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こんにちは、マニラプロジェクトマネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。

前回の記事は撮影予定の先生に連絡を取っても返事が一切無く、撮影予定1日前にようやくその原因が分かったという所まで書かせて頂きました。今回はその続き、ついに訪れた撮影の日についてお伝えします。

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「Welcome to philippines」というメッセージにふと気付くこと

携帯のSimカードに問題がある事が分かったその翌日、すぐに新しいものに取り替えました。そして、まだ撮影日程が確定していなかった先生方にも連絡を入れました。

すると案の定、先生にメッセージが届いたらしく、その日のうちに連絡が。フィリピンに来て初めてほんの少しプロジェクトが進んでいるのを実感できた瞬間でした。

しかし、携帯のカードが原因であやうくプロジェクトの予定が狂うかもしれなかったため、この事を誰かに聞いてもらいたくてフィリピン人の友達にこの一件を話しました。

すると「Welcome to Philippines!!」と彼はただ笑っているだけ。でもその言葉には、「ここはフィリピンなんだ。日本みたいにはいかないよ」。そんな意味が込められていることに気付いて「はっ」としました。

少し同情してほしい、そんな事を考えながら相談した自分が少し恥ずかしくなりました。その時の僕は日本の物差し、固定観念なるものでしかフィリピンを見ていなかったのです。

確かに日本とフィリピンを比べればインフラはもちろん時間感覚や考え方など、違いを出せばきりがない。でもそれが現地の醍醐味であり現地の日常。今現地で生活し、現地で生きているなら、ハプニングが起きてもそれを楽しむ手はない。

このプロジェクトはそうやって実現していくべきなんだと、この一言に気付かせてもらいました。

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緊張で迎えた撮影当日の朝!

撮影月間ともいえる5月。いよいよ撮影実施の日になり、その日はなぜかいつもより1時間も早く起床。正直緊張していました。今までデジカメしか使った事が無い自分に正直良い授業が取れるのだろうかと。

授業撮影はその後の生徒の勉強に直接関わるという事を重々承知でした。そんな当日の朝は長丁場の撮影に備えて再度、撮影方法や操作方法を確認することにしました。

そんなデータ容量の確認をしている時、自分を奮い立たせてくれる思わぬものを発見しました。それは前任の秦君がトライアル授業を行った際の映像。その中で生徒達がパソコンの中で行われている映像授業を真剣な眼差しで眺めていました。

これを見たとき「こんな責任重大な事を今からしようとしているのか」と改めて感じ、眠気でボーとしていた頭が一瞬にして覚めました。

もしかしたら、自分がこの子どもたちの未来を変える事になるかもしれない。そんな事を考えると少し震えていました。そんな時、日本出国前に東京で代表のアツさんから言われた言葉を思い出していました。

「たった一人でも人生が少しでも良い方向に変われば、プロジェクトは成功」

一人の人間が一人の人間の人生を変えるってそれだけですごく難しくて、すごい事だよ。俺はたった一人でも人生が少しでも良い方向に変われば、プロジェクトは成功だと思ってる。

「アキはどれくらいの規模でこのプロジェクトやりたいの?」と、初めて代表のアツさんと話した時聞かれました。唐突に聞かれた事で何て言って良いか分からず「予定よりも3校は増やしたいです!」と自分の可能性に挑戦したいという気持ちで答えた僕に、アツさんが言った言葉です。

アツさんの言葉が頭をよぎり、あのときの自分の考えが甘かった事を実感すると同時に、少しずつプレッシャーがのしかかっているのを感じていました。その時ポケットの携帯が鳴ったのです。

「Hello Aki, I’m in front of meeting point.」

いよいよ重要な撮影が、この日から始まるのでした。

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