トジョウエンジンの読者のみなさま、こんにちは!e-Educationバングラデシュインターンの北川修平です。
前回の記事では僕が海外インターンに挑戦しようと思った理由をご紹介しました。今回は、僕がバングラデシュに出発するまでに打ち込んでいたプロジェクトPR映像作りの様子をお伝えします。
自分の無力さ、e-Educationメンバーの本気度を実感した、長い長い1週間でした。
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「じゃあ、4日間で映像つくってもらってもいい?」
2月初旬の渋谷。e-Education副代表兼鬼コーチである三輪さん(三輪開人)はそう言い残して去っていきました。「何でもやります!」と言ったものの、パソコンといえばWordやExcelぐらいしか知らない僕が、バングラデシュのプロジェクトを国際コンペティション「Dell Social Innovation Challenge」に出願するためのPR映像を作るとは予想していませんでした。
そもそも、「Dell Social Innovation Challenge」といえば、世界各国の学生が磨き上げてきたプロジェクトを競い合う世界規模の大会。そんな大会に出すPR映像を、映像作成初心者の僕が、4日で作るなんて・・・
「無理です」
そう断ろうとしたとき、そこにはすでに三輪さんの姿はありませんでした。これが長い1週間の幕開けでした。
「集団から抜け出せない」という病
今思えば、当時の僕のモチベーションは、お世辞にも高いとは言えませんでした。与えられた4日間のうち、初めの2日間は、ほとんど何も進みませんでした。「ああ、このままだとやばいな」そんな気持ちはありましたが、なんとなくその焦りもどこか他人事のよう。
まずいのは分かっていました。でもなんとなく、最初からトップスピードになれない。それは別に、今に始まったことではありませんでした。僕は昔から、周囲の人から自分が「浮く」のが嫌で、いつも周りの様子をうかがいながら、なんとなくみんなと同じペースに合わせようとするクセがありました。
なんとなく、みんながやるからやる。みんながやらないなら、僕もやらない。大学受験ですら、僕にとっては「みんながやるからやる」ものでした。だからこそ、僕はいざ集団から放り出されて、1人で何かをしようとすると、まったくもってどんなペースでやればいいのかわからなくなってしまうのです。
そして、この集団から「抜け出せない」ことこそ、僕の大きな問題でした。そんな調子だった僕は、その時もペースがつかめないまま「まあ、どうにかなるだろ」とそう思っていました。
映像は完成せず。そして・・・
ただ、結論から言うと、どうにかなりませんでした。
残り2日になってから本格的に始めた編集作業は、思いのほか手間取り、約束の4日後、2月15日の23時59分の段階で、2分間の映像のうち、1分程度しかできていないという有り様でした。しかも、翌日16日の早朝には、長野県の農村にボランティアへと旅立つ予定だったのです。
「おとなしく、謝ろう。」
三輪さんに謝罪のメールを送ったのが、2月16日午前3時ごろでした。「まあ、間に合わなかったんだからしょうがないか」そう思っていた僕のもとに、三輪さんからの返信が来たのは長野へと向かうバスの中でした。
「学生レベルのタスク管理です。」
三輪さんからのメールには、そう書かれていました。
なんとなく集まって、なんとなく活動して、なんとなくみんなが楽しければいい。そんな「学生らしさ」が嫌でたどり着いたのがe-Educationでした。代表の税所さん(税所 篤快)や他のメンバーの「学生らしからぬ」姿に強く惹かれたことがe-Educationに参加した理由の1つでした。
また、メンバーは明らかに集団から「浮きまくっている」いる人たちばかりだったのも、僕にとっては大きな衝撃でした。
「ここなら、“学生らしさ”から抜け出せる」
そう思って参加した割に、今回の僕の行動はあまりにも「学生らしい」もの。僕と他のメンバーの違いはなんなのか?三輪さんからのメールを受け取った後、真剣に考えてみました。
メンバーの原動力は、やはり気持ちの「熱さ」でした。「熱さ」があるからこそ、メンバーの行動には迷いがない。だからこそ、ためらいもなく、集団から浮いていられる。この「熱さ」こそ、僕に最も足りないことだと気が付きました。
必死にならないのが、かっこいい?
「とにかく、必死になって残りの映像を完成させよう!」
三輪さんからのメールを受け取った僕は、とにかく必死になって映像編集に取り組みました。日中は活動があったため、使えるのは、すべての活動が終わった、深夜のみでした。それでもどうにか、こうにか映像はそれから2日後には完成しました。
頑張らない、熱くならないことが、なんとなくクールでかっこいい、僕はずっとそんな空気の中で生きてきました。そんな中で、何度か、人から「大人っぽいよね」といわれたことがあります。それは何のほめ言葉でもなく、ただ単に何事にも必死になれない、僕の姿を見て言った言葉なのだと思います。
でも、大人になるということは、きっと「必死にならなくなる」ということではないのだろうと思っています。現に、僕がe-Educationに関わるようになって出会った大人は、みんな必死でした。彼らはとにかく周囲から突き抜けていました。そんな大人が、とにかくガムシャラに、目の前の問題にぶつかっていく姿は、爽快ですらありました。そして、そんな大人は、僕の目にすごくかっこよく映りました。
誇りを持って、熱い人間でありたい!
e-Educationのチームメンバー全員がみんなどこか過剰で、集団から浮いています。みんな常に必死で全力投球です。ただ、考えてみれば「世界にある問題を解決したい」、そんな気持ちで集まったメンバーなのだから、それは当然なのかもしれません。
そこにはクールさやスマートさよりも「熱さ」を歓迎する空気が流れています。何よりも当のメンバー自身が、ものすごく熱い。この熱が、今まさにバングラデシュをはじめ多くの国で、大きな「うねり」を起こそうとしています。
だからこそ、e-Educationの原動力となってきたその熱を、今度は僕が発する番だと思っています。
「お前って熱いよな」
誇りを持って、常に周りからそう言われる人間でありたい。バングラデシュに出発する前に、これまでどこか冷めていたエンジンに火がつきました。
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