Photo: Knit-a-square
日本は梅雨に入り、本格的な夏に向かいつつあります。
南半球に位置するアフリカ南部の国々では対照的に冬が訪れ、これからの季節、最低気温が氷点下になるところも。
今回ご紹介する「Knit-a-square」は、こうした地域に暮らすエイズ孤児の子どもたちに、寒さをしのぐためのニットを届けるチャリティープロジェクトです。
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アフリカのエイズ孤児とその問題
エイズ患者の多いサハラ砂漠以南のアフリカ。ここで深刻になっている問題の一つが、片方または両方の親をエイズで失った「エイズ孤児」と呼ばれる子どもたちの増加です。
ユニセフの報告によれば、2012年時点で東部・南部のアフリカには約950万人ものエイズ孤児が暮らしていると推測されており、ジンバブエやナミビアといった国々では、エイズ孤児が15歳未満の子どもの3~4人に1人にも上るとされています。
さらに、HIVやエイズへの適切な理解が乏しいこともあって、そうした地域ではしばしばエイズ孤児が食生活や教育環境などの面で不当な扱いを受けることがあり、寒さや空腹に苦しむなど身体的・精神的に大きなストレスを抱えていることが多いと考えられているのです。
Photo: Knit-a-square
8インチ四方のニットを編み合わせて
こうした不遇なエイズ孤児の子どもたちに“ぬくもり”を届けようとスタートしたのが、「Knit-a-square」プロジェクトです。
この取り組みは、その名の通り、8インチ(約20センチメートル)四方のニット生地の寄付を募り、それらを一つに編み合わせたニット製品を、アフリカのエイズ孤児の子どもたちにプレゼントするというもの。
潜在的なエイズ患者の子どもたちにとって、免疫力を強く保っておく上で身体を温かくしておくことはとても大切なため、このブランケットにくるまって暖を取ってもらおうというわけです。
Photo: Knit-a-square
こちらが35個の四角いニットを編み合わせて作られたブランケット。組み合わせのデザインは多種多様で、とてもカラフルです。
Photo: Knit-a-square
このように、世界各地から寄せられた色とりどりのニット生地を編み合わせて作られた、世界で一つだけのブランケットや衣服、帽子、さらにはぬいぐるみが、子どもたちに届けられています。
Photo: Knit-a-square
かけがえのない一人ひとりを包む“ぬくもり”
私たちはニットを通して、みんな大切な存在であるということを子どもたちに伝えているのです。彼らがみんな未来そのもので、かけがえのない特別な存在なんだよ、と。
そう語るのは、このプロジェクトを運営しているオーストラリアの孤児支援団体「KasCare」の共同設立者の女性です。
彩りや肌触りが一枚一枚異なる、手作りのニット・ブランケットを届けること。
それは、単に身体の温度を保つ道具というだけではなく、お父さんやお母さんの温かみを十分に感じられることができなかった子どもたちに、一人ひとりの存在をしっかりと受け止めて包み込むような“ぬくもり”を贈る取り組みと言えるのかもしれません。
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