「ソーシャルビジネスの成功のためには、本気で社会を変えたいという想いが大切」ーー株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役副会長・鈴木雅剛さんインタビュー

ソーシャルビジネスで世界を変えるために、様々な事業を生み出している株式会社ボーダレス・ジャパン。

以前にも、トジョウエンジンで記事を書かせて頂きました。

今回は、「ソーシャルビジネスの成功のために重要なこと」について、代表取締役副会長・鈴木雅剛さんにお話を伺いました（聞き手：田才諒哉）。

ソーシャルビジネスで社会課題を解決する

株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役副会長・鈴木雅剛さん

ーーそれではまず、「ソーシャルビジネス」についてよく知らない方のために、簡単にソーシャルビジネスとは何なのか教えてください。

ソーシャルビジネスとは、貧困、環境、差別偏見などの社会課題を解決するビジネスのことを言います。

社会課題の解決に取り組む方法には、寄付や公的な資金を使うものがほとんどですが、それらには継続性や発展性に大きな問題を抱えています。ビジネスであれば、そのような問題を抱えずに、社会課題の解決に取り組み、インパクトを大きく出せる可能性があります。

一方、一般のビジネスには、社会課題の解決を目標に据えているものはほとんどありません。どのようなビジネスも顧客が喜ぶからこそ成り立っているのですが、その裏には、仕入価格を徹底的に下げ、劣悪な労働環境を強いているものも存在します。

ソーシャルビジネスは、社会課題を解決することと顧客に喜んでいただくこと、その双方を同時に成り立たせることのできるビジネスなのです。

ーー鈴木さんがソーシャルビジネスを志すようになったキッカケは何だったのでしょうか？

ボーダレス・ジャパンは、設立当初からソーシャルビジネスをやっていた訳ではないんです。

最初は貧困問題の解決のために活動をしているNPOなどに、売上の１％を寄付することで、継続的な支援をしようと考えていました。だから一般的なビジネスをいくつかやりました。売上もそれなりに上がり、他社に売却した事業もあります。ビジネスとしては成功させることができるものでした。

でも、違和感がずっとあった。寄付が悪いわけでは無いのですが、自分たちの努力が直接、貧困問題の解決に繋がっているという実感がなく、大きなインパクトを生み出せてもいない。

そこで私たちは考えました。ダイレクトに困っている人々の生活を大きく変えるようなビジネスをやれば良いのではないのかと。

その結果、それまでのビジネスはやめ、貧困、環境破壊、差別偏見などの社会課題の解決に直結する「ソーシャルビジネス」だけをやる会社になりました。

ソーシャルビジネスの実践で大切なこと

ーー「ソーシャルビジネス」一本の会社になったことで、特に変わった点はどのようなところですか？

まず、当たり前のことですが、困っている人々を巻き込む以上、彼らが求めていないことをやってはいけません。一方的な押し付けの支援は、相手が本気で求めていることではありません。こちら側の都合で「良いことをした」と満足するのは間違っています。

そして、継続性。支援しますと言いながら、途中でサヨナラというケースも散見されますが、それも相手からすれば迷惑極まりない。

ソーシャルビジネスは、絶対に失敗できない。困っている状況下にある人々の生活を変えるまでは、やり切らなければいけない。

そのためには、彼らが本当に求めていることが何なのか、それを継続的かつより多くの人々にインパクトを出す方法は何かを常に意識し、その実現に圧倒的な努力をする必要があります。

ーー社会課題の解決のために、具体的にはどのようにアプローチしているのでしょうか？

社会問題は様々なものが存在します。なので、人々の状況を変えるための手段＝ソーシャルビジネスの方法は多岐に渡ります。

実際ボーダレス・ジャパンは、シェアハウス、ハーブ、牛本革、アパレル、メディアなど、様々な方法で様々な問題の解決に挑んでいます。どの事業も、課題を解決をするために選んだ方法であり、もともと知識や経験があったものではありません。すべて0からスタートしています。

要するに、ベストな方法を選び、それを徹底的に追及し、結果を出し続けインパクトを出す。それが最も重要なことだと思います。

ソーシャルビジネス成功の秘訣とは

ーー絶対に失敗が許されない「ソーシャルビジネス」。鈴木さんが考える、成功の秘訣は何でしょうか？

どんなビジネスも同じですが、特にソーシャルビジネスはそれをやる「人」が重要です。

社会を変えたい、それをビジネスという方法を使って、大きなインパクトを出したいと本気で考えている人間がやらなければ、絶対に上手くいきません。社会に対する強い想いと圧倒的なビジネス能力を持っている者だけが、本物の社会起業家として、世の中にインパクトを出していけるのです。

世の中には、社会課題を解決したいと考えている人たちがたくさんいます。でも、ビジネス能力が欠けていることが多々あります。事業を成功させるには、いくつもの要因がありますが、それらを兼ね備えた人はなかなかいない。

誰もが美しいと思える未来を描く構想力、圧倒的なマーケティング力、事業を常に成功させるために変化させていく修正力、優秀な仲間を集め巻き込み伸ばす指導力、そして、ゴールへ向けて突き進むスピード、結果を出すことへの執着心など上げればたくさん出てきます。

もちろん、最初から兼ね備えた人なんていない。これらを身につけるのは、圧倒的な努力以外の何物でもありません。そして、その努力ができるのは、「社会を変える、困っている人々の生活を変える」という志があればこそだと思います。

私たちボーダレス・ジャパンは、想いと能力を兼ね備えた社会起業家集団として、この世の中に無くてはならない存在になっていきます。

（インタビュー終わり）

鈴木さんのお話をもっと聞きたい方へ

いかがでしたか？

鈴木さんのお話をもっと聞いてみたい方は、12月13,14日に行われる「国際協力カフェ」にゲストとして登壇されますので、是非聞きに来てください！

参加したい方はこちらから！ »

［株式会社ボーダレス・ジャパン］