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今回、国連開発計画主催のSocial Good Summit2014東京ミートアップに参加してきたのでご紹介します!

Social Good Summitは毎年国連総会の開催に合わせて世界で開催されるイベントです。9月の国連総会開幕に合わせて、世界各国でSocial Good(社会によいこと)に関しての知見を広めるためにイベントが行われます。

東京ミートアップでは、世界を視野に活動している7名の方が登壇されたので詳細をお伝えします!

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ソーシャルグッド・サミット2014の見どころと世界のトレンド

サミットはUNDP駐日代表の近藤哲生さんと国際協力機構(JICA)広報課長の宮原千絵さんの挨拶から始まり、基調講演はソーシャルカンパニー代表取締役の市川裕康さんからスタートしました。

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市川さんはSocial Good Summitが日本で始まった4年前から参加・視聴している、日本を代表するMr.Social Goodと言える方です。そんな市川さんから、まずはソーシャルグッドサミットについてのお話を頂きました。

ソーシャルグッドサミットは、国連機関のトップをはじめ、経営者、著名人、社会起業家などが参加し、より開かれた形で議論・メッセージを伝えることを目的に始められたイベントです。

今回のSocial Good Summit2014東京ミートアップは、グローバルな社会課題の議論に日本も参加することができる絶好の機会になりえます。海外情報を日本の文脈を併せて世界に発信すること、日本からのアイディア・声を海外に伝えることがこのイベントの目的でもありました。

ソーシャルグッドの巻き込み方・伝え方

次に電通ソーシャル・デザイン・エンジン代表、クリエーティブディレクターである福井崇人さんからソーシャルデザインについてのお話をいただきました。

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ソーシャルデザインは、自分の気づきや疑問を社会を良くすることに結び付けて、そのためのアイディアや仕組みをデザインすることです。しかし、そういわれてもなかなかピンと来ないかもしれません。そこで今回、福井崇人さんからはソーシャルグッドの巻き込み方・伝え方のヒントをお話しいただきました。

ソーシャルデザインのヒントは皆さんの人生の中にあります。
つまり100の人生があれば100通りのソーシャルデザインがあるのです。そこで、ソーシャルグッドを巻き込み、伝えるための7つのアイデアの方向性をご紹介します。

①ビジュアルにする
②○○の力を活用する
③スポットをあてる
④コンテンツをつくる
⑤新しい価値をつくる
⑥仕組みをデザインする
⑦発想をジャンプさせる

ここで、この「7つのアイデア」を理解するための事例の一部をご紹介します。

事例その1

タンザニアの難民キャンプに古着の作品(ポスターの役割を担うもの)を送るプロジェクトでは、学生の力を活用しました。すると学生の力で行ったことで、新聞などのメディアに取り上げられ、その結果、商店街、デパートのワンフロア、JRの駅に飾られ、3年間で100万着の古着が集められました。

これは②学生の力を活用するを説明できる事例です。

事例その2

「LOVE CAKE PROJECT(ラブケーキプロジェクト)」では、ホール型クリスマスケーキの一部が欠けており、その欠けた部分が途上国の子供たちに送る食べ物の費用として使われます。このように「目に見える」形にすることで送った方も自分が貢献したということを自覚することができ、この結果165ものメディアに取り上げられ、当初予算の100倍である3,000,000ドルものお金が集まりました。これは①ビジュアルにするを説明できる事例です。

事例その3

「ハッピーバースディ3.11」は2011年3月11日に東北で生まれた赤ちゃんを応援する、日本ユニセフ協会のプロジェクト。これは②赤ちゃんの力を活用する、③スポットをあてる、⑥仕組みをデザインするを説明できる事例です。

事例その4

「Search “3.11”」はYahoo! JAPANが手がけた、3年間の震災に関わる検索ワードを可視化させるプロジェクトです。

[Youtube]

これは④コンテンツをつくる、⑦発想をジャンプさせるを説明できる事例です。

以上4つの事例に加え、ほかにもさまざまな事例を動画をもとに、ソーシャルグッドを巻き込み、伝えるための7つのアイデアの方向性を説明してくださいました。

情報通信技術(ICT)で拓くバリアフリー教育を

続いて、株式会社エデュアス事業推進部担当部長の佐藤里美さんから急速に広まったスマートフォンやタブレッドを使った障害児向けのICTを活用した支援について説明していただきました。

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EDUAS(エデュアス)は、「Education」と「明日」を組み合わせた造語であり、「エデュケーションの明日をデザインする」ことを目指しています。

教育にICTを組み合わせると、学ぶ感動・自発的学習、分析力・問題解消能力、学びあい・プレゼンテーション、個に応じた学びを得られることができます。

学校でもICTは、指導者側には授業の準備に余裕ができるというメリット、生徒側にはわからないところをわからないままにしなくてもよい(調べられる、困ったら聞ける)というメリットがあります。

障害児向けのICTを活用した支援の事例として『ハイブリッド・キッズ・アカデミー』と『魔法のプロジェクト』の事例をご紹介いただきました。ICTを活用すれば、学ぶことに「困り」のある小中高生の「困り」を解決したり、コミュニケーションをとることで答えを導き出すことができます。

テクノロジーを用いた革新的なアプローチを必要な人に

次に「アイデアと人々をつなぐ新しいメディアとテクノロジーの活用法」の事例ということでコペルニク・プロジェクトマネージャーの濱川知宏さんが登壇しました。

コペルニクは「貧困を削減を目指し革新的なテクノロジーを最も必要とする人々へ届けます。」ということをミッションに掲げ、シンプルで革新的なアプローチをしています。

途上国では体に害を及ぼすものや製品、習慣がありますが、それらの問題を解決するためにはいくつもの方法があります。例えば、ソーラーライトや転がすことのできる水の容器などテクノロジーといってもローテクなものをコペルニクは必要な人に届け、普及させることに努めています。

また途上国の売店で店員に研修をうけてもらい、既存のお店からテクノロジーを普及するといった活動もしています。

それから、ロックフェラー財団から助成金をうけ、完成させたインパクト追跡ツール「Impact Tracker Technology」に関してもご紹介頂きました。これはNPOや社会起業がITツールをつかって社会的インパクトや情報収集を簡単にするためのカタログです。世帯調査やアンケートに使えるツールが39個あげられているので確認してみてはいかがでしょう。

より多くの人に興味を持ってもらうための仕組みをつくる

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続いてトジョウエンジンの運営団体であるe-Education Projectの代表である三輪開人が登壇しました。今回は、途上国の教育問題をDVDをつかって解決するという観点からではなく、このWEBメディア「トジョウエンジン」にフォーカスしてお話しました。

どうしてWEBメディアを立ちあげたのか概要を説明した後、WEBメディアを立ち上げてよかった3つのことについて紹介しました。

①新しいファンが増えた

「途上国 教育」や「東南アジア 旅行」とgoogleで検索すると、トジョウエンジンの記事が上位に表示されるので団体の活動に関心のなかった人も団体の記事をよんでくれていることになります。

②新しいメンバー採用成功

現地での活動の様子を週ごとにブログ記事のように書いていくことで、読む人が私たちの活動を追体験できるようになり、理解を深められるようになり、採用でのミスマッチングがなくなりました。

③新しい寄付(協力)が可能に

お金以外の方法で社会貢献に関わりたいという人たちに対して、WEBメディアで記事を書いて頂いて情報発信をしていただくという新たな支援・協力が可能になりました。

このように、NPOがWEBメディアを運営することで、活動をいかに支えられるかということがお分かりいただけると思います。

先生同士のコミュニティを創出する

続いてLOUPE共同創設者の末永昌也さんにお話頂きました。

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LOUPEは「SENSEI NOTE」というサービスを提供して、国内の教育に対して先生をつなぐことで教育の底上げに挑戦しています。

このサービスで先生同士で自分で使っている資料を共有することができます。また、先生のみのSNSとなっているので同じ悩みをもった人同士でこみいった話をすることができます。質問に対しても98.3%の回答率があり、いかに需要があるかおわかりいただけるかと思います。

利用者に関してもローンチから4ヶ月で7000人が登録していて年内に5万人を突破する見込みです。

近年、教師の孤立化が問題となっていますがこのようなサービスを使って学校の先生をエンパワーメントすることで先生の先にいる生徒もいきいきしてくるのではないかと信じて活動をしています。

日本のNPOの世界を変える

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最後に「Google for Nonprofits」 のJapan co-founderである三好大助さんからgoogleの目指すものをお話頂きました。

まず、Googleのミッションはプラットフォームを公開することで誰でも場所を問わず発信や情報収集ができることに貢献することです。なので、会社にCSR部は設けられていなくてプロダクト自体がソーシャルイノベイティブだという信念を持っているそうです。

だからこそ、マーケティングやファンドレイズ、業務体制の効率化を図るサービスを開発しており、NPOのソーシャルインパクトに拍車をかけるために「Google for Nonprofits」 が先日日本でもローンチされました。

現在、Google for Nonprofitsのプロダクトを利用して効率よく団体運営をしているのがcharity:water。広告やmapを用いて支援者がアクセスしやすく、透明性のある活動を行うことができている先進事例です。

情報の非対称性を解消し、支援者に活動の真意や本質が伝わっていないという問題を解決したいと熱く語っていただきました。

2030年の世界にむけて

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各登壇者のプレゼンが終わったあとは登壇者によるパネルディスカッションを「2030年の世界にむけて」というテーマで行いました。

2030年までの15年間を考えると、おそらく今ない仕事などもできて、実際のところどうなっているかはわからないかと思います。しかし、15年後に社会が具体的にどのようになっているかわからなくても、小さなことから私たちにできることをしていけば確実に社会が良い方向へ向かうことはわかります。

今回のSocial Good Summitのようなイベントに参加することで参加者同士で「繋がり」をつくることから始まり、徐々にシナジー効果を生むためのきっかけとなれば日本からも世界を盛り上げていくことができるのではないでしょうか。

これから2030年の世界にむけて、どんどんSocial Good(社会に良いこと)を生み、広めていきましょう!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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