DSCF5280

こんにちは。e-Educationミャンマー担当の小沼武彦です。前回の記事では、世界経済フォーラムの様子やトライアル授業撮影を行ったことなどを綴りました。今回の記事では、提携先の学校を駆け回ったことを綴りたいと思います。

SPONSERD LINK

603160_337251803070787_2044988025_n

実施校の候補が見つかるも

ここだ!この高校と提携すれば、かなりのインパクト出る。学校を一回り見て回り、そう感じました。低い合格率と教室には100人を超える学生。案内してくれた女性の方にプロジェクトの提携案を話してみました。

「このようなメリットがあり、合格率を大幅に上げられるはずなんだ。ここの学校で活動したいから校長先生と話すことは出来る?」

彼女は親切に学校を紹介してくれていたので、好意的な返事がもらえると思っていましたが、予想外の返事が返ってきました。

「すごいいいプログラムだけど、学生達には必要ないと思うわ。違った教育スタイルで教えられたら生徒が混乱してしまうし。それと今日は、校長先生は外出してるから会えないよ。メールアドレスを教えるから連絡してみて。」

案内してくれた方が反対していても、校長先生を納得させれば、活動できるはず。その日は、帰宅しメールを打つことにしました。

DSCF5287

他をあたるも、高校がなかったり、方針の違いがあり…

返信を待っている期間中、僕は他の学校を廻りました。マンダレーから1時間ほどのザガインの学校です。

1つ目の学校を訪れると、そこには高校がないとのこと。友達から教えてもらった情報が間違っていたことに気がつきました。こういったことは日常茶飯事なので、あまり落ち込みもせず2つ目の学校へ向かいます。

2つ目の学校を訪れると、まず学校の立派さに驚きました。何しろ事務所がでかい。「こんな立派な学校には、ニーズはないかもしれないな。」と考えていましたが、校長先生と話しているとニーズがあることがわかりました。

建物は立派ですが、教育環境は整っていなく、合格率は低い。そこで早速、メリットを説明しながら提携の打診を行ないましたが、学校の方針と異なるとのこと。この学校は、海外の団体とは提携しないそうです。

「でも海外からの寄付金で学校を運営しているじゃないですか?それって矛盾してません?矛盾してますよね?一緒に活動して、合格率あげましょうよ!」

とは思いましたが、そのようには言えませんでした。相手を怒らせないように終始話しましたが、この学校との提携はできませんでした。

また、僕はマンダレーへ戻りました。

DSCF5339

「予備校の授業が嫌い」という予想外の意見に困惑

メールが返ってきていない。3日ほどたっても校長先生からの返事がありませんでした。待っていても仕方がないので、次の日、前回訪れた学校へ。

「こないだの話で、来たんですが…」と言うと、以前案内してくれた女性が対応してくれました。この日は、校長先生いるとのこと。

校長先生を待っている間、教頭先生が僕の隣に座り、プロジェクトのことについて聞いてきました。

すると、教頭先生は、「いいプロジェクトだね。」と言ってくれ、かなり好印象を抱いていてくれました。これは提携できるだろうと思いましたが、校長先生は異なる考えを持っていたのです。

「素晴らしいアイデアだけど、そういったものは、私たちの学校には必要がないよ。私の学校には優秀な先生はいるし、何より私は、予備校の授業が嫌いなんだ。詰め込み型がよくない。そういった授業はしたくないんだ。」

「わかります。日本も似たような教育問題を抱えています。確かに詰め込みはよくないですが、高校修了することはかなり大切ですよね?この学校では500人の学生のうち、70%が高校を修了できないんですよ。一緒にこの問題を解決しましょう!」

「先ほど言ったように、予備校の授業が嫌いだからこのプロジェクトは必要はないよ。」

教頭先生が、残念そうな顔で僕を見つめているのに気づきました。そこで、諦めきれなった僕は「明日もう一度説明させてください。他の資料も持ってきて、もう一度メリットを説明します。」と言いました。

こうしてアポイントをつけ、夜中に他の資料を作成し、翌日、学校を再訪。しかし、そこに校長先生の姿はなく、事実上提携はできないことがわかりました。

「まぁ仕方ない。あっちが必要としていないのに、こっちが無理矢理プロジェクトを押し付けたら本末転倒だ。」

なんと今回訪れる予定の4校の内、3校と提携できず。これで、最後の1校と提携できなかったら、どうしよう。他のメンバーはかなり活動してるのに、僕は何をしているのだろう。焦りばかりが募り、自分の中で余裕がなくなっていることに気がつきました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

SPONSERD LINK