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みなさんこんにちは。2016年春からe-Education に正職員として加わった中野秀敏です。

NPOであるe-Educationへの転職当時、私は45歳でした。この年齢でNPOへ転職というと、「なんでわざわざ?」と不思議な顔をする方々が結構います。

ところがですね、実はそんなに不思議なことではないんです。

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「やりがい」は一部では売っているようです

今回私がこの記事を書いている理由は、私の経験から、皆様へ、特に同年代の方々にそのことをお伝えしたかったからです。圧倒的に面白い仕事への転職なのに、それをちゃんと伝えきれていないと思ったからです。

最初にお断りしますが、NPOといっても目標とする解決課題にはさまざまな違いがあります。ご近所の騒音から地球環境などの地域の広さの違い、幼児保育から老人介護などの世代の幅の違い、震災に対する緊急支援などスピードの違いなどです。今回は、e-Educationが取り組んでいる、非営利の民間国際協力の分野について主に考えます。

40代、「やりがい」が減っていませんか?

不遜な言い方ですが、40代の皆さん、そろそろ今の仕事に飽きてきていませんか?
私は45歳の少し前から同じ仕事にマンネリを感じていました。

度を超えない正直な物言いは、私の美徳であると思いたい。

私の従事していた製薬関連企業の仕事は、人類に幸福をもたらす典型です。当時の私はもう十分上手くそれをできるようになっているという自信がある一方、もっと直接的に効果的に、自分という資源どうやって社会に反映すれば、自分自身が満足するだろうかと考えていました。

「やりがい」という言葉におきかえてみれば、同じようなことを感じている方は少なくないと思います。私の場合、その発露が、国際協力でありNPOでありe-Educationでした。

40代が少ないNPO業界はチャンス

実際にNPOに入ってみて初めて、NPO業界には非常に優秀な20代、30代が多い一方、40代はそもそも従事する人数自体が極端に少ないことに気がつきました。

少ない理由は多分ふたつ。ひとつめが、NPOの活動を紹介するために効果的な手段であるインターネットが世に広まったのが、比較的最近だとこと。

ふたつめは、NPOの数が一気に増えた、通称「NPO法」が制定されたのが1997年であるということです。ですから、現在のNPOにはインターネットに馴染みのある20代から30代が多く、次いで1997年以前から社会で草の根活動をしていた50代以上の方が多いのです。今の40代はNPOの世界では、狭間の世代、チャンスの世代なのです。

40代のアドバンテージとは?

NPOの多くは、数人から数十人レベルの人数で運営しています。企業でいえばベンチャーに近い状態です。だからこそ、社会人経験を十分に積んだ40代がやれることは沢山あるのです。どんな企業でどんな業務をしていたとしても、40代でしたら、例えば営業や経理のような個人の専門分としての経験以外に、おそらく以下のような経験があり、これが役に立つのです。

  1. 部下や後輩を指導・育成すること
  2. プロジェクトを運営すること
  3. 組織間の調整をすること

1、部下や後輩を指導・育成すること

あなたが面接して採用した部下、もしくは配属されてきた部下や後輩にいかにやりがいを持って業務にあたってもらうか。全くの未経験で配属されてきた後輩にどうやって業務を覚えてもらいましたか?落ち混んでいる部下をどうやってコミュニケーションをとり、やる気になってもらいましたか?NPOでは、あなたは人よりも少しばかり人生経験が豊かなのです。

2、プロジェクトというものがわかっていること

プロジェクトには達成目標があり、予算と期限があり、仲間や利害関係者との協力が必要です。あなたは目標を達成するための計画をどうやって立てましたか?予算が足りない、期限に間に合わないときにどうやって交渉しましたか?

3、組織というものを理解しているということ

組織は分業と協働で成り立っており、各業務を行う部署をハコとして作っても、実際に一番難しいのは、ハコとハコの間のグレーゾーンをどうやって埋めるかということをあなたは知っているはずです。これは、幾つかのハコに入ってみたり、色々な組織を眺めてみないことには、なかなか身につきません。

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貴方の経験が必ず役に立ちます

収入はそんなには減らない

やりがいがあって、今の40代が輝くステージが用意されているNPO業界ですが、皆さん気になるのは収入ダウンでしょう。正直に言えば、20代、30代に比べて、40代の人は収入ダウンになる割合が高いと思われます。
ただし、NPO職員の収入は、皆さんの想像よりは恵まれているのではないかと感じます。

度を超えない正直な物言いは、私の美徳であると思いたい。

調べても統計結果が見つけられないので正確なことは言えないのですが、私が聞き及ぶ限りNPO職員の収入は上昇傾向にあります。大手企業との差は依然として小さくないものの、多くのNPOと同程度の規模であるベンチャー企業との差は、皆さんの想像よりもずっと小さいと感じます。

これは、NPOこそ優秀な人財が必要であること、が理由です。NPOは直接金融(主に株式発行など)による資金調達ができないのです。限られた資金で最大限に効率よくに業務を遂行するためは、優秀な人財が必要であり、従事者の収入が人財獲得の障壁になってはいけないという考え方が強まってきているのです。

40代からの、あと20年をどう過ごすか?

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私もヒトで言えば40代後半です(新宿区在住/むうさん/無職)

いかがでしょうか?45歳でNPOに転職することの不思議さは軽減されましたか?

私は、今までの経験を生かすチャンスと、優秀な仲間と、人を笑顔にする仕事と、我慢できる程度に下がってしまった収入に満足しています。

世界では、ますますAIに仕事が取って変わられる潮流が強くなっています。20年前、職場にPCは一人一台ありましたか?10年前、スマートフォンを持っていましたか?最近は通話よりもメールの方が多くありませんか?

あと20年、あなたの仕事は今の形のまま存在するのでしょうか?収入は保証されているのでしょうか?そして、あと20年という人生を費やすほどの「やりがい」が存在するのでしょうか?

家族の反対がなければ、NPO業界に入ってみて下さい。絶対に楽しいことは、何の保証もできない私が保証します。

度を超えない正直な物言いは、私の美徳であると思いたい。

こんな考え方、みなさんは不思議だと思いますか?


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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