1812224thアニバーサリー集合写真

みなさま、こんにちは、トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-Educationインターンの金井です。

今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。振り返ってみると、今年の6月には、特例認定NPO法人として認められ、e-Educationにとって次のフェーズへ歩みを進める一年となりました。

e-Educationは、おかげさまでこの度NPO法人化4周年を迎えることができました。そして、去る12月22日(土)には、e-Educationの毎年恒例の行事となったAnniversary Eventを開催しました。今回は、生憎の天気でしたが、100名近くの方にお越しいただき大盛会となりました。

お越しくださったみなさま、ありがとうございました!今回は、イベントの様子を余すところなく、たっぷりとお伝えいたします!

SPONSERD LINK

イベントの流れ

  1. 第一部:e-Educationの立ち上げから今までの歩み
  2. 第二部:現場で見て感じる活動のリアル
  3. 第三部:現地パートナーからのメッセージ
  4. 第四部:ブースに分かれての交流会

それでは、一つずつ詳しくご紹介します。

【第一部】e-Educationの立ち上げから今までの歩み

はじめに、代表の三輪よりe-Education創立から今までの歩みをお伝えしました。

「先生が足りない」
「教育の質が低い」
「そもそも学校がない」

私たちはこのような途上国の教育問題に「映像授業」という方法で挑んでいます。

「世界の果てまで最高の授業を届ける」というミッションのもと日々活動していますが、今から2年前にバングラデシュでテロ事件が起こりました。日本人8名を含む22名が犠牲となった悲惨なテロでした。たくさんの悲しいニュースが流れてくる中で、特に胸が張り裂けそうになったのは、「実行犯は、優秀な若者だった」という事実です。

「大学に入ることができれば、未来が開ける!」

そう信じて、映像授業を届けてきました。

しかし事件後、自分たちの力不足で起こってしまった事件なのではないかと思わずにはいられなかった代表・三輪は、「自分たちがやっていることは本当に意味のあることなのだろうか」と、e-Educationの活動の意義そのものを疑い、悩む日々が続きました。

そんなドン底な状態でも、三輪を支え続けてくれたのは他でもないバングラデシュの人々です。
e-Educationの教育を受けて、自ら現地の社会課題を解決しようという強い想いを持つ現地の若者たちと再会し、e-Educationの価値を再確認することができました。

e-Educationはただ単に教育の機会を提供するだけでなく、教育を通して「人を育てること」を大切に活動を続けています。

三輪プレゼン

活動への想いを熱く語る代表・三輪

【第二部】現場で見て感じる活動のリアル

第二部では、グローバル事業統括の吉川がモデレーターとなり、フィリピン・ネパール・ミャンマーのカントリーマネージャーである坂井・椎木・古波津の3人がそれぞれの国で感じたことをお伝えしました。

途上国では生まれ育った場所によってその後の学力が大きく左右されます。日本にいると、途上国での格差はどうしても「遠い国の話」として感じます。そこで吉川は、《東京都生まれの人と東京都以外の生まれの人》という例で私たちに問いかけました。

吉川プレゼン

参加者に自分ごととは何かを問いかける吉川

《東京都生まれの人》は、良い教育を受けられて、大学にも行けて、良い仕事に就くことができるけれど、《東京都以外の生まれの人》は、大学にも行けず、良い仕事にもつけず、両親とも一緒に暮らすことができません。

このように、途上国の厳しい教育格差を身近な例に置き換えることで、遠い国の問題をジブンゴトとして見つめ直していただきました。

サイサイ君のエピソードを熱く語る職員の古波津

サイサイくんのエピソードを語る職員の古波津

また、ミャンマー担当の古波津は、サイサイ君という男の子のエピソードを紹介。

サイサイ君は、ミャンマーの首都ヤンゴンからバスで20時間かかるシャン州という地域で出会った学生です。シャン州の学生たちは朝5時に起きて夜11時まで勉強しており、その中でも特に一生懸命勉強している男の子がサイサイ君でした。

「こんなに勉強して、サイサイ君は将来何になりたいの?」
と古波津が聞くと、サイサイ君はこう答えました。

「僕は、将来兵士になりたい。兵士になって家族を守りたい、友達を守りたい、自分のアイデンティティを守りたいんだ。」

e-Educationは子どもたちの夢を叶えるために教育支援の活動をしています。
ですが、この答えを聞いた時、古波津は100%の気持ちではサイサイ君の夢を応援できず、複雑な感情になったと言います。

椎木、坂井も同様に実際に現地で活動するメンバーならではの想いや、現地でしか分からないこと、知りえない実情を職員一人ひとりのエピソードを元にお伝えしました。

様々な教育課題と向き合っている中で、現場にいるからこそ感じられる「確かな変化」や「希望の種」を見つけたり、感じたりすることができます。

参加してくださった方からは
「実際に足を運び、人と関わったからこそでなければ分からないエピソードがたくさんありました」
「本物の、生の声が聞け、感動しました」
といった感想をいただき、数字ではなかなかお伝えできない、教育支援活動のリアルをお伝えできたのではないかともいます。

【第三部】現地パートナーからのメッセージ

第三部では、このイベントのために来日したスペシャルゲスト、パートナー団体BacBon FoundationCEOのマヒンによるトークセッションを行いました。
マヒンは、e-Education創設者の一人であり、彼がどうして一緒に活動を開始したのか、原体験から話してくれました。

バングラデシュパートナーのマヒンと通訳する三輪

バングラデシュパートナーのマヒンと三輪

彼の故郷は、バングラデシュの首都ダッカから船で7時間行ったところに彼の故郷があります。
しかし、彼がダッカ大学(日本でいう東大)に行くためには、故郷から都市部に移動して予備校に通わなければいけない状況でした。もちろんマヒンは一般的な家庭で育ったので、都市部に行って予備校へ行くお金はありません。そこでマヒンの夢を応援しサポートしてくれたのが、彼の弟であるトゥヒンでした。

高校生だったトゥヒンは、兄が大学へ行くお金を稼ぐためにバーレーンへ出稼ぎに行くという決断をしました。マヒンはそんな弟が、「絶対に良い教育を受けられる環境をつくるため」に、そして同じような想いをしているバングラデシュの人のために教育の活動をしようと心に決めました。そんな時に出会ったのが、e-Educationの創業者である税所篤快と三輪開人でした。

e-Education founders

約10年前、e-Education創業者の三輪、マヒン、税所。

現在マヒンは、日本の教育系企業と連携しながら、バングラデシュで使用する動画を作成し、貧しい地域でも動画が見れるようにデータサイズを小さくし、現段階で2,000以上の映像教材を全国の中高生に届けています。

そんな日本をよく知るマヒンですが、2年前のバングラデシュで起こったテロ事件によって、日本の方々がバングラデシュに対して負の感情を抱いているのではないか、という不安を少し抱えながらも来日したそうです。

しかし、会場で温かく迎えてくれた参加者の方々と触れ合い、「たくさんの日本人の方が声をかけてくださって本当に嬉しかった」と彼も喜んでいました。4周年を迎えるこのイベントにマヒンが来日してくれたことは、バングラデシュと日本を繋いでより良い社会を築いていく大きな一歩となりました。

【第四部】ブースに分かれての交流会

交流会の様子

交流会の様子。みなさんの熱気で暑いくらい。

その後、6つのチームに分かれて、職員・インターン生と参加者による交流会が行われました。

「今後e-Educationがどうなっていくのか?」
「都市と地方の教育格差の実態、どこまで何が違って教育格差が生まれているのか?」

参加者から多くの質問をいただき、どのグループでも時間いっぱいに交流が行われました。

参加者の質問に熱心に答えるネパール担当の椎木

参加者の質問に熱心に答えるネパール担当の椎木

「各スタッフ様の活動に対する情熱を感じることができ、私もモチベートされました」
「それぞれの熱意と誇りが伝わりました」
「質問も交えて、各国の状況がよくわかりました」

イベント後のアンケートにはこのような嬉しい言葉が並び、参加者のみなさまにも職員やインターン生の思いが伝播し、共鳴した時間となったのではないかと思います。

また、閉会後も登壇者と参加者の積極的な交流が行われるほどでした。

e-Educationからのお知らせ

交流会の後には、e-Educationから皆様にささやかではありますがクリスマスプレゼントをお渡ししました。

サンタに扮した職員・インターン生がe-Education特製のチロルチョコと職員・インターン生からの直筆のメッセージカードをプレゼントしました。

メッセージカードをじっくりと読んでくださる方や嬉しそうに受け取ってくださる方の笑顔に溢れていて、私たちも嬉しくなりました!

e-Educationからクリスマスプレゼント

サンタに扮したe-Educationメンバーから一足早いクリスマスプレゼント。

そして、広報ファンドレイジング担当職員の水溜より新たな取り組みのひとつとして「ボランティアチーム募集」の告知もしました。

これまでは、途上国やe-Educationの関わり方として、マンスリーサポーターなどの寄付でしか関わる手段がありませんでしたが、寄付ではない形として「ボランティアチーム」という新たな関わり方も開始することにしました。

「自分の寄付したところで何も変わらない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、微力であっても無力ではありません。寄付自体はもちろん、毎月応援してくださる方、支援してくださる方の存在が私たちのパワーとなりモチベーションの源泉となっています。

途上国の子どもたちをボランティアで応援 »

イベントを終えて

e-Educationは、職員やインターンのみならず、興味や関心を持ってくださる多くの方によって支えられているのだと改めて感じました。
本当にありがとうございます。

これからもますます活動を発展させていくためには、皆様からのご支援やご協力が欠かせません。途上国に足を運ぶ機会はなくとも、「寄付」という形で途上国の支援をすることができます。

一人でも多くの方にマンスリーサポーターになっていただければ、次の未来を創る子どもたちを支える教育支援につながります。よかったらこの機会に、ぜひe-Educationの応援・ご協力をお願いいたします!

途上国の子どもたちを寄付で応援 »

あと少しで2019年。

来年もさらなる挑戦ができるよう、職員・インターン生ともども精進していきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします!

eedu円陣

最高の授業を世界の果てまで届ける


途上国の教育課題を若者の力で解決する

SPONSERD LINK