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こんにちは、マニラプロジェクト後任マネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。

前回の記事では、撮影実施に至るまでに現地で感じたプロジェクトを進める上での姿勢や考え方について書きました。今回の記事は、撮影を通じて、フィリピンが直面している問題に先生が何とかしたいという熱い思いを知ったことについてです。

超名門高教師による、受験コンテンツの撮影開始!

「よろしくお願いします!」

緊張しているのが一目で分かるような挨拶が終わると、授業の進め方を確認し、さっそく撮影が始まりました。

ここマニラでは、フィリピンの東大ことフィリピン大学に入るための試験(通称UPCAT)で合格を目指す高校生達を対象に生物・物理・数学・化学の授業計45時間分を撮影しコンテンツを高校生に届けます。

撮影を依頼した先生方は、マニラで有名なフィリピン・サイエンス・ハイスクールの先生方。毎年ほぼ100%の生徒をフィリピン大学合格者を輩出する超名門高校の先生にご協力頂けるという事で撮影中も少し緊張していました。

「撮影なんてされた事無いから緊張する」と先生方も言いますが、そこは授業のプロフェッショナル。いざ授業が始まるとスライドやオリジナル問題を駆使しながら授業を進め、カメラの向こう側にいる生徒に語りかけます。

生徒のために作ったという教材を見せてもらうと、どの先生も生徒が飽きないよう、理解出来るようにと工夫してくれていました。中にはわざわざ学校からプロジェクターを持ってきてくれる先生まで。

先生達の生徒に対する思いをひしひしと感じながらどんどん撮影が進んでいきました。

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先生のプロジェクトにかける熱き思い!

1日5時間という時間配分で撮影しましたが、休憩やハプニングなどを含めて丸半日。当然授業が終わったときには先生方からフーッと疲れた表情が見えます。

物理の授業で特別長くなった時、思わず「長くて申し訳ないです」と言うと、「Don’t be sorry(謝らなくても良いよ)」と言われました。その後、彼はこのプロジェクトへの熱い思いを語ってくれました。

公立の学校では先生不足で物理を他教科の先生が教えてるんだ。学校によっては物理の授業が無い学校もある。だけどフィリピン大学入試では受験科目になっていて、そこに行きたければ勉強する必要がある。お金があれば予備校や物理の先生がいる私立高校に行けるが、お金が無ければ十分に授業を受けられない。

フィリピンが直面している問題に対して先生の何とかしたいという内に秘める思いを聞いた時、自然と目頭が熱くなりました。そして、先生はこう続けるのです。

だから僕はこのプロジェクトはすばらしいと思うし、彼らのためにこの授業を届けたい思っている。だから謝る必要はないよ。こちらこそフィリピンのためにありがとう!

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なぜ日本人がフィリピンでこんな事してるの?日本人はお金持ってるからこんな事ができるんだ!実はプロジェクトを説明すると、こういう事をよく言われていました。

「いいね!」と言ってくれる人もいますが、どこか距離を置かれて言われていると感じることもあります。いわばこの国からすれば外国人の自分が言う、「何とかしたい」という言動はなかなか現地の人には響かないものです。

だからこそ、こっちにきて初めて言われた何十倍、何百倍も重みのある先生の「ありがとう」は忘れられないものとなりました。

この現地の人からの期待や感謝を失望に変えないように、精進しながらこれからも突き進んでいきます!


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