Jaap Vliegenthart

Photo: Jaap Vliegenthart

子どもたちが発揮する自由な発想力や大胆な表現力は世界共通。

今回ご紹介する「Face This」がインドネシアで進めているのは、そんな子どもたちの力を彼ら自身の生活・教育環境の改善に活かしていこうというプロジェクトです。

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Photo: Face This

2008年にスタート、3地域で展開

「Face This」は、オランダに拠点を置くNGOです。インドネシアの子どもたちが描いた絵と、欧米で活躍中の著名アーティストらが描いたイラストとをコラボレーションさせたTシャツの制作に取り組んでいます。

目指すのは、このTシャツの販売で得た利益をもとに、インドネシア国内各地の子どもたちの学習の拠点となる学校をつくること。

2008年にスタートしたこの活動は、すでに3つの地域で展開されており、今年は西部の都市、Bogor(ボゴール)で新たにプロジェクトがスタートしています。

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Photo: Face This

コミュニティセンターのリノベーションに向けて

ボゴールでの取り組みが目標とするのは、年齢から出生事情まで幅広く異なる65人の子どもたちの孤児院として利用されていたコミュニティセンターのリノベーション。

環境維持が困難になった所有者により手放されようとしていたこの施設を、「Face This」のプロジェクトを通じて、子どもたちの新たな暮らしの空間として生まれ変わらせようということになったのです。

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Photo: Face This

このボゴールプロジェクトにボランティアで参加しているのは、欧米で活躍する9名のイラストレーターたち。いずれも、ルイ・ヴィトンやH&Mなどの有名ブランドやニューヨーク・タイムズやフォーブズなどといった有力メディアをクライアントに持つ実力派のアーティストです。

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Photo: Face This

彼らは、ボゴールの子どもたちが描いた絵に合わせてイラストを制作。ユニークなデザインがスタイリッシュな12種類のTシャツが完成しました。「Face This」のホームページを訪れれば、それぞれのイラストに込められたメッセージを知ることもできます。

「君の夢は君のもの」

こうしたチャリティーとしての取り組みの中で、単なるイラスト上のコラボだけではなく、ボゴールの子どもたちとアーティストたちの間で実際の交流があったのも注目したいポイント。

プロジェクトの一環として、ボゴールの子どもたちが参加した9人のアーティスト全員にインタビューを行っているのです。自分が描いたイラストの意味を尋ねる素朴な質問から、絵を描くことの初心を思い出すような刺激を受けたアーティストもいるようです。

また中には、「もし僕が宇宙飛行士だったら、ネコを宇宙に連れて行くことはできますか?」という無邪気な質問を投げかける子も。

ちなみにこの質問に対し、上のTシャツで宇宙飛行士のイラストを描いたアーティストはこう答えています。

うん、ネコだってなんだって、好きなものを連れていけるさ。どんなことでも夢見ることができるし、君の夢は君のものだよ。

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Photo: Face This

プロジェクトの根底にある「ゴトン・ヨロン」精神

このようにコラボレーションや交流といった要素が色濃く見える「Face This」プロジェクトですが、その根底にあるのは、インドネシアの地域社会に根付く「ゴトン・ヨロン」と呼ばれる精神です。

これは「相互扶助」を意味する考え方で、地方に暮らすインドネシアの人々の間に「協力すればより高い目標を達成することができる」という信念を育んできたそう。

「Face This」がTシャツを通して発信しているのは、子どもたちの自由な独創性が持つ魅力であると同時に、大きな課題に協力して取り組むことで生まれる可能性なのかもしれません。

How incredible artists design T-shirts with drawings from Indonesian school kids from Face This on Vimeo

[Face This]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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