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途上国の社会課題に興味を持つ人が増えていますが、それを「仕事」として取り組む人にはどんな世界が見えているのでしょうか?

去る10月5日(木)、株式会社オウケイウェイブ様(東京・恵比寿)の大セミナールームをお借りし、アジアにおける児童買春問題の解決に取り組む認定NPO法人かものはしプロジェクトさんと、トジョウエンジン運営団体であり途上国で映像教育支援を行うNPO法人e-Educationによるクロストークイベント「途上国の問題解決を仕事にする」が開催されました!

100人を超える皆様にお集まりいただき、大盛況の中終了いたしました。今回の記事ではそのイベントの様子をお送りします!

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当日の流れ
第1部 e-Education事務局長 薄井大地によるトーク
第2部 かものはしプロジェクト共同代表 村田早耶香さんによるトーク
第3部 e-Education × かものはしプロジェクト クロストーク

第1部 e-Education事務局長 薄井による講演

イベントは事務局長・薄井大地による講演からスタート。これまでのe-Educationの歴史を振り返りました。

多くの国で活動を並行していくことの難しさ、苦渋の決断によるプロジェクトの休止などを経験し、法人設立・代表交代の激動のe-Education第二創業期を事務局長として支えてきました。

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脱力系事務局長・薄井による不思議な温度のトーク

2016年7月、e-Educationの活動国のひとつであるバングラデシュで日本人も犠牲になったテロ事件が発生。それがきっかけで、当時すでに決定していた大型事業の案件が延期になるなど、資金面でもぎりぎりの運営を迫られた時期がありました。やっと軌道に乗ってきた活動が思わぬ形で壁にぶつかった苦しい状況の中、救われたのがe-Educationをいつも支えてくださるマンスリーサポーターの存在だった、と当時の様子を涙ながらに語りました。

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「成功モデルを作るために拠点を絞った結果、カントリーリスクの影響は大きくなった。正解がない中でどのように最善手を取り続けられるか。」

「ミッションとリスクのジレンマの中、それでも歩みを止めないこと」
それが国際協力の場で働くということ。

e-Educationは「最高の授業を世界の果てまで届ける」ことを目指して、多くの支援者の皆様と一緒に、強固な「成功モデル」確立へ作っていくことに邁進しています。

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第2部 かものはしプロジェクト共同代表 村田早耶香さんによる講演

児童売春で売られてしまう子どもをなくすために活動している認定NPO法人かものはしプロジェクト。創業者である共同代表の村田さんによる講演が行われました。

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「だまされて売られる子どもを守りたい。」-かものはしプロジェクト

村田さんは大学2年生、当時19歳の時に、売春宿で働かされエイズに感染してなくなってしまったほぼ年の変わらない女の子の話を聞き、活動の開始を決意。何よりも彼女の売られた値段がたった1万円であったこと、子ども一人の命が、その日着ていたワンピース1着と同じ金額だったことに驚きと憤りを感じたと言います。

現在、かものはしプロジェクトでは「子どもを売らせない活動」「子どもを買わせない活動」の両方のアプローチからこの問題を解決するために活動しています。

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かものはしプロジェクト共同代表 村田早耶香さん

活動を開始したカンボジアでは、職業訓練所の設置、村の雇用創出、警察の意識改革及び訓練等の活動を通して、現在では子どもを雇う売春宿がほとんど存在しない状況まで問題は改善されたそう。

そのノウハウを活かして、次はインドで活動を展開されています。

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児童買春はなくせると語る村田さん

「子どもが売られない世界はつくれる」
自分の活動が本当に苦しむ人々のためになっているのか。そう不安になることもあっても、村田さんはこう信じて活動しているそうです。確固たる信念を感じるお話でした。

第3部 e-Education × かものはしプロジェクト クロストーク

第3部は、会場からの質問も受けながら、様々なテーマで国際協力に携わる二人の熱いトークセッションが行われました。

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e-Education × かものはしプロジェクト クロストーク

トークテーマ「NPOを経営する上での苦労」

 法人設立から2年目の時に、売られるリスクの高い子どもたちに対してパソコン教室を開いていたんです。そこを出た子どもたちは高給取りの職に就いたりして、事業としてはとてもうまく行っていたんですね。ただある日、そのパソコン教室の目の前のカラオケ(売春宿)が摘発されて、そうしたらそこには14歳、15歳の子どもが大勢働いている現状を目の当たりにしました。
 その時に事業としてやっているその活動を続けることで彼女たちを守ることができるのか、それともミッション(課題解決)のためには別の手段もあるのではないかと迷ってしまって。内部では事業派とミッション派に分裂し、どちらを取るべきか毎日眠れないくらい悩みました。人生で一番苦労したのがその23歳の時でしたね。

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事業とミッションのバランスの難しさを語る村田さん

 現在e-Educationは職員6人に加えて、現地に駐在して活動するインターン生など国内外あわせて20人以上の体制で事業を行なっています。ほんの数年の間に規模が拡大していて、それまでは暗黙知で進められていたことでも、状況に応じて少し立ち止まって情報や認識をすり合わせるケースが出ている。
 みんなだいたい同じ方向を向けていても、ところどころ細部で同じ方向を向けていなかったり、スタートの一歩が少しずれていたりする。成果を出すために、その調整を絶えず行う点がとても難しいですね。

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組織の拡大に伴い発生するコミュニケーション面の課題を説明する薄井

イベントを終えて

今回、「国際協力」という分野で働くお二人の想いのこもったお話を伺うことができ、「途上国の問題解決を仕事にする」、「NPOで働く」、ということに大きな意義を見出せたイベントになったのではないかと思います。ご来場いただいた多くの皆さん、本当にありがとうございました!

どうぞこれからもかものはしプロジェクト、ならびにe-Educationの活動の応援を宜しくお願いいたします。

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10月のe-Education関連イベント情報

今月は、他にも以下のe-Education関連イベントが開催予定ですので、ぜひそちらにも足をお運びいただけると幸いです。

10月15日(日)
CMP朝刮『ソーシャルキャリアを考える~「とりあえず企業」で3年は至言か?神話か?』
今回は、20代の若手NPO職員による本音に迫るトークセッションを実施します。薄井大地(事務局長)がファシリテーターとして、3人のゲストスピーカーのNPOで働いてみての実感や、働く前のイメージとのギャップ、今だから分かる「企業とNPOの相違点&共通点」など、さまざまな角度からのお話を引き出します。
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10月21日(土)
楽しく走ると寄付になる!モニラン会@皇居
e-Educationは毎月第3土曜日に皇居ランを行っているモニラン会様と提携し、7月よりその参加費の一部がe-Educationに寄付されるようになりました。楽しく走ると寄付になる!ぜひお気軽にご参加ください。
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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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