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こんにちは、マニラプロジェクトマネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。

前回の記事では、UPCAT(フィリピン大学入試)当日について書かせて頂きました。今回は、大事なUPCATを終えたその後について書かせて頂きます。また、4月から始まった私のブログですが、今回がラストとなります。

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前任の秦からバトンを受け、本プロジェクトに参画してからUPCATまで走り抜いてきましたが、私自身の変化についても書かせて頂こうと思います。

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プロジェクトの集大成となるUPCATを終えて

マニラでの最大の目標であるUPCATが終わり、今後について話をするために各高校を訪れていました。何度も訪問し、話し合った結果、学校によっては他大学試験用として自主的に何回か開く事になりました。

しかし、基本的に試験対策用の授業は次回のUPCAT対策の時期まで一時休講になりました。そこには、生徒の受験志望校にバラつきがあり今後は個別対策の意味合いが強くなってしまうことや、そもそも経済的にフィリピン大学しか受験出来ない生徒がいました。

また、学校側の都合もあったため、これが1年目の一つの区切りとなりました。私も9月から日本に帰国し復学するため、2年目はまた新たな現地コーディネーターを募集し、このバトンを渡したいと思っています。

前任の秦が、マニラでプロジェクトを立ち上げて始まったe-Educationマニラプロジェクトも、UPCATを終えて一つのフェーズを終えました。振り返れば、秦からバトンを引き継いだ4月から、今まで自分を信じてプロジェクトを進めてきました。

何度も上手く行かない事が続き、正直自分の進め方が本当に正しいのか、不安になる事もありました。しかし、何とかUPCATまで生徒に映像授業を届ける事が出来ました。ここまで頑張って来れたのも、多くの人に支えられたからだと常々感じています。

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多くの人たちのおかげでここまでこれた

パトリックをはじめ生徒の授業をサポートしてくたフィリピン大学の学生。学校で分からない事があれば何でもすぐに教えて下さった先生方。真剣にそれぞれの役割を果たし、いつも良い刺激をくれるe-Educationメンバー。

進んでお手伝いして下さった現地に住む日本人の方々。そして、上手くいかない時でも元気をくれる生徒達。そんな多くの人達の助けがあったからこそ、ここまで来れました。

本当にこの感謝の気持ちをどのように伝えれば良いのかわかりません。いや、感謝はしてもしきれないと思います。それほど現地ではいろんな人に助けられました。

だからこそ裏を返せば、私のなかでは納得出来ないところがいくつもあり、今回の自分の活動を振り返ってみると本当は悔しいという気持ちの方が大きいです。コンテンツ内容や授業のサポート体制、プロジェクトが持続できる仕組み作りの面など挙げれば切りがないくらい反省点があります。

このプロジェクトに参画した当初は、目標に向かって一所懸命やれば出来るという自信を持っていました。しかし、現地では予想が出来ない事が起きて、後手に回る事の連続。明らかに私の能力不足が露呈しました。

しかし、そんな状況でUPCAT後に撮った生徒の試験と本プロジェクトに対する感想が一つの救いになっています。

パルマ高校

マサイ高校

ベルモンテ高校

バララ高校

「試験対策として多いに役立った」「感謝している」「僕もe-Educationメンバーに入りたい」

生徒からこんなことを言ってもらえただけで、頑張った甲斐があったと感じられたのと同時に、映像授業の持つ力を再確認しました。

今年のUPCAT受験者数は約8万3千人。去年は約7万人の中から約1万3千人が合格を果たしました。来年の2月に試験の結果発表になりますが、そのとき一人でも多くの生徒から「合格した!」という連絡がくる事を願っています。

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1年前に志した、正直に生きるということ

プロジェクトが一段落した今、ふいに自分の中の時計を少し戻して、周りに流されてモヤモヤしていた去年の自分と今の自分を比べてみました。

明らかに変わったと実感するところは、以前よりも自分の判断を信じて行動に移せるようになったところ。何が正解なのかということを意識して、周りばかり気にしていたころは、行動に移すための自信すらありませんでした。

そんな私でしたが、この一年で自分に正直に信じて進む事で、自分のなかで少しずつ自信が持てるようになったと感じます。そして、その自信を持って行動に移すという事が、今回のプロジェクトを進める上で大いに役立ちました。

しかし、一方でその自信を「過信」に変えてしまえば、それらの行動はすべて上手くいきませんでした。

全体を通して自分一人の能力だけではすべての問題を解決する事ができなかったためです。撮影、学校との実施交渉、実施、授業のサポート、それぞれの段階で全てを一人で背負い込むとスピードも遅ければ、効果も薄いということが目に見えて分かりました。

人を信じて、巻き込むこと

そのため、プロジェクトを進めるたびに新たに学んだ事は自分以上に「人を信じる」ことの重要性でした。

当然ですが「一人では物事がなかなか進まない」ということは、逆を言えば多くの人を信じて巻き込むことができれば、(単純計算では)その分目標に対して人の数だけ倍のスピードで到達することが出来ます。

人を巻き込む事が出来なければ目指しているものの中でもインパクトや効果が出ません。大きなインパクトや効果が出なければ目標や夢というものも叶わないかもしれません。

私の夢は社会起業家として社会問題を事業性をもって解決することです。この夢も一人では到底かなえられないでしょう。

だからこそ、今後すべき事として「人を信じる」ことを掲げ、実践していこうと思います。

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留学を決意した1年前のジョブズの言葉

あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。

この言葉を今でも時々思い出して、自分が納得する人生を歩んでいるのか考えます。特に最近は去年途中で止める事になった就職活動を再開し、今後の自分について考えています。

でも、去年と明らかに違うことは自分の直感に従って出したビジョンを持っているという事。決断するにはいつも勇気が必要です。

去年は少しの勇気を出して海外に飛び出しました。そして、この1年で素晴らしい人たちと出会い、代え難い経験をすることが出来ました。

あれから1年、今再び決断のとき。これからも自分に正直に生きてみようと思います。

少しの勇気と直感に従いながら。

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長い間ご愛読ありがとうございました。

伊藤聡紀


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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