサイエンススクールは、フィリピンの科学技術省管轄の学校のため公立の高校です。しかし、理科の実験室や冷房がガンガン効いているパソコン室、広いグラウンド…施設もとても充実しています。

フィリピンサイエンススクールが進学校であることを差し引いても、比べ物にならないくらい違うのです。

授業に必要な物が揃っていない状況

日本の公立の高校は、だいたいどこの学校にも理科室やパソコン室、体育館、調理室などあるのが普通ですが、フィリピンの一般的な公立高校には理科室や実験道具、グラウンドはありません。パソコンも学校によってある学校と、古くなり動かなくなったパソコンしかない学校など、まちまちなのです。

昨年のe-Educationの授業でも、生徒一人が1つのパソコンを使用できた環境にあったのは1つの高校だけ。その他の高校では、プロジェクターやテレビのスクリーンを使い、授業を行っていました。

マニラプロジェクトを立ち上げた秦さんや、前任のアキさんなどからフィリピンの教育事情については聞いていましたが、自らの目でみてみると、その「格差」と、子ども達に与える影響力の強さに言葉がでませんでした。

新しいカリキュラムがフィリピンの教育を大きく変える

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The K to 12 Basic Education Program

また、フィリピンの教育システムがこれからの2年で大きく変わります。
昨年、トジョウエンジンにも記事にされていた「K to 12」という新しいカリキュラムです。

フィリピンの教育は10年制。小学校6年は同じですが、小学生を卒業するとすぐ4年間の高校生活が始まります。日本でいう中学と高校が一緒になっており、日本と比べて2年早く高校を卒業します。

問題は様々。プラス2年間分のカリキュラムをギュッと押し込んだために、授業についてこれない生徒が沢山います。

また、高校を16歳で卒業するため、4年制の大学を卒業するのは20歳。周りの国と比べると、まだ若く経験値が低いとされ、就職活動にも大きな影響を与えています。

この2年のギャップを埋め、スタートラインを他国と同じにしようと、フィリピン政府は「K to 12」という政策を打ち出したのです。

この新しいカリキュラムには問題点も

この新たなカリキュラムにも問題点があります。

ただでさえ、先生が足りていないのに、2年分の授業が高校で追加されることにより多くの先生不足、教室不足が懸念されています。

またカリキュラムも大幅に変わるため、先生方もその準備をしなければなりません。

学校の先生は口を揃えて「準備はできていない」と言います。

カリキュラムの改正が2年後に控えているのにも関わらず、先生方が全く準備ができていない状況。フィリピンの教育問題の根深さを常々実感しながらプロジェクトを進めることになりました。

次回は、遂に始まった映像授業の様子についてお伝えできたらと思います!

お楽しみに!

番外編

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びっくりするくらい喜んでいました(笑)

以前の記事で、パトリックから「休ませてほしい」と連絡が来てとても不安だったという話をしました。

そんなパトリック、完全に復活し、学校やアルバイトと両立しながら元気にe-Educationの活動を続けてくれています。

日本のアニメが大好きなオタクな彼は、私が日本から買って帰ったお土産「進撃の巨人」の漫画に大興奮!

こうやって日本が好きで、喜んでくれる姿をみると、とても嬉しくなりますね。

仲間として、そして友達として、これからも一緒にプロジェクトを進めていきます。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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